ちょっと動いただけで汗が流れ、「今日も暑いねぇ」が合言葉になる毎日ですが、
アクティブに過ごそうと朝から張り切っています。
佐倉市(千葉県)のふるさと広場に、満開のヒマワリ。 風車がまわり、跳ね橋が掛かり、
遠くにポプラの並木。 周囲は見渡す限りの田園で、時々、小さな電車がのんびりと
横切っていきます。 夏休みの絵日記に描けそうな風景。
この風車は本格的な水汲み用で、市民から「リーフデ」の愛称で親しまれています。
オランダ語で、「友愛」という意味。友好都市のシンボルです。
どっしり構えた姿が、気のいいおじさんに見えてきて、自著『あの子を探して』(愛育社)の
中の短編「たどり着いた場所」に擬人化して登場させています。
風車小屋の中に入り、一階の窓から羽が通り過ぎる瞬間に出くわすと、その大きさに
ドキッ。うっかり窓から頭を出したら、大変なことになりそうです。
昭和の大きな戦争のすぐ後に、少女
向けの雑誌を発信し続けた、中原淳一
という画家はすごいなぁと思います。
紙の調達さえ難しかっただろう時代に、
ファッション、インテリア、クッキング、
ヘアースタイル、コミック、小説、人気
スターの楽屋話・・・など、現代の女の子
雑誌とほとんど変わらない内容で
出されていた雑誌の名前が『ひまわり』。
豊かな日常生活の必要性を語り、
それは決して、お金をかければいい、
というわけではなく、「美しく暮らしたい」
気持ちさえあれば叶えられるのだと
語りかけます。 端切れはドレスに、
ミカン箱は宝物入れに、四畳半の部屋
はお城に・・・、今あるもので、豊かさを演出するテクニックは、その時代の少女たちを夢中に
させただろうし、今だって相当、役に立ちそうです。ひまわりは少女の明るい未来の象徴ですね。
画家の横田美晴さんが出している
少女の雑誌『乙女の瞳』。
毎号、特集記事が乙女心をくすぐる
内容です。「アンティークレース」
だったり、「詩人の恋」だったり、
「避暑地の午後三時」だったり・・・。
表紙の少女に誘われ、読んでみたいなぁ
と思ったら、実はこの雑誌、ネット上にだけ
存在する架空の、表紙だけの雑誌なの
ですって。 すでに25号も出ていて、
その表紙を集めた画集が、月刊アート
ワークスから発行されています。
サブタイトルが「乙女たちの日々の暮らしを
美しく」−−−とあります。 中原淳一の『ひまわり』に通じるロマンティックな雑誌。
少女の話が続いたので、夏にお勧めの
絵本も、可憐なお嬢さんが主人公の
ものを。
『紙のむすめ』(光村教育図書)は、
タイトル通り、白い紙で出来た娘さん
(少女というより、20代半ばくらいの
印象)のお話です。 彼女は紙を切って
何でも創り出し、豊かな一人暮らしを
続けていますが、この頃ふと、話相手の
いない寂しさを感じはじめ・・・、
紙の葉が生える樹から、次々と紙を
もぎとっては、動物たちを創り、賑やかな
仲間を増やしていきます。
娘さんの暮らしは楽しくなってきました。
そして、もっと楽しくなるにはーーー。
樹に残った最後の、貴重な紙で
創り出したのは、
もちろん素敵なパートナー。
二人で「これから切り抜いていく、素晴らしい
あれこれについて」おしゃべりする時間は、
希望に満ち、一点の曇りもありません。
背景は夏を思わせるスカイブルー。
ナオミ・シャピラさんの力強い切り絵は、
透かして見える背景の色がページごとに
違って、とても涼しげ。
子ども向きになっているけれど、
内容は大人が楽しむ
愛の絵本といった感じの一冊です。
涼を作り出す、昔からの夏の小物といえば、団扇。 粗品でもらったり、イベント会場で
配られたり、いつの間にか家にいくつもあったりします。 エアコンで身体が疲れた時には、
窓を開けて、団扇でパタパタなんていうのも、リフレッシュするかも。
上の写真の団扇は、封筒に入るくらい小さなサイズで、団扇の表面にメッセージを
書いて送ることが出来ます。 持ち手がしっかりしているので、小さいながら、ちゃんと
扇げて、実用的。 いつもお世話になっている人に夏の便りとして送ってみたら、
爽やかな風を届けられるかな?
第31回 北國夏の読書感想文コンクール
2015年の指定図書に、私の書いた
『夜の学校』(文研出版)が入っています。
小学校高学年向け。
この機会に、是非、読んでみてください。
表紙の灯台も、涼しそうでしょう?
灯台の姿って、ガラス瓶に似ていますね。
夏は炭酸で、身体の中からシュワッとしたい気分になります。 柑橘系の炭酸飲料は
よく見掛けますが、すいかサイダーは初めて見ました。 熊本産です。
手書きっぽいラベルが可愛いし、薄いピンク色が涼しげ。
飲んでみると「うん、すいかの味!」と、納得します。すいかの味って、言葉にするのが
難しいけれど、優しい甘さ。 これを機に、いろんな味のサイダーを飲んでみたいなぁ。
遠い町の、駅員さんもいない小さな駅のホームで写した一枚。青空も雲も、絵に描いた
ような美しさで、鏡に映りこんだ風景もまた、ポストカードみたいでした。
今年の夏はどこへ行こうか、一応は決めているけれど、予定通りに運ぶかどうか・・・。
でも、計画がズレて、慌てたり、がっかりしたり、また気を取り直して盛り上がったり
するのが、夏休みっていうものですよね。
夏が過ぎた時には、楽しい思い出の山でありますように。
2015年 8月
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