日々のエッセイ


 夏の暑さにうんざりしていたのに、9月に入って風が涼しくなってくると、
夏もあっという間に過ぎていったなぁ、と少し寂しくなりますね。
 ノースリーブの服をしまって、薄手の長袖を出し、秋の装いの準備を
しましょうか。                

    この派手なジャケットは、私のワード
 
 ローブというわけじゃありません。 実はこれ、珍しい素材で出来ている
 貴重品なんですよ。 勘の良い方は色の具合からわかるかもしれませ
 んが、“鮭”の皮製のジャケットなのです。 
 この一着を作るために、鮭を70〜80匹も使うというから、
 すごいですね。 中身は美味しく食べて、皮まで利用する、エコな考え
 ですが、余計お金がかかってしまいそう・・・。

  旅先の町を歩いていたら、メイン通りの
 店先に、杉玉が用意されていました。
 “新酒が出来ましたよ”という合図の
 ために、軒に吊るす玉で、葉が茶色く
 変わったものは見たことがありますが、
 こんなふうに緑色のものは、初めて
 見ました。
  通りの店々に、お揃いで揺れる緑の
 玉は、風情があるし、とびらの向こうから、
 ほんのりお酒の香りがするのも良いな、
 と思いながら歩きました。



 

 昨年に引き続き、今年も9月はじめに、
 ギャラリーウシンでの『絵封筒展』に参加
 させていただきました。
  展覧会の日程などが8月にギャラリーから
 送られてきましたが、その封筒がステキ
 だったので、ここでご紹介。 オーナーさんの
 作った絵封筒で、オリンピックの夏を託した、
 今年ならではの絵柄でした。





 

 上の封筒は、私が作ったもの。 左が表面で、ビスケットの中に、
 住所を書いて出しました。  右が裏面で、クッキーの箱をそのまま
 封筒に作り変えてあります。 お菓子が大好きな女の子がテーマで、
 体重は気になるけれど、甘い物は止められないーーーそんな心境を
 封筒に閉じ込めて・・・。

  絵封筒展は下記の日程で行われていますので、お近くの方は是非。

      9月5日(水)から、16日(日)まで。
      ギャラリーウシンにて。
      埼玉県 所沢市 小手指町 1−22−13−102
                 連絡先 04−2997−8720 細野さん


             
 先日、阿佐ヶ谷(杉並区)で、楽しいイベントを見てきました。
 『アルルおばさんのすきなこと』(国土社)という児童書にまつわる
 展覧会です。 朗読あり、クラリネットの演奏あり、原画の展示あり、
 作品に関わった方々のコメントあり・・・、一冊の本の世界を立体的に
 体感出来るひととき。 主人公のアルルおばさんは、クッキー作りの
 名人という設定で物語が始まるので、お土産には、一人一人に、
 こんな可愛いクッキーまで付いていました。

この物語、児童書ではありますが、
作者の松本聡美さんが「大人にも
読んでもらいたい」とおっしゃっていた
ように、私たち世代が読んでも、
大いに元気をもらえる本です。
物語が進んでいくうちに、クッキー
作り以外の好きなことに目覚める
アルルおばさん。(それも、驚くべき
特技を、知らず知らず身につけてしま
う!) 彼女を見ていると、年を重ねる
 ことは、新しい自分を発見出来ることと思えてきて、なんだか私も
 張り切りモードに。

  もう一冊、可愛い本を読みました。
  河出書房新社のらんぷの本、
  というシリーズは、大正・昭和
  の人気画家さんを特集して
  いて、好きな本ですが、
  その中の『鈴木悦郎』さんの
  号は、これぞ童画!という
  感じで、愛らしさと優しさと
  温かさにあふれています。
  大正生まれの悦郎さんは、
  今も現役で毎年、埼玉で個展
  を開かれるそうで、いつか拝見
  したいなと思っています。

 







 
 ちょっと揺れたような線で描かれる
 女の子たち。ノスタルジックだけれど、
 古びていないチャーミングさ。


   代々木(渋谷区)の町を歩いていたら、ガードレールの前に、
   夏の名残りを感じさせるペットボトルのロボットに出会いました。
  
               

  がんばれ日本、がんばれ東北の旗を振っています。東北には、
  今も、悲しみを秘め、ままならぬ生活を送っている方々がたくさん
  いらっしゃることにハッとして、想いをめぐらす都会の風景です。

                                 2012年 9月

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