愛が試されるとき・10 ──淫獣の囚われ人──
マイクロトフが戻ってきたとき、部屋ではビクトールがカミューとベッドに並んで座っていた。カミューの膝にはトレイが乗せられていて、その手が不器用そうにスプーンを握っている。
「おう、終わったのか」
ビクトールが明るく笑った。こんな時だからだろうか、彼の笑顔はいつもより尚、頼もしく見える。
「他の三人は道場で手筈を打ち合わせてる。それよりビクトール殿、これは…………」
さっきまで魂の抜けた人形のようだったカミューが、表情は相変わらずながら自らの手でスプーンを口に運んでいる。ひどく緩慢な動作で危なっかしいが、その辺はビクトールも弁えていて、手にはタオルが握られていた。少しでもカミューがしくじれば、すぐに拭ってやろうという心遣いだ。
「来てみろよ、マイクロトフ。どうやらこいつ、まったくこっちの言葉がわからねえって訳でもなさそうだぜ」
嬉しそうな調子に誘われ、一歩踏み出したマイクロトフだったが、すぐに躊躇して立ち竦んだ。
「…………だが、おれは…………」
「大丈夫だって。おれの代わりに横に座ってみな。ゆっくり、怖がらせないようにすればいい。おれにも最初はビクついてたぜ。宥めて話し掛けてたら、うまくいった」
得意そうに胸を張り、彼はベッドから立って傍の椅子を引き寄せて座り直した。躊躇いながらも、マイクロトフがそろそろと歩み寄ってみると、俯いたままカミューは顔も上げずにスプーンを運ぶ動作を続けている。
そんな彼を見るだけで胸が突き破られそうに痛んだが、マイクロトフは出来るだけ静かにその横に腰を落とした。ビクトールからタオルを受け取り、口元に零れたシチューを拭うと、カミューは一瞬びくりと身体を強張らせた。
「────大丈夫だ、カミュー……」
優しく囁くと、ふとカミューの動きが止まった。まるで恋人の声だと認めたように。
「カミュー…………?」
だが、願いも空しく彼は再びのろのろした咀嚼を開始した。
「────言葉がわからない訳じゃねえ。頷くでもねえし、首を振るでもねえ。聞き分けのいい従順な人形みたいだが…………それでも、まったく望みがない訳じゃないぜ」
「聞き分けのいい、従順な人形────」
マイクロトフはその言葉に敏感に反応した。
「……ひょっとして、魔物はカミューがこうなるのを待っていたのではないだろうか。でなければ、こんなに一人の人間を痛めつける理由がない……」
「────それなんだがな、マイクロトフ」
ビクトールは先程からずっと考えていたことを切り出した。
「……おまえの話を聞いてて妙だな、と思ったんだが…………淫獣ってのは、もとは破壊と殺戮を本能にしてる化け物なわけだろ?」
「ああ……奴はそう言っていた」
「けどよ、ここでおまえに取り憑いてから奴がしたことはどうだ? 成る程、カミューを散々な目に遭わせやがったが、他の誰一人として殺していない。これは矛盾してるだろう?」
マイクロトフははたと考え込んだ。
「確かに、言われてみれば…………」
「そこで、考えた訳だ。ええと────おまえはカミューに…………その、……惚れてるんだろう?」
ひどく言い難そうに尋ねる男に、もう隠すことはなかった。
「ああ。もう長いこと……ずっと。カミューはおれのたった一人の大切な人間だ。互いが選んだ、運命の相手だ」
きっぱりした言葉にビクトールは瞬いて、やや照れたように頭を掻く。
「言うねえ…………参ったな」
「カミューが傷つくくらいなら、おれの命をくれてやった方がいい。────いや、命を取られたらカミューが怒るな…………、腕一本くらいなら構わない」
愛しさの限りを込めて傍らの青年を覗き込んで言い放ったマイクロトフに、ビクトールはますます破顔した。
「いいねー、熱くて。おまえらしいぜ、マイクロトフ」
それから顔を引き締めて慎重に続ける。
「だからよ、おれが言いたいのはそこだ。淫獣はおまえに取り憑いた────だが、おまえのその強い意志に引き摺られてるんじゃねえかと思うんだ」
「おれの…………?」
「おまえがカミューを守りたいと強く思っているから、奴はどんなに酷いことをしてもカミューを殺さない。このクソ外道なら、カミューにしたのと同じことを城中でやってもおかしくねえわけだろ? だが、カミューに執着し続けた……つまり、おまえの愛情に引き込まれているんじゃねえかと思うわけだ」
