日々のエッセイ

      久しぶりにギャラリーウシン(埼玉・小手指)を訪れたとき、
    お茶目なカエルに出会いました。赤い長靴、赤いビッグな
    蝶ネクタイ。口元の微笑み加減が、可愛いくて。
    6月は恵の雨の季節。普段より活気づいたカエルが、
    おめかししたくなる季節でしょうか?
              
   6月になると、サクランボがたくさん売っています。甘いサクランボは
   初夏の味。あの形も、絵になります。フランスの子どもたちは、
   サクランボを耳にかけて、イヤリング遊びをするとか。
   わが家には、サクランボの形を生かした壁掛け(フック)があります。
            
   赤い実のところが飛び出していて、バッグや小さな物を引っかける
   ことが出来るのです。なかなかシャレたデザインでしょ?

    6月といえば、ジューンブライド。6月の花嫁は幸せになれると
    昔から伝えられているので、この季節の結婚式に憧れますね。
    でも、私が実際に結婚式をしたのは11月12日。語呂合わせで、
    「いい日に(なる)」という意味を託して。
             
    花嫁さんの真っ白なウエディングドレスが、クッキーになりました。
    それが上の写真。クッキー生地の上にアイシングでレースの飾りが
    細かくついています。ノースリーブのこんなドレス、6月の花嫁さんに
    ぴったりですね。
              
     雨の日は、本屋さんへ行くのが好きです。近所に、築90年の
     お家を改造して、古本カフェをやっている店があるのを知り、
     雨の日に行ってみました。薄暗い木造の広間に、大きな柱時計、
     たくさんの掘り出し物が見つかります。この日は、1980年代から
     90年代に発行されたアート系雑誌『太陽』を、5冊500円で買えて、
     嬉しかったです。
     昔は、古本は「誰かが既に読んだもの」だから嫌いだったのです
     が、今は「誰かが大事に読んだもの」だからこそ、良いなと思え
     ます。雑誌の場合は、時代を映す広告記事も面白い。
     上の写真も、やはり古本屋さんで買った1974年の『暮らしの手帖』
     です。名物編集長だった花森安治さんの絵が素敵。巻頭の
     「もう、時間はいくらも残っていない」という花森さんのエッセイは、
     まるで原発事故の起こった今を語っているようで、ハッとさせられ
     ます。古い本の中で「今」との共通点やら相違点を探しながら読む
     のは、結構楽しいですよ。
               
     その古い『暮らしの手帖』では、各社で出しているショッピング
     カートの使い心地について、かなり詳しく実験・調査していました。
     私の部屋にあるミニ・カートには、消しゴムの果物やらケーキやら
     が積まれています。使ってしまうのがもったいなくて、いつの
     間にか溜まっていました。
       
                       
    去年から童話の会『15期会』の代表になって、今年はじめて
    同人誌『15期星』の編集を担当しました。会員の皆さんの原稿が
    次々に集まってきて、真っ先に読めるのは役得です。この会は、
    すでに二十年以上続いていて、歴代の代表の方々が、それぞれに
    読み応えのある同人誌を発行してくださったので、今回は私も
    「会員の個性が花開く」同人誌を目指して編集し、このほど、
    発行することが出来ました。ファンタジーあり、リアリズムあり、
    エッセイありの心のこもった本になったと自負しています。(ひとえに
    会員の作家さんたちのおかげです)
    今回、私は『一週間だけスーパースター』という短編を載せて
    います。(上の写真のように、挿絵ではなく、ステージ写真を
    使ってみました) 中学二年の取り柄のない軟弱な少年が、
    前の席の女子に、ビジュアル系シンガーに似ていると指摘された
    ことから始まる、揺れる日々の物語。同人誌では、思春期の
    日常童話を書くことが多いです。
     上の写真の右ページは、『ママはドラキュラ?』(岩崎書店)を
    出されている丸岡和子さんが、高麗郡(埼玉)に“里の絵本
    ギャラリー”を建設する過程を描いた、快活なエッセイです。
             
     雨が愛しくなる絵本を一冊。『しずくのぼうけん』(マリア・
     テルリコフスカ文/ボフダン・ブテンコ絵/福音館書店)
     しずくの坊やが、雨になったり、つららになったり、洗濯機の
     中に飛び込んだりの大冒険を元気いっぱいに繰り広げる
     お話です。明朗な絵柄で、すっきり気分。画面いっぱいの
     雨だれを見ていると、きっと雨も楽しくなりますよ。
  
                                 2011年 6月  
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