日々のエッセイ


   春ですね。
  花屋さんの店先や、街を行く女性の服装が、パッと華やかになって、
  はずんだ気分になってきます。
  私のところにも、春めいた嬉しいニュースが届きました。
  フレーベル館から出版された、ファンタジー作品『コスモス・マジック』が
   中国語に翻訳され、台湾の子どもたちにも読んでもらえるようになりま

   した。
            

   中国語版を開いてみると、漢字で意味がだいたいわかるので、
  違和感がなく、朝倉めぐみさんの絵にも素敵にマッチしています。
  たくさんの子どもたち、そして大人たちに手にとってもらえたらいいなと
  願っています。

  3月といえば、ひな祭り。
  子どもの頃から、ひな祭りという行事が好きでした。なので、節分が
  済むと、すぐさま人形を出して飾り、ひと月たった3月4日には、必ず
  片付けます。いつまでも人形を出しっぱなしにしていると、お嫁さんの
  もらいてがなくなる、という言い伝えを半分、信じていまして。
            


  わが家に飾っているおひな様は、親王飾り。人形店には、ありとあら
  ゆるタイプのお人形が売っていますから、選ぶのに迷ってしまいそう
  ですが、これはすんなり決めました。この間、姪が「おひな様って、
  買う人に似てるよね」と言ったのを聞き、へぇー、そうなのかぁ、と、
  改めて眺めてみました。髪の長いところは似ているかな?

              

   こちらが、実家にあるお人形。おひな様に、三人官女、五人囃子に
  右大臣と左大臣。メンバーが揃っています。子どもの頃は、春になると
  まるでリカちゃん人形を扱うように、ひな人形を無造作に手に取り、
  お道具をもたせたり、髪をいじったりと、日常的に遊んでいた記憶が
  ありますが、そんな乱暴な扱いにも関わらず、五十年近くたった今も、
  色褪せることなく、暖かなお部屋に飾られ、優しい笑顔を見せてくれ
  ています。
   現代っ子たちにも、ひな人形を愛でながら、季節を楽しむ心のゆとり、
  大事にしていってほしいですね。

 玄関には、お客様を迎える立ち雛
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