vol 272:主とサタン誕生






神は、自分の創った神と似た容姿の人間が、

ここまで簡単に唆された事に悲しみを感じつつも、

どの星でも同じ結果な為、当然かとも思えた。

神は人間に更なる試練を与え経過を見る事に。

罰として園から追放し、

女には命を産む苦しみを、

男には命を耐えさせないため、

労働という苦しみを与えた。

そしてルシファーには、

「神様!聞いてください!僕は、。」

「ルシファーよ。なんという事をしたのだ。
神に仕える神の子のお前が人を唆すなどもってのほか。
お前の創った神秘的な蛇は、
あらゆる家畜、あらゆる野の獣の中で呪われるものとなった。
お前の創った蛇は生涯這いまわり塵を食らう。」

「そんなっ!神様が僕の話を、。」

「お前は神が悪いというのか!。」

神はルシファーの理由を一切聞こうとはしなかった。

そこには、一番賢い、一番可愛がっていた神使いが、

嫉妬という欲を持ってしまった悲しみと怒りが存在したからだ。

神は生き物すべてに人の罪を与え、

園から追放する。

これからどう、皆が生きていくのかを見る為に。

そして、この時に芽生えたルシファーの怒りを神は直ぐに感じた。

きっと、ルシファーは良くない事の主になると。

嫉妬の根源となるということ。

神は直ぐにその為にと、

新しい我が子を創った。

人が悪に染まった時にチャンスと、

善悪の審判をする者。

神は子に主と名づけた。

神は今度は主の教育に専念した。

善悪の知識の実を食べさせ、

厳しくも愛に溢れる心で教育し、

主は神が望む性格の持ち主へと成長していく。

ルシファーは神使いとして、まだ園に居たものの、

地上を見れば、自分が創った蛇は地面を這い、

塵を食い、醜いもの。

自分が嫌う人間に邪険に扱われ、

殺され。

神は自分への態度は何も変わらない。

しかし、他の兄弟たちの冷やかな視線。

主への嫉妬は神への憎しみに変わっていった。

ある日、蛇がただ姿を現しただけで、

人間が罵倒し、蛇をナイフで刺したのを見て、

ルシファーは怒りに狂い、

蛇に鋭い歯と命を奪う毒を持たせた。

それを知った神は、ルシファーの名を取り、

サタンと名付けて天界から追放したのだ。

神は悲しみに満ち、自分がルシファーを悪へと導かせてしまったと、

多くの時間、涙を流した。

その涙は地上では雨となり、

その涙の雨に濡れた蛇は、

その雨は心地よく、水を好む生き物へとなっていった。

神々の集会。

「みよ、地球の神よ。
やはり欲は生まれ悪も生まれたではないか。」

「ハッハッハッハ!やはり神を象っても失敗に終わるか!。」

神はそんな罵倒を浴びても、自分の創った生命を信じたかった。

「ですが、悪を学ばねば善の本当の意味が、。」

神は、悪を学ぶことで本当の善を理解し、

悟った生き物が生まれる。

それこそ、大きな意味ある事だと言いたかった。

だが、自分がサタンにしたように、

他の神々は聞く耳を持たず、

「そのような事。言い訳か。」

「もうよい。」

話を砕かれてしまう。

他の惑星はとても古くから生存し、

地球など、まだ赤子のようなもので、

他の神々からすれば、地球の神は新人の神でしかないのだ。

集会が終わった時、一人の宇宙の神が声をかけてきた。

「地球の神よ、私も貴方と同じ考えです。」

「大日如来・・・。」

「貴方はそれを見越して、善悪の判断が出来る息子を創った。
きちんと先に対応し、これは、
他の星の神々には出来なかったこと。
私も智恵の神として地球に力を貸しましょう。
貴方の星の美しさは貴方の愛を大事にする心。」

神は大日如来の言葉にとても救われた。

サタンは自分の居場所となる自分の場所を決めた。

そこは、地上の真下。

自分には此処がピッタリだと思ったのだ。

神が愛するモノをこの神の地より引きづり下ろす。

そして神とは正反対の神になろうと決意する。

どこかで神から再び罰を受け、

塵にされるであろう。

しかし、自分などもう存在する意味もない。

神に嫌われた、

大好きな父に嫌われた自分など。

幼いサタンは人に接しに行くが、

人には自分が見えないようだ。

神は人と神々の存在から線を引いた。

人には自分たちが見えず、

善き行いが出来る者のみ、

神が必要な時に姿を見せられるようにしたのだ。

神の声は最も必要な時しか聞こえず、

それまでは心に感じさせるようにした。

その感じた言葉を信じるか信じないか。

それで人の歩みを見ていくのだ。

サタンの言葉も同じ作用をもたらした。

心を唆し、

それに従う者は欲を持ち、

神の道を踏み外す。

しかし、この頃は魂というものはなく、

死ねば塵にしかならなかった。

人間は死ねば土へと還ったのだ。

自分の国に引きづり降ろす事は出来なかった。



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