vol 267:聖なる弓矢






そんなサタンの巧みな言葉に、

俺らは自分の悩む心に支配されかけた。

でも、俺たちはそれを噛み砕いてきたんや。

「俺は、そう思ってたからこそ、
学べた事が殆どで、その気持ちがあったとしても、
何ひとつ、自分の信じる事に疑いは持ってへん。」

俺は大樹やシロ、弥勒に顔を向けて微笑んだ。

「俺も。後悔も何もない。」

「うん。俺も。」

「うむ。」

今の俺達は成長もしてる。

まだまだやけど、悟りながら歩んでるんや。

「へぇー。つまらないねぇ。
そこまでして信じて裏切られるのをどうして望むんだい?。」

「なんで決めつける?
裏切られるって確証なんかないやん。
すべてに意味があって、
すべてに結果が出る。
その結果を見て来たからこそ、
疑う点がない。
お前みたいにネチネチと、
嘘で固めては、ガキみたいに、
父親が来るのを待ってる奴と一緒にせんといてくれ。」

普段ならこんな言い方なんかせぇへん。

せやけど、いい加減、

サタンの為にも、解らす努力もせな。

「えらく、馬鹿にするんだ?
君らしくないじゃない・・・カン。」

サタンは俺の言葉に苛立ちを露にさせて、

目を細めて視線を合わせてきた。

「それで?僕を止めに来たんだよねぇ。
僕がやるべき事は終った。
その僕の何を止めるって言うんだい?。」

「他の星の地球を狙っとる神への、
コンタクトを止める。」

俺はミカエルから貰った指輪に意識を集中させて、

肉体と魂を同時に発動させ、

弓を持つ。

そして、なんでかこの時、

自分の運命に気づいたんや。

運命っちゅーか、役目っちゅーか。

「弥勒、後の事は頼んだで?。」

「カン?。」

「シロ、ここで学んだこと、
黄泉の国でも伝えるんや。」

「・・・?。」

「大樹・・・愛してる。
これからもずっと・・・。」

「カン?。」

俺は目を閉じて、

光の弓矢を作り出す。

サタンを止めるのは、

もうこの方法しかない。

戦っても、なんの意味もない。

命を持って、死に変える。

「へぇ。神の光で僕を?
僕も神使い。神の光の力なんて効かないの解ってるだろ。」

「せやな・・・せやけど、
俺がお前に出来ることはこれしかないんや・・・。」

神ではなく、それは命の光。

俺を愛した生き物の心で作った弓で、

俺の命の矢を打つ。

オカン

これまで関わってきた霊たち

黄泉の国の神々

天界の神々

俺は、サタンと共に塵になります。

弓矢を放った瞬間、

俺は後ろに倒れ、

油断しているサタンのミゾオチへと矢が刺さった。

「カァーーーーーーン!!!!!!!。」

大樹の叫ぶ声がずっと遠くで聞こえる感じがした。

「な、なんだ・・・これ・・・。」

イエスの体が前に倒れた。

立っているのはサタンの霊体。

サタンはミゾオチを両手で押さえ、

顔を歪める。

(ク・・・アァアアアアアアアアア!!!!!!!。)

サタンの霊体がヒビ割れるかのように、

光が溢れ出る。

そのままサタンは光で爆発したかのように、

姿が消えた。

「カン!カン!弥勒!カンが!。」

弥勒はサタンを見ていたが、

大樹の声に我に返り、

俺の脈を測る。

「おい!カン!。」

心臓も止まり、俺は死んだ。







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