夏の花の筆頭は、やっぱりヒマワリでしょうか。 船橋市(千葉県)の小学校に、児童たちが
部屋にはいくつも、ムーミンの物語が描かれた木のプレートが、さりげなく飾ってあります。
中には、たくさんの子どもたちが触ったのでしょう、色がはげて文字も薄くなったものも
ありますが、それもまた皆に愛されているムーミン屋敷らしい風情。
秘密めいた地下への階段を、そろりそろりと降りていくと、「あっ、ムーミン!」、
扉に等身大のムーミンが彫られていました。 中は広い広いプレイルームです。
可愛らしい小さな丘を登ったところには、誰かの別荘みたいな雰囲気の図書室が
しつらえてありました。自然光がたっぷり射しこむ木のテーブルで、日が暮れるまで
絵本を読んで過ごしましょうか? もちろん、ムーミン関連本がたくさん揃っていますよ。
テーブル脇のライトも、こんなふうな木のカバーで覆われ、雰囲気を壊しません。
灯っているところは見なかったけれど、どのくらい明るいのかな?
今年はトーベ・ヤンソンの生誕百年を記念して、日本でも各地でイベントが開かれて
いますね。フィンランドのムーミンワールドに行きたくても遠すぎて・・・と思うムーミン
ファンの方は、日本にある『あけぼの子どもの森公園』を歩いてみれば、きっと物語世界を
味わえますよ。
歩きながら、ふと足元に視線を落とすと、きれいな色がはめこまれた歩道。
パレットみたいで素敵だったので、写真に残してみました。
家にもどって、ふたたび読書タイム。 ファッション誌に書評が載っていたヤングアダルト。
海外のティーン向け作品を集めたSTAMP BOOKSのシリーズで、エアメール縁取りの
ある装丁もお洒落な本です。
『二つ、三ついいわすれたこと』(ジョイス・キャロル・オーツ作・岩波書店)
主人公は、ハイティーンの少女たち三人。
メリッサは容姿も頭脳も品行も優れ、「ミス・パーフェクト」と皆に羨ましがられています。
だけど本当は、無理を重ね、心にも身体にもたくさんの傷をつけた気弱な子。
ナディアは常に受け身で、おっとりと喋り、友だちの間では少し物怖じする普通の子。
なのに科学教師が自分に向ける視線に過剰反応し、大胆なプレゼントを贈ってしまう
情熱的な行動派。
転校生のティンクは小さな頃からスターゆえ、わが道を行くタイプ。傍若無人に振る舞い、
どんな困難もヒョイと乗り越えてしまいそうに強く見えながらーーー。
「あなたって、こういう人よね」と周りに思われている自分と、自分しか知らない自分との
ギャップに戸惑う少女たちの姿が、息苦しくなるほど繊細に描かれている本です。
大人になれば「こう見える人も実は・・・」とわかっても、さほど驚かなくなるし、
誰もが寛容になっていくものだけど、それゆえ、ハイティーンの生真面目さは瑞々しく、
彼女たちを応援したくなります。
『夜の学校』(文研出版)が、長野県や岩手県の2014年夏休み推奨図書になっています。
本屋さんや図書館で見掛けたら、ぜひ手に取ってみてくださいね。
神楽坂(新宿区)で売っていた、金魚の和菓子。寒天や餡で出来ているのですが、
本物っぽくて飾っておきたくなります。
涼しさが少しでも皆様に届きますように。
2014年 8月
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