春です! 花の蕾がやわらかく膨らみ、葉の緑がまぶしく輝き、空もスッキリ水色。
そんな穏やかな日が続き、予定が何も無い日でも、なんとなく朝からウキウキ・・・。
春という季節の魔法ですね。
新刊が出ました。 『リトル・ダンサー』(国土社)です。
小学4年の男の子が、やりたくもなかったバレエを、なぜかやるハメに・・・。
友だちと比べて「ちっとも輝いていない自分」に嫌気がさしている主人公だけれど、
バレエを通じて知り合った老ダンサーや、年上の友だち、内気な少女と関わるうち、
「輝き」の意味を理解していきます。 「輝いている」かどうかは、自分が決めるの
じゃなく、まわりの人たちが判断すること。 自分に出来るのは、“理想の自分”を
目指して最大限の努力を続けていくーーーそれだけなのです。
少女小説を書いていた頃の担当編集者のYさんとは、今もお年賀状のやりとりが
続いています。彼女の息子さんが小さかった頃、バレエの発表会の写真がついた
お年賀状を頂きました。 大勢の女の子たちに囲まれ、正装した小さな男の子は、
まさにプリンス! 『リトル・ダンサー』が生まれるきっかけになりました。
バレエは私も大人になってから始めて、今も続けています。 普段、使わない筋肉を
レッスンでは使うので、心地良く身体が伸びる感じ。
踊ることの清々しさを、この本で少しでも感じて頂けたらいいなぁと思います。
物語中に、主人公が『ボレロ』を踊るシーンが出てきますが、ジョルジュ・ドンの動画を
見ながら書きました。ドラマティックな踊りです。
今月の17日(日曜日)まで、ギャラリーウシンにて、BOOK展をやっています。
今年は、過去6年の間、ギャラリーのお話会で発表してきた物語が、
会場に全部集まっています。
今までの作品をオーナーさんが、『てのひらメルヘン』と、『誰かのエピソード』という
2冊の本にまとめてくださり、会場で自由に手に取って読んで頂けるように
なっています。 椅子にすわって、是非、ゆっくり読んでくださいね。
作品のそれぞれには、人形作家の松田富美子さんが羊毛フェルトで再現した
登場人物のお人形が、併せて展示されています。 ズラリと並んだ
表情豊かなお人形たち。 細部まで手がこんだ、優しい色合いのお人形を
一目見たら、春気分もきっとマックスになることでしょう。
BOOK orchestra ー本と本にまつわるー
会期 2016年3月29日(火曜)〜4月17日(日曜)
午前11時〜午後5時 (月曜休廊)
場所 ギャラリーウシン
埼玉県所沢市小手指町1−22−13−102
電話 04−2997−8720 細野敦子さん(オーナーさん)
もう一つ、展覧会の話題。(こちらはもう
終わってしまったので、ご報告まで)
御茶ノ水駅の近くに、半地下のお洒落なブック
カフェ『エスパス・ビブリオ』があります。
そこで、愛育社フェアがありました。
お店のステンドグラスの看板が目を引きます。
書斎風な落ち着いたカフェ・スペースと、
都心とは思えない静かなテラス、それに、
ギャラリースペースが併設されています。
そのギャラリーに、愛育社の本が、
美術品のように綺麗に並んでいました。
愛育社から出ている私の本、
『あの子を探して』と『静かなネグレクト』
も、こんなふうに澄まし顏で並んで
いましたよ。
本の話題、続いては、春の夜に読むのに似合う絵本を紹介しましょう。
『ボビンちゃんのとんだ1日』(スカイフィッシュ・グラフィックス社)は、
イラストレーターの松原康子さんが描いた、雑貨みたいな可愛い絵本。
宇宙のサヨルン星に住むボビンちゃんは、
ボーイフレンドにライブに誘われ、楽しみにして
いましたが、会場に行くまでに、困っている人
たちを助けて、開演に遅れてしまいます。
果たして彼は待っていてくれるか・・・。
世話焼きで、のんびりムードの女の子の、
浮かれた気持ちが詰まった絵本です。
野外ライブの様子も、これからの季節に
ぴったりかな。
絵本には、こんな
おまけも。
ペーパークラフトで、
ボビンちゃんの家が作れます。
さらに、
紙飛行機まで、ついていました。
「とんだ1日」というのは、
ボビンちゃんが忙しく飛びまわった1日であり、
ライブに遅れて「とんだメにあった」という
意味をかけているのかなぁ?
春の空に飛ばしてみたくなる、
ちょっとレトロな色合いの紙飛行機。
街で見掛けた野菜が
カラフルできれいだったので、
思わず足を止めました。
春野菜で、美味しいものを
作ってみたくなりますね。
心躍る季節を楽しんでください!
2016年 4月
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