日々のエッセイ


 ポカポカお天気に誘われ、懐かしい吉祥寺(東京・武蔵野市)
を散歩していたら、目の前にシャボン玉がふんわり。飛んできた
方向を見上げると、オモチャ屋さんの店先で、可愛いクマさんが
懸命にシャボン玉を吹いていました。春らしい、のどかな風景。
        
 懐かしいと書いたのは、通っていた大学がある街だからです。
 卒業して、ずいぶん時が経つのに、このオモチャ屋さんは昔
 から、ここにありました。そして、その近くの花屋さんも、
 私の学生時代と変わらない佇まい。
         
『四ひきのねこ』というチャーミングな名前を持つ花屋さんで、
 ここで花束を作ってもらうことも、時々ありました。当時は、
 花を贈る相手の写真を持っていくと、その人の印象をもとに,
 その人っぽいブーケを作ってくれたのです。自分用の花束
 なんて作ることは無いけれど、自分が何の花に例えられるか、
 ちょっと興味あります。

        
 懐かしい大学の門前に、当時は無かったカフェがあり、そこで
 イラストレーターの安藤麻咲子さんの展覧会が行われていた
 ので、久しぶりにお目にかかりに行きました。安藤さんには、
 私の文庫サイズの可愛い装丁本『アンリとミントふしぎ探検
 隊』の絵をお願いしたことがあります。ファンタジックな
 物語にぴったりの絵を描いてくださいました。
   会場の窓辺も、春めいて。
                
  階段は明るく、賑やかな飾りで迎えてくれます。
              
  今回の展示のために、新作絵本を三冊、制作したとのこと。
  どれも、外国の絵本みたいなPOPな色使いがステキです。
         
 安藤さんは、夢で見た風景を絵に描きおこしているとか。一番
 左の『まよなかのおちゃかい』(文は渡辺輪子さん)には、
 ピンク色の路面電車が登場し、窓に沿って座席代わりに、
 長い長いピアノの鍵盤が並んでいるという不思議さ。
 そして、その電車が通過する街は、
         
 こんな水上都市なのです。ロシアやフランスの田舎町を旅する
 のがお好きだそうで、夢に現れる風景もどこか異国風ですね。
 絵本を買うと、手作りの栞が付いていて、また可愛い。
          
 展覧会の会場を出て、駅へ向かう途中に、こんなものを見つけ
 ました。カヌーです。閑静な路地のレストランの前に、縄を
 編んで作られた大きなカヌー。これも不思議な感じ。
       
 眺めていたら、浦安(千葉県)で見かけたワニを思い出し
 ました。ショッピングセンターの店先の池に、動くワニがいて
 小さな子どもたちが熱心に見ていましたっけ。でも、本物では
 なく、機械仕掛け。
        
 結構、リアルでしょ? 口をガオーと開けるところなんか、
 怖いくらいです。この池に五円玉を投げると、なにか良いこと
 があるのか、池には小銭がいっぱい投げこまれていました。

 今月は、4月25日(水)から、5月6日(日)まで、
 小手指(埼玉県・所沢市)のギャラリーウシンで私も
 展覧会をやっています。

  『帖子さんの日曜書棚』
    架空の女性・帖子さんの子ども時代から、94歳になった
    現在までの本棚を、ギャラリーに再現し、本を手に
    取りながら、帖子さんの人生を辿っていく・・・
    そんな展示です。

     

   
 ギャラリーウシン
   〒359−1141
    埼玉県所沢市小手指町1−22−13−102
    電話 04−2997−8720
  
 お問い合わせ先
    090−9389−6779 細野敦子さん

 会期は、4月25日から5月6日までですが、4月30日(月)と
 5月1日(火)は休廊なので、ご注意下さい。


  ここでしか見られない(ネットでは売っていない)
  貴重な本もありますから、是非、見にいらして下さいね。

                      2012年 4月

 トップページへ
 前回のエッセイへ
 次回のエッセイへ