日々のエッセイ

    

     涼しくなった夜風とともに、虫の声。 秋を実感する毎日です。 町のショーウィンドウは
     9月に入る前から秋の装いなので、時の流れを加速させますね。

                

  
        
      暑さが遠のくと、ゆっくり机に向かって、手紙でも書きたくなります。
 夏の思い出を
      誰かに聞いてもらうには、スマホの画面内じゃ小さ過ぎて・・・。 
ペンを執ってみれば、
      思ったよりスラスラと、文が浮かんできそう。

      上の写真は、9月から、ギャラリーウシンで約一か月間、行われる、『絵封筒展』の
      ために書いた手紙です。  茶封筒を、マスキングテープで飾ってみました。 
      マスキングテープは、種類が豊富なので、自分流に紙をアレンジ出来て、便利ですね。
      便箋のほうは、茶色の包装紙を使っています。  雑貨屋さんで見掛けた、一枚の
      切手型シールの絵柄に魅かれ、その柄を基に、短いお話を創って、添えています。
      タイトルは『湖のポスター』。  世間では、オリンピックのロゴについて、
      オリジナルと模倣の境が論議されていますが、そんな話題も頭をかすめて作った
      物語です。    もし読んでみたいなぁと思ってくださる方がいらしたら、
      是非、ギャラリーウシンへ。  たくさんの美しい絵封筒の中から、探していただけたら
      嬉しいです。

      『絵封筒展 Vol.9』  
          9月2日(水)〜9月20日(日)
          場所  ギャラリーウシン  
               埼玉県 所沢市 小手指町 1−22−13−102
               電話 04−2997−8720 (オーナー 細野敦子さん)

      
      さて、話は変わってーーー。
      先日、お昼を食べに行ったカフェで出された“お手拭き”が、のどかで素敵だったので、
      写真に撮ってきました。
    
                    

        ヤギさんが食べてしまいそうなオテフキです。 ヤギといえば、最近、ヤギを
        大接近して見ました。 とあるお店の、草原のように広い庭で飼われていた
        人馴れした大きなヤギ。
                   
                    
         
          本当に「メェー」って鳴いて(もちろん、ヤギだからメェーって鳴くのは知って
          いましたが、あまりにもハッキリした発音だったので) 「おおーっ」って
          思いました。  普段、ヤギと接する機会が無いもので、ちょっと鳴いたり、
          ちょっと動いたりするだけで感動します。

                     



          読書の秋だけれど、家では雑音が気になって、ゆっくり本の世界に浸れない、と
          お嘆きのあなた、こんなふうに独立した“読書室”があったら・・・と夢見ません?
          でも、たいていの人の家には、読書室が備わっているのですよ。 だって、
          上の写真は“トイレ”の表示なのですから。
          普通なら“TOILET"とか“化粧室”とか書かれているはずが、
          わざわざ本の形のプレートまで作り、“読書室”と謳っているところに、
          「独り静かに集中したい」気分が満ちあふれていますね。
          でも、トイレで読書、私は出来ないなぁ。


          この間までカッと照りつけていた太陽の光が弱まり、夕暮れ時が日増しに
          はやくやって来るようになると、とりたてて深い悩みも無いのに、
          メランコリックな気分ーーーという人も、いるかも。
          まぶしい夏とお別れしたばかり、ですものね。
          そんな時は、シンプルで明るい絵本を開き、気分を盛りたてましょうか?

                        

           これ、好きな絵本です。 野菜やフルーツを擬人化させた、表情豊かな
           絵本『どんな きぶん?』(福音館書店)。奇形作物は「出来損ない」と
           捨てられてしまいそうなところ、この絵本では大活躍。 穴あき果実が大口を
           あけて笑う顏になったり、曲がった野菜が身体をくねらせた姿になったり。

                     

             一番好きなページが、ここ。 自分のことをやっとわかってもらえて、
             ジーンとくる場面です。くちびるのかみしめ方に、押し隠した最高の喜びが
             表れていますよね。
             実りの秋にもぴったりな、楽しい食べ物絵本でもあります。


             実家の玄関前に、私の生まれる前からあった、大きなユーカリの樹。
             すごく高く伸びていたので、小さい頃、雷が鳴ると、この樹を目指して
             落ちてくるんじゃないかと、随分、心配しました。
             先日、実家を訪ねた時には、そのユーカリも、切株になっていました。

                      
            雨に濡れた切り株。 庭の大きな椅子みたいに見えます。
            他にも、いくつかの木を切ったらしく、盛り塩がされた切株も初めて見ました。
            木には精霊が宿っていて、特に庭の木は、その家の護り神のような
            存在なので、切った後、中心部に高く盛り塩をして、外側の年輪にも
            ラインに沿って塩を置いていくみたいですね。
            業者さんがやってくれたそうです。
            確かに木というのは、それぞれに表情があって、何か特別な力を発して
            いるような・・・。物語にも、そういう話がたくさんありますよね。
                                ユーカリの樹、今まで、ありがとう! 



        9月11日(金)は、二子玉川(世田谷区)の地区会館で、物語の書き方についての
        講演を行います。 いらしてくださった方々が、「気軽に何か書いてみたい!」という、
        楽しい気分になっていただけたらいいな、と思います。

                                               
                                              実り多き秋を!
                                                  2015年 9月


   トップページへ
   前回のエッセイへ
   次回のエッセイへ