日々のエッセイ


   雨の季節は好きですか? 晴れの日ばかり続くと、紫外線でお肌が
  疲れてしまい、くもり空にホッとしたりします。でも、いざ雨が降り出すと、
  とたんに青空が恋しくなるのだから、勝手ですよね。
 
             
    この鳥の人形は、数年前に買ったものですが、やわらかいネットで
   出来た傘が雨あがりの空気を思い起こさせて、6月のマスコットです。
  
   雨の恵みを受けたのか、毎年、ぜんぜん実らなかったベランダ栽培の
   苺が、今年はじめて赤く染まりました。ご近所のかたに分けてもらった
   苗で、日に日に苺らしくなっていく様子を観察しています。
               
    雨の日の楽しみ方。たとえば、音楽。最近、ピアニストの友人が
    ホームコンサートに出演したので、応援に行きました。主催者の自宅
    サロンで聴かせてもらう音楽は、リュートあり、クラシックギターあり、
    アコースティックギターありで、バラエティに富んだ構成です。
    友人はフルートとデュオを組んでいて、その名も『エバーグリーン』。
    素敵な演奏を披露してくれましたが、中でもフリューティストの
    井上信平さんが作った『スカイ』という曲が、雨あがりの青空を
    思わせる、のびのびした曲で、今の季節によく似合っていました。

    雨の日の楽しみ方。たとえば、読書。 
    優しい雨音を聞きながら、もう一度読み返したいなと思っていた
    懐かしい本を開いてみるのは、どうでしょう?
               
     上の二冊は、お気に入りの児童文学作品です。小学校の頃に、
     学校の図書室にあった本で、面白かったから借りるだけでは飽き
     足らず、買ってしまいました。大石真さんの『ふしぎなつむじ風』は
     凶暴なワニが男の教師の姿で学校にやってくる話。寺村輝夫さん
     の『ゴンボの教室』は、人の心が読めるマジックライトを、夢の中で
     手に入れた少年の話。どちらも、学校が舞台の不思議な話です。
     震えたような線の挿絵は、70年代の流行でしょうか、不安げな
     子どもたちの表情が、独特のムードを作っています。

              
       窓の外、雨音が止んだと思ったら、太陽が顔を見せはじめ
       ました。さぁ、紫陽花でも見に出掛けましょうか。雫を抱えた
       花は、更に綺麗だろうから。

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