無論────

 

死して後を追うのが幸福だなどと
愚かな戯言を言うつもりはないよ
ただ────

 

その鳥は
我が身を省みずに伴侶に添い遂げた
もしも力があったなら
片割れを引き摺って
人の手の及ばぬところまで逃げただろう

それが叶わず
それでも捨て去ることが出来なくて
結果 命を落とすまで見守り続けた
それを誠と言わずして何と言う?

 

 

わたしはね
斯くも心を繋ぐ相手を得ることが出来た
その事実こそが
最高の幸福だと思うんだ────

 

 

 

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