vol 274:主の決断






ノアの一家はこうやって、生きる事を認められ、

また、来世の人を育てる義務が生じた。

ノアの息子たちや嫁は子を作り、

次第に人も、家畜たちも増えていく。

人も増え、いろいろな場所に散らばり、

またそこで子孫を増やし。

世界中に散らばったノアの子孫たちは、

勿論同じ言葉を使う。

ある民が、ある行いをしだした。

天まで届く塔を建て、

自分たちの民が他より有名になろうとしたのだ。

ここでまた同じ人同士の欲が存在し始める。

神はその町を見て言われた。

「彼らは一つの民で、皆一つの言葉を話しているから、
このようなことをし始めたのだ。
これでは彼らが何を企てても妨げることはできない。
我々は降っていき、直ちに彼らの言葉を混乱させ、
互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまおう。」

神はまた彼らをそこから全地に散らされたので、

彼らはこの町の建設をやめた。

町が出来ると、そこを治めるリーダーのような者が必要になった。

それは王と呼ばれるようになり、

次第に身分も出来、奴隷という存在が生まれた。

神は、ノアの方舟の時に、ノアに誓った言葉がある。

もうこの様な事はしないと。

自分が選んだ人の子孫たちで繁栄した人間が、

どのようになろうと全てを無にすることはしないと誓ったのだ。

一部の人種が増えると男児を殺す命を出す王。

神は自分の命に従う者を選び、

どの世もノアを使ったように知恵を与え、

救ってこられた。

そしてどの世にもサタンは人に欲を持たせることに成功していたのである。

いざという時には神の手がくだり、

それでも、サタンはどうでも良かった。

神が嘆き悲しむ姿が見れれば、

ただそれだけで良かった。

人間というのは、身分が上に行けば行くほど、

欲を持ちやすく、名誉や栄光の座を欲しがり、

それを維持する為には人の死などどうでも良くなる。

人の世は波乱に満ち、

強い者が弱い者を支配する。

同じ人を鞭で叩き、

女を犯し、

子を売り。

天界で神が我が息子、主に言われた。

「そろそろ、お前が降りるべき時が来た。」

主はずっと神と共に人を見、

罪深き人、アダムの罪を背負い、

ただの創り物でしかない、

死ねば無の人間を哀れに感じていた。

いろいろな人が居れど、

ノアやモーセのような忠実で素晴らしい人間もいる。

「父よ。私は人が哀れに思えます。
始まりの人の罪をずっと背負い、
ノアやモーセのような素晴らしい人間でさえ、
死ねば土となる。
父よ、私は人として何も知らずに降りてもよろしいでしょうか。」

「何も知らずに?。」

「はい。時が来るまで人として学びたいのです。
そして、貴方の声を聞き、
それを信じ、死を迎え、
私の血で、人の死後、霊となることをお許しください。
身をもって、私が始まりの人の罪を背負う為に、
血を流し、痛みを知り、死を迎えましょう。」

神は主の哀れみを受け入れ、

苦難を選んだ見返りとして、

その思いを受け入れることにした。







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