毎年、立春にお雛様を飾り、三月を迎えます。お雛様は
我が家では春の訪れの象徴。
上のお雛様は、実家で飾っているもの。半世紀も前のもの
ですが、ふくよかな笑顔が可愛らしい。春が来るたびに、
同じ笑顔で家族を見守ってくれるお雛様。
変わっていく時代の中で、“変わらないもの”や
“変わらない場所”や“変わらない誰か”がいてくれることに、
とっても安心します。
春の宵に聴いている音楽は、オイゲン・キケロのピアノ曲。 キケロと
いえば、クラシックをジャズにアレンジした数々の曲が発表されて
いますが、CDジャケットに春の花・チューリップの写真が使われて
いるせいか、この『ユーモレスク』をよく聴きます。
一曲目に入っているトルコ行進曲は軽快で、身体を動かしたくなって
くるリズム。
小さな子の描く春の絵には、チューリップや蝶が多いですね。
虫が苦手な人でも、こんなブックカバーの蝶なら、楽しんでもらえ
そう。 このカバー、蝶を折りたためば、栞として実用的に使え、
本を開くとパッと蝶が踊り出てくる仕掛け。 物語の続きよりも、
蝶に会いたくて、本を手に取る機会が増えるかも?
本が置いてあるのは、本屋さんや図書館とは限りません。 電車の
中に、本がぎっしり詰まっていることも・・・。 上の写真は、
千駄木駅(台東区)のホーム。 改札を入ったすぐそこに、停止した
ままの地下鉄があり、自由に借りられる無人のミニ図書館になって
いるのです。 通勤・通学のついでに一冊借りることが出来て、便利。
子どもの頃に読んだ本が、棚の奥から出てきて、再読してみました。
『彼女ははつかねずみにやさしかった』(A.E.シーディ 三笠書房)は
1976年の本。大人が書いた子どもための本は、たくさんありますが、
これはその逆で、“子どもが書いた大人のための本”というところが
珍しい。 12歳の少女が選んだ題材は、エリザベス一世の恋。
宮殿に住むはつかねずみの視点で、女王の公の顔と、隠された
素顔が綴られています。 一人の女性として、恋か仕事か迷った末、
下した決断は、悲しい“別れ”。 でも、考えようによっては、恋人を
永遠に独占するための残忍な手段でもあったのです。
12歳は、もう子どもじゃない、と思う一冊。
繊細な挿絵を描いたのも、作者の幼馴染である13歳の少女。
背のびした少女たちの、秘密の交換ノートをのぞき見たような
感覚の物語です。 作者はアメリカ人で、大人になってからは、
女優「アリー・シーディ」として活躍しています。
3月は卒業の季節でもあります。 制服とサヨナラする人たちも
いるでしょう。セーラー服は一度も着たことがないなぁと振り返り、
そもそも制服自体が嫌いだったことを思い出しました。
その日の気分や天候で、好きな服を選べるほうがラク。
上のセーラー服少女は、手塚治虫さんの描く“和登(ワト)さん”。
『三つ目が通る』という有名な漫画に出てくる彼女を、つい最近に
なって初めて知りました。三つ目、こと写楽君という少年の良き
パートナーで、名前の由来はシャーロックホームズ(しゃらく)と、
ワトソン(ワトさん)から来たのだそう。 高田馬場(東京・新宿区)駅の
ガード下に、彼女たちを描いた大きな壁画があり、色鮮やかです。
漫画つながりで、モンキー・パンチさんの『ルパン三世』の等身像を、
どうぞ。
今月、佐倉市立美術館(千葉県)でやっている『ルパン三世・アニメ化
40周年展覧会』に、ドライブがてら行ってみました。
インストゥルメンタルの主題歌で始まるルパンのアニメは、少女の頃、
好きでよく見ていましたっけ。 愛用の拳銃が、ワルサーP38なんて
ことまで、今も覚えています。 あの頃は「18歳くらいになれば、
きっと峰不二子みたいになれる」と密かに期待していましたが、
現実は・・・。
原画・セル画・フィギュア・スクリーンなどで、立体的に演出された
展覧会は、見応え充分。 この美術館は、歴史散歩が楽しめる街の
中にあり、こぢんまりしてアットホームな雰囲気で、落ち着きます。
可愛い動物チョコレートを頂いたので、食べる前に写真をとって
みました。 春なので、ダイエットしなくちゃ、と毎年思いますが、
こういうスイーツが手元にあると、ついつい誘惑に負けてしまい
ますね。
楽しい春を!
2013年 3月
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