日々のエッセイ

 2011年になりました。今年も、たくさんの良い出会いと感動が
待っていますように。
 皆様のお正月は、いかがでしたか?
 わたしのうちでは、祖母の喪中(百一才の長寿でした)だったので、
年賀状のないお正月でしたが、新年の改まった空気は、日々の生活の
中で感じています。
 祖母は百歳を超えても赤い口紅の似合う、お洒落な人でした。
 私はというと、人に会う時以外はノーメイクでラフなスタイル。今年こそ、
センスを磨きたいものですが・・・。 それはともかく、
              
  可愛いニセうさぎさんでしょ? 今年はうさぎ年なので、ワンちゃんも
 うさぎさんに変身。しっかりお雑煮を食べています。こういう愛らしい
 羊毛人形をたくさん創作されている松田富美子さんと、去年、初めて
 お目にかかり、私と二人で『BOOK展』なる催しを、小手指(埼玉県)の
 ギャラリーUSHIN(ウシン)で行うことになりました。
  期間は4月13日から、23日まで。 詳しい予定は、近くなりましたら、
 またホームページで紹介させていただきますね。
  羊毛を特製の針でたたいて布にしていく作業や、細かい小道具作り
 など、とても人の手によるものとは思えないほど緻密!松田さんの指は
 魔法の指です。このお人形のお箸だって、手作りなんですよ。

 さてーーー、冬といえば、コタツでみかん。みかんといえば、この間、
 市川(千葉県)を歩いていたら、みかん大福というものを見掛けました。
              
  これです。珍しいから一個、買って食べました。みかんが丸ごと
 入っていました。甘酸っぱくて、ちょっぴり苦味もあり、それがまた
 大福に似合うんです。よく知られた苺大福より、さっぱりした感じかな。
             
              
  みかん大福を売っていた和菓子屋さんの先には、“つぎはし”が
 架かっています。万葉の頃は、都びとにも知られていたという名高い
 継橋で、手児奈伝説が残っています。美し過ぎる女性・手児奈は、
 自分のために愛を争う男たちの姿を憂い、この地(真間の入り江)に
 身を投げたそう。山部赤人らの万葉歌に、彼女のことが詠まれて
 います。
                
 
 つぎはしを渡って、木陰の坂道をずっと登っていくと、こんもりした
 イチョウ林の中に懐かしい感じのする洋館が見えてきます。ここは、
 木内ギャラリーといって、明治・大正期の政治家、木内重四郎さんの
 当時の屋敷の一部です。ギャラリーや音楽会などに使用されていて、
 館内は無料で見学も出来ます、上の写真は書斎の風景。
 マントルピースは珍しい緑のタイル。のどかな風景画に心が落ち着き
 ます。

 散歩の後は、おうちで読書。
 お正月は和のテイストの絵本が読みたい気がしません?
 そこでお勧めなのが、『カラクリ江戸あんない』(著者・太田大輔/
 福音館)です。
                    

 読んでいると、自然に江戸の町にタイムスリップしてしまう、大人も
 楽しめる絵本です。発明家のおじいちゃんが作った、蓄音機に似た
 カラクリ機械が、タイムスリップの道具。江戸の町は川でつながり、
 船に乗って町から町へ、人から人へ。
                 

  船からの雪見場面の美しいこと! 川の流れのように、時間が
 ゆっくりと過ぎ、江戸っ子たちのべらんめえ口調の会話に人情味が
 あふれ、子どもも老人も活気があり・・・。現代の便利な生活のほうが
ずっと貧しく思えてくる、考えさせられる絵本です。


              
 
  おみくじを引くのが好きで、とくに“花みくじ”が大好き。普通の
  おみくじより、やんわりした言葉が書いてあるので、悪い事が出た
  としても、ショックが小さいから。たいてい大吉や中吉を引くけれど、
  三年ほど前、大凶を出したことがあります。おみくじって、「恋愛・家庭・
  事業・旅立ち」など、項目別に細かくお言葉が記されているものですが、
  その大凶のおみくじは、どの項も言葉がなく、ただ「何をやってもダメ」
  と一言。おみくじのまっ白さ加減が怖かったのを覚えています。
  だけど、その年は、特別に悪いことは起きませんでした。
  おかげで打たれ強い私になりました。
  今年のおみくじは、これから引きに行きます!  
                                    2011年 1月


 トップページへ
 前回のエッセイへ
 次回のエッセイへ