キットを手にしてからずっと気になっていたのがベルマウス(錨収納部)の形状で、モールドはただの円形で縁もぶ厚く、あまり印象が良くありません。キットのホースパイプはモールドのみで開口されてないので、錨甲板の製作と平行してここから手を付ける事にしました。
まず錨甲板のホースパイプの出口のモールドを作り、ベルマウスのモールドを真鍮線で作って削り落としたキットのモールドの上に付けます。そしてドリルで穴を貫通させた後にペーパーとヤスリで形を整えてゆきました。 Anatomy....HOODの記述によれば1940年3月〜5月の改装で右舷側の副錨は揚錨装置と共に撤去されたとあり、これ自体は、
「Warship Profile」(P169,170,171)
「Monografie Morskie HOOD」(P54)
艦橋及び艦首から撮影された写真で確認する事ができます。ただし(これは恐らく改装期間が短かったためではないかと思うのですが)日本の戦艦のように全てを撤去したものではなく、揚錨装置の基部やホースパイプ、錨鎖導板はそのまま残されていたようです。アンカーチェーンのストッパーの船体側の金具も写真から残っていたことがわかるので、そのまま付けています。
ただ、副錨撤去後の右舷艦首側面を明確に撮影した写真は手元にはなく、ベルマウス付近の処理がどうなっていたのかはわかりません。図面ではベルマウスが有った(であろう)とは描かれているのですが、鉄板で封鎖されているのか素通しだったのかまではわかりません。模型で素通しとしたのは特に根拠があった訳ではありませんが、アンカーチェーンのストッパーの金具すら外す余裕がなかったのなら、ベルマウスを封鎖する余裕もなかったのではないかと考えたことに依ります。クイーンエリザベス級やキングジョージV世級戦艦の写真の中には副錨を取り外して戦闘行動を行っていたと見えるものもあり、閉鎖しなくとも支障はなかったのだろうと考えたのも理由のひとつです。
あと、艦首のラインも若干直線的で気になったので、艦首にプラ板を埋め込んでパテ盛り整形しています(WLの艦首整形の要領と同じです)。
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