十月はハロウィンがあるから、町の中でカボチャの飾りつけが目立ちます。
食べても美味しい、カボチャの季節。 売っていた装飾用のミニカボチャには
シールがついていて、自分好みの表情に仕上げられるようになっていました。
そういえば、去年の秋に新聞で、カボチャの顏を集めた博物館の記事が載っていたっけ?
面白そうだなと思いつつ、去年は行けずに季節が過ぎてしまったので、今年は祝日に、
車を走らせ、その個人博物館のある松戸(千葉県)へ行ってみました。 松戸は大きな町と
いうイメージでしたが、博物館へ続く道は、緑がうっそうとしていて、車のすれちがいが
ギリギリな坂道、着いた時はホッとしました。
収穫したカボチャを乾燥させ、顏に見立ててペイント。 そのカボチャ顏をたくさん展示した
博物館が、『元禄まつど村』です。 似顔絵カボチャを歴代首相にも手渡しているというの
だから、カボチャの七変化ぶり、すごいですね。 上の写真は、併設された資料館の入り口に
いた看板娘、もちろんカボチャ製です。
福々しい笑顔の
おかめさん。おちょぼ口が
可愛らしい。
お馴染み不二家のペコちゃん。
カボチャで作ると、こんな顏。
中にぎっしり、チョコレートが
詰まっていそうに見える。
元のカボチャは、こんな感じで、持ち上げてみると、かなり重い。
だけど、乾燥させると、すごく軽くなるのです。
今年はカボチャが取れなかったせいで、新作の顏が無いらしいのですが、
それでもかなりの数の、顏カボチャが並んでいました。
キッチュな感じが微笑ましい展示です。
顔カボチャを一人で製作している館長さんが、趣味で集めた古道具が詰まった
資料館のほうも、ただならぬ雰囲気。 農作業道具から日常雑貨、剥製まで、
ジャンルを超え、時代を超えて、おびただしい数が並んでいます。
年代物のようなアコーディオン。 日本名で“手風琴”と表示してあるのが、
おくゆかしい。
巨人ガリバーの靴? 中に入り込んで、横になって眠れそうな、
大きな大きな靴が、なぜか展示されています。これも古道具なのかな?
博物館を出て、近くの神社の前を通ると、大きな日の丸がクロスされて
掲げてありました。 昔は祝日のことを、“旗日”と呼んで、普通の家の門にも
日の丸が飾られていたのです。杉並(東京都)に住むおじいちゃんの家に
飾られていた旗、なんとなく覚えています。
さて、話は変わり、秋の夜に読みたい絵本を一冊。
『シルクハットぞくは よなかのいちじに やってくる』(童心社)。
なんて長いタイトル。そして、摩訶不思議で、リラックス感たっぷりな、
おくはらゆめさんの絵。
真夜中にぞろぞろと集まってくる正装の紳士たちは、なにやら職務に
有能な雰囲気。 無言であちらこちらの窓へ飛びたっていく、
真摯な紳士たちの(シャレではないですが)仕事って、なーに?
ネタバレになるので、これ以上は書きませんが、とてもあたたかな仕事で
あるのは間違いありません。 私の部屋にも、やって来たらいいのになぁ。
ところで、帽子の似合う紳士って、ダンディですよね。
小学生の頃、好きだった本の登場人物も、帽子の似合う悪役紳士でした。
怪人オヨヨ大統領という本で、放送作家もなさっていた小林信彦さんの
かなり人気の高かったシリーズ。最初の三巻までは、子ども向けに書かれて
いたので、当時、小学生だった私はすっかりハマり、この話のダイジェスト版を
学校の壁新聞(これって、今もあるのでしょうか?)に連載していたほどです。
イラストも真似して描いていました。 シリーズが全巻、終わった暁には、
どうしても続きが読みたくて、無いなら作ってしまおうと、
自分で続編を書き(キャラクターの絵も、忠実に踏襲)手作りの本にしてしまった
ほど。(だけど、3ページくらいで、ギブアップ)
なんだか懐かしいです。 悪人だけれど、どこかトボケていて、憎めない、
私にとっては魅力的なキャラなのです。
秋の上野(東京都)が好きで、この季節になると、たまに行くのですが、
初めてパンダのポストを見ました。 上野のどこかにあると聞いていたのですが、
やっぱり動物園の前にあったのですね。 手紙を書いて、出したくなります。
うんと楽しい内容の手紙でなきゃ、ね。
良い秋を!
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