vol 263:大きな難題






盆も終わって、また俺たちは闇の者への動きに出る。

薬師の国には、傷ついた霊たちも少なくはなく、

皆が今できる事を戦っていた。

世界中で、異常気象の破壊と、

それに共なって隣国同士で揉め、

戦争が始まった。

日本はまだ戦争に巻き込まれることはないものの、

確実に人類は混乱に向かっている。

俺らの元に大日如来がやって来た。

(皆よ、他の星の我々と同じ考えの神々を集めた。
しかし、数名の星。)

「そっか・・・。」

俺は俯いた。

(そして、この結末は終るまでは続く。)

弥勒が顔を上げて、

「それはどういう意味ですか?
食い止められるんじゃ・・・。」

(地球は滅びはしない。
しかし、人間はそうはいかぬ。)

「そんな・・・。」

大樹とシロは黙ったまま俯いてる。

(天界の神と話合った結果、
1度したように、方舟を頼ることにした。)

「方舟って、ノアのですか?。」

大樹は聞く。

「ほんらな、生き物は男女1匹ずつって事か?。」

(いいえ。審判で主が選んだ者のみ。
どの生命も、何にせよバランス。
善き者ばかりを集めても、
直に欲が悪き者に変えてしまう。
しかし、善き者だけでは成り立たない。
だが、命を再び育むには、
基礎を善き者で造る必要がある。)

「理屈はなんとなしにわかるけど、
方舟って・・・。」

(ひとつの星の者が、この地球の生物に詳しい。
その星の者が方舟となることを自ら提案してくれた。)

「宇宙人に、認められた者だけが、
助けられると言うわけですか・・・。」

大樹がつぶやいた。

地球の生命は一度、無になり、

そしてまた地球に息吹を吹き込んで、

草や自然が育ち、戻り、

そうなってから、人間は帰される。

その間、宇宙人にもう一度生きる術を学ぶ。

シロが言った。

「1度救い、またこの様な事になり、
3度目は・・・。」

3度目があってもおかしくない生き物。

それが人間。

大日がそんなシロに微笑んだ。

(我々は人間への期待はまだ持っています。
神が創られた素晴らしい生き物。
無駄とは思いません。
人間は変われる生き物。
その希望は捨てません。
ただ、問題はサタンのやろうとしている事。)

俺はそこに食いついた。

(彼は、我々同様に、他の星の神と手を結びました。)

「他の星の神とって・・・。」

(地球を自分の星にしたいという、
野望を持った神。
その者たちが押し寄せれば、
人間は住む事の出来ない、
青く白い地球ではなくなってしまう。
灰色の淀んだ星。
そして、地球はそれに耐えられず、
消えてしまうでしょう。)

弥勒も大樹もシロも絶句する。

(宇宙の神々も人間へはもう失望し、
排除する対象と判断しています。
戦や災害で苦しむ人間を見て、
当然の報いだと。)

「なんやそれ!それでも神か!。」

(カンよ・・・神は神という名であり、
お前たちの信じた愛を心から望む神は、
天界の神なんです。
神はまた、ひとつの生き物にすぎません。
だが、お前たちの父であり、
すべての父なのです。
愛情溢れる父なのです。)

俺たち4人はもう言葉が出なかった。

「もう・・・手段はないのですか・・・。」

(いいえ、弥勒よ。
我々は希望を絶やさない。
だから、一部であろうと救うのです。
それは我々の役目。
お前たちには新たな役目がうまれました。)

「新たな・・・。」

「役目?。」

弥勒と大樹が問いかける。

(サタンへと今すぐ向かうのです。
もうサタンと手を組んだ星の神は、
準備に取り掛かっています。
サタンの情報がなければ、
神は心細くて動けぬはず。
主も、始まりの場所に直、降り立つでしょう。
お前たちは母である地球を守るのです。)

これまた大きな難題をつきつけられた。







                263      次のページ








262話に戻る
戻る

花手毬