日々のエッセイ

     先月末に、新刊『静かなネグレクト』(愛育社)が出ました。本の
   内容について、簡単に紹介したページがありますので、よかったら
   トップページから開いてみてください。
  
                  
  夏なので、髪を切りました。物心ついた頃から、ずっとロングで
  通してきた私。 上の写真は、幼稚園で初めて遠足に出掛けた時の
  ものですが、すでに長めの三つ編みをしています。 そういえば、
  中学・高校も、校則で三つ編みと決まっていたので、毎日、せっせと
  編んでいました。  その後も、髪は肩より下が当然という気がして
  いましたが、今回はショートに。
  別に心機一転を狙ったり、失恋した訳ではないのです。去年の夏から
  続いている顔や首のアレルギー性皮膚炎のため、とにかく皮膚に
  刺激が無いように切ってみました。
  そうしたら、すごく頭が軽くなって、ついでに身体も軽くなって、快適!
  世の中、断捨離が流行っていますが、余分なものをカットしてみるのは、
  良いものかもしれませんね。
              
  夏なので、小さなカバンを持って、海へ山へ。 これは本物のカバン
  ではなく、紙で出来た小物入れです。軽いし、持ち運ぶのにも便利
  だし、家で使っています。柄もポップ。  本物のカバンを提げたなら、
  こんな場所へ行ってみるのはどうでしょう?
                 
  林のまん中に、ドーンと置かれたスイカ。その大きさっていったら、
  樹木の何倍もあって、びっくり。 でも、食べると危険です。なぜなら、
  これ、ガスタンクなんですから。  ここは千葉県の富里市、スイカの
  産地で有名なので、ガスタンクまで名産品のPR。 楽しいアイディア
  ですね。 近くで写真を撮るために、スイカ目指して車で進んで
  いったら、すぐそこに見えていながら、道が複雑で辿り着くまでに
  やけに時間がかかってしまいました。 最終的には畦道を歩いて
  やっと対面。 時間がかかった分、目の前のスイカが一層おいしそうに
  見えました。
              
  大きいといえば、先日、童話の同人誌『15期星』の仲間から、
  こんなに大きな四葉のクローバーを頂きました。ご自宅の庭で
  摘んだクローバーだそうで、四葉以外にも、五葉、六葉・・・いろいろ
  あるそうです。 でも、なんて言っても、クローバーは四葉! 幸福の
  シンボルですものね。  同人の皆さんにもお裾分け、という気持ちで、
  最新号の同人誌には、このクローバーを飾ったページを作りました。

                
   商店街を歩いていたら、のんびりとオウムが止まり木に。
   道ゆく人たちに、盛んに喋りかけています。 目の覚める配色は、
   ちょっと暑そうな夏の色。 何度も羽を広げてパタパタと振ってみせる
   のは、涼風を送ろうというオウムのサービス心でしょうか?

                   
   大人のための寓話集を読みました。『伊左衛門の狐』(作品社)
   作者の小川悦子さんは、元セーラー出版の社長さんで、
   私が大日本印刷に勤めていた時に初めてお目にかかって以来、
   いつも私の拙い童話に対して、温かいお言葉を掛けてくださいます。
   小川さんの描く、海の香りがする寓話の数々は、待ち続けても
   叶わなかった望みとか、大切にしているのに手放さなければならない
   想いとか、人の心の切ない部分にヒタヒタと迫ってきます。
   子どもより幾分、疲れていたり屈折していたりする大人読者たちを、
   柔らかく受け止めてくれる包容力のある本。
   開かずの壷の、神秘的な話が特に好きです。

   子どもたちは、もう夏休みに入った頃でしょう。 普段は本を読まない
   子も、読書感想文の宿題のために、本を手に取るシーズンです。
   面白い一冊に出会えたら、夏の収穫、さらには人生の収穫になる
   かもしれません。
   子どもの頃に好きだった本といえばーーー。
                 
  『ワッハワッハハイのぼうけん』(新風舎で復刊)。 谷川俊太郎さんの
  洒脱な文と、和田誠さんのとぼけた感じの絵が、絶妙です。
  主人公のワッハワッハハイは、五歳以上で十五歳以下、生まれた時
  から麦わら帽子を被っていたという少年。 彼が「なに」を探しに、
  いろんな場所へ行き、いろんな人と出会います。
  「なに」って、なんだろう?って、子ども心にも“この世の至福”みたいな
  ものを想像し、それがわかった時は、妙に納得したものです。
                   
  ワッハワッハハイが「なに」を見つけた瞬間の絵。
  この夏は、みなさんもそれぞれに、自分の「なに」を見つけに
  空想の冒険に出てみてください!


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