マイクロトフは愕然とした。
「ならば……おれがカミューを想う気持ちが淫獣を嗾けたと言うことか?!」
呆れ顔でビクトールが手を振る。
「違う違う、せっかちな奴だなあ。どっちみち、おまえに取り憑いた奴は、傍に居たカミューを見逃しはしなかったろうさ。おれが言いたいのはそうじゃねえ。これからのことだ」
「これからの……?」
「もし淫獣の奴が無意識ながらもおまえの意思に引き摺られてるんだとしたら、おまえに勝ち目があるんじゃねえかと思うんだ。心底拒めば、奴はおまえを自由に出来ないんじゃないか?」
マイクロトフは悲しげに首を振った。
「────駄目だと思う。昨夜、おれは死ぬほど足掻いた。おれの手がカミューを殴り……傷つけるのを必死で止めようと…………だが────」
「馬鹿野郎! やる前から諦めるヤツがあるか。いいか、マイクロトフ。おまえは昨夜、初めて自分が操られてることを知った。当然動揺してるな。自分が思った通りに逆らったと言い切れるか?」
「それは────」
腕の中で次第に弱まっていくカミューの抵抗。しまいには声も出ないほど痛めつけられ、破壊され尽くした愛しいカミュー。愛するものを容赦なく殴りつけた己の左手……────
左手?
ふとマイクロトフは自身の左手を睨み付けた。
「どうした?」
ビクトールの声にも答えられないほど愕然としていた。
────そうだ、あの紋章はこの左手に宿されたはずだった。
カミューの首を絞めたのも左手、頬を殴ったのも左手、彼を────嬲るための愛撫を施していたのも左手。
確かに全身、なすすべもなく淫獣に操られてしまう。だが、行動の中心となっているのはやはり左手である。
それから同じように難しい顔のまま右手を凝視した。
そこには『騎士の紋章』が宿っている────彼の自信と誇りの象徴、仲間を守り、庇うための力…………。
最後にマイクロトフは傍らのカミューを見た。
ビクトールの運んだシチューを半ば飲み込んで、微かに眉を寄せている。どうやら嚥下した食物が迫り上がってくるのを堪えているらしい。
従順で美しい人形────駄目だ、こんなことは許さない。
「……わかった、ビクトール殿」
「あん?」
「おれは戦う────おれの中にいる魔物と戦ってみせる。そして──……必ず勝つ。カミューのために、おれとカミューの誇りにかけて」
先程見せた不安の色は消え、両目には刺すような光が煌めいている。生真面目な顔立ちには決意が漲り、やや紅潮していた。
ハイランドとの戦いの中でさえ見たことがないほどの闘志に輝く若き騎士────
大丈夫だ。ビクトールはにっこりした。
「……何の話さ?」
ドアを開けてぞろぞろと戻ってきた仲間たちが、不敵に微笑み合う二人に怪訝そうな顔を向けた。ビクトールは少年の問いにニヤリとした。
「何でもねーよ。で、どうだ? 準備は整ったのか?」
「ああ、一応。……傑作だぜ、マイクロトフの用意した縄ときたら…………ユズが使ってた代物だからなあ」
フリックが思い出したように顔を歪めた。笑いを堪えているらしい。こんな状況ではあるが、解決に向けて進み出したことが、一同を僅かに明るくしているようだった。
「これが残り。ビクトール、あんたが持っててよ」
ルックが差し出したのは、恐ろしく太い荒縄である。その片方の先端が輪になっていた。
「何だ、こりゃあ? 牛を追うときのヤツか?」
「そう。万一のときには、そいつでマイクロトフを引っ掛けて、結界の外に引き出すんだ」
「おまえなァ…………牛じゃねーんだからよ」
「似たようなもんだよ。牛は赤い色に興奮するって言うしね」
マイクロトフがぎょっとしたように赤面した。ルックは薄く笑いながら、ちらりとカミューを見た。
「へえ……自分で食事出来るんじゃない」
「……カミューはどうする? ここへ置いていくか?」
フリックがルックに問う。すでに一同のリーダーは少年と決められているようだ。彼は難しい顔で考え込んだ。カーンが呟く。
「確かに────今の彼は自分の身を守れませんからね」
不意にカミューが手を止めて、物憂げに顔を上げた。自分の名が呼ばれたことに気づいたような仕草だった。白い顔が虚ろにマイクロトフの方を向く。目の前の男の顔を判別することは出来ないが、間近に他者の存在を認めて怯えたように身を引いた。
