図書館はどこも好きですが、最近一番利用しているのが永田町(港区)
にある大きな図書館です。あらゆる本が揃っていて、借りることは出来ませ
んが、コピーが可能なので、便利です。
古い建物で、天井が高く、ひんやりしていて、落ち着きます。
申し込んだ本が書架からカウンターに届くと、電光掲示板に自分の
カード番号が表示されるシステムで、番号を見つける瞬間は、なんだか
受験の合格発表みたい。「あの本がやっと読める!」と、ささやかな幸せを
感じます。18歳以上でないと入館できないので、ご注意を。
図書館の入り口にあるのが、上の写真のオブジェ。“風景の舞奏”という
タイトルが付いています。五月のさわやかな風景が、オブジェの表面に
踊るように映し出されていました。
時間のあるときは、図書館を出て、テクテク歩きます。少し行くと桜田門。
柳の緑もやわらかさを増しています。
外国人観光客にまじって皇居に沿って歩き、Beautiful Japanな景色を
再発見するのもいいかもしれません。そして、もっと歩いて、丸の内へ。
以前は、色の無いビジネス街というイメージでしたが、今はすっかり
お洒落な町に変わっていました。絵になる建物が、いっぱい。
レンガのイギリス風な建物は、最近出来たばかりの美術館です。古い
オフィスを復元しているので、街の雰囲気に溶け込んでいます。
季節を感じるアジサイのフラワーボールが、通りに並んでいました。
大人っぽい丸の内を、少し甘めに彩るピンク色の花たち。
図書館の話から、街の散歩へと移ってしまいましたが、ふたたび本の
ことに戻してーー。この間、“蔵書票”の展覧会を、小手指(埼玉県)にある
“ギャラリーUSHIN”で拝見して、小さな紙に託された、本への愛情を感じ、
魅了されました。
小宇宙のような繊細な蔵書票をたくさん発表なさっている、画家の
荻野哲哉さんが「書籍がデジタル化しても、蔵書票はなくならない」と
きっぱりおっしゃるように、この独特の文化は、愛好家に大切に受け
継がれていくでしょう。貼ることによって、一冊の本が自分だけの宝物に
なるのって、素敵ですね。上の蔵書票は、荻野さんの作。
貼り方にもちゃんと決まりがあって、表紙を開いてすぐの見返しの、
まん中に貼るそうです。もしカバーつきの本なら、カバーで隠れるように
貼るのがポイント。今回の展覧会で知ったことです。
海ほたる(東京湾アクアラインPA)のエスカレーターの天井に、
たくさんの鯉のぼりが揺れていました。風が強く吹いたら、空へ
向かって飛んで行きそう。5月といえば、やっぱり鯉のぼりですよね。
2010年 5月
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