秋の風が、駆け足で風景をマロン色に染めあげていきます。夏に写した
アルバムが、ずっと昔のことのように思えてきて。秋は、日ごとに深まって
いく気配です。 どんぐりを使った、こんな可愛い人形たちを見掛け、
ちょっと温かな気分になりました。
実りの秋、ぶどうや梨が美味しい季節ですね。フルーツといえば、先日、
ドラゴン・フルーツを食べました。沖縄や九州では、そう珍しくない果実なの
でしょうが、私は初めて。鮮やかな花のような様子で、半分に割ると、中は
もっと強烈な赤紫の果肉(白いのも、あるようです)、キュウイみたいな
小さな黒い種がいっぱいです。
ドキドキしながら、ひと口食べたら、濃い外見のわりに、味はとても淡白。
おいしくて、たくさん食べてしまいました。 初めての食べ物って、まだまだ
ありそうだから、探して挑戦してみたいです。好きな味を発見できそう。
上の写真は、ご存知、レインボーブリッジです。東京湾を二時間かけて
ひとまわりするプチ・クルーズに参加しました。船の上から眺めると、
忙しない都心の風景も、なんだかのんびりして見えます。目の前を、羽田
空港の飛行機が、次々に秋空へ飛び立っていきます。
沈没船の中から、古いワインが引き上げられた、というニュースをやって
いました。百年前のワイン、どんな味がするんでしょう? 私の書いた
『うす灯』という短編集にも、船と共に沈んだワインの話が出てきます。
挿絵は、幻想的な絵が美しい東逸子さん。ボトルのふちに、ちょこんと
すわったコケティッシュなワインの妖精を描いていただき、お話がおおいに
膨らみました。
秋の夜長には、懐かしい誰かに宛てて、手紙でも書いてみましょうか?
メールは便利だけれど、手紙のほうが想いが伝わることも多いかもしれま
せん。上のポストマン型のスケールは、少し重くなった手紙を計るのに
愛用しています。もう二十年近く使っているでしょうか、今でも同じものが
売っているので、たくさんの人に愛されている文房具なんだろうなぁと
思います。 さて、今晩も手紙を書きましょう。明日の朝一番に投函して、
返事が届くのを楽しみに待つんです。
読書の秋に、こんな一冊はいかがでしょう? こわい話のアンソロジーで
この9月に国土社から発行になった『ホラー遊園地で待ってる』です。
中の一編を私も書いています。タイトルは、『コピーされたスケーター』。
フィギュア・スケートの上手な少女の、科学的な(?)怖い話です。
ここでは短編ですが、いつか同じテーマで長い話も作ってみたいと思う
作品です。
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