マイクロトフは右手を伸ばし、彼の柔らかな頬に触れた。そっと、細心の注意を払いながら。
「カミュー…………わかるか? 助ける。必ずおまえを助けるからな。おれたちの騎士団を再興しよう。約束通り、二人でグラスランドに行こう。何もない土地でいい。おまえがいれば、それだけでいい────」
静かなマイクロトフの言葉に、強張っていた身体から力が抜けていくのがわかる。一同は息を詰めてそれを見守った。
「……何もいらない。おまえだけでいい。おれが────剣と誇りでおまえを支える。ずっと一緒に生きていこう。おまえがおれの……『ただ一人の相手』なんだ…………」
「────ただ、……ひとり……」
ぽつりとカミューが繰り返した。目覚めてから初めて発せられた声に、仲間たちがはっとする。マイクロトフは強く頷いた。
「そうだ、カミュー。誰にも渡しはしない──……一生、おまえの傍にいる」
「そば…………に、いる…………」
意味がわかっているふうではない。ただ、感性に触れる言葉を繰り返しているのだとわかる。それでも、声を出しただけでもかなりの進展のように思えて、一同は微笑み合った。
「……口下手なヤツだとばかり思ってたが……結構やるもんじゃねーか、マイクロトフ。おれは感動したぜ、実際」
ビクトールの揶揄に、フリックも苦笑混じりに同意する。
「確かに。おれが女だったら惚れるかもしれないな」
「よしなよ、気味悪い」
「……そうですね、フリックさんの女姿というのは何だか寝覚めが悪そうです」
口々に言い合う仲間たちに苦笑ってから、マイクロトフは切り出した。
「カミューを一緒に連れて行って欲しい」
笑っていた男たちは一斉に彼を見る。
「淫獣の力がどのようなものかわからない以上────何処に居ても危険には変わりないと思う。ならば、目の届くところに置いておきたい。離れていては、守ることも出来ない」
「そうだな……話からいって、ヤツはマイクロトフを通しておれたちが計画していることを知っている。だとしたら、確かに何処に居ても危険だ」
フリックが苦しげに同意した。
「……こいつが目の前にいた方が、マイクロトフも火事場の馬鹿力を出すかもしれねーし」
「そうだね。じゃあ────そうするかな」
「武器はどうする? カミューにも持たせるか?」
「今の彼に剣を振り回せってのは無理だと思うけど…………まあ、持ってた方が普段通りってことで少しは覚醒の役に立つかもね」
ようやく計画がほとんど纏まり、一同は日暮れを待つことになった。それぞれ椅子を引き寄せて座り、装備の点検に余念がない。そんな中でふとフリックが呟いた。
「だが────何だってカミューはもっと早く助けを求めなかったんだろう? こんなに追い詰められる前に……」
「だから、それはこのクマが邪魔を…………」
「ルック!! おれは物凄く胸を痛めているんだぞ! 言わんでくれ!!!」
言い争う二人を見詰め、マイクロトフはカミューの肩を抱き寄せた。すでにマイクロトフの存在を許したのか、触れられても怯えることなく素直に身を任す恋人を。
「……そういう男なんだ」
マイクロトフは溜め息をついて答えた。
「いつもそうだ────カミューは何でも一人で抱え込む。おれに何も言わず、自分で解決しようとする」
「…………あんた、頼られてないわけ?」
そうだな、とマイクロトフは苦笑した。
「おれは考え事の役には立たないし……カミューが考えた方がよほど早いし」
「だが、今度みたいなこともある。それがマイナスに働くことも」
フリックはやや怒ったように遮った。
「一人で何でもやろうなんて、間違ってる。人に頼らないのがこいつの信念なのか?」
「…………そうじゃねーよ」
ビクトールがむっつりとフリックを止めた。
「マイクロトフが絡んでなけりゃ、もっと早く、誰にでも助けを求めただろうさ」
「どういうことだ?」
「考えてもみろよ。自分の中に破壊と殺戮を好む、おまけにスケベな魔物が共存してると聞いたら、おまえ……どうする? 自分が禍の神になるかもしれねえとしたら?」
「………………────」
「しかも、自分が一番大事な奴を酷い目に遭わせてるとしたら……? いっそテメエを消した方がマシ、そうは思ったりしねえか?」
一同は沈黙した。
「カミューはマイクロトフの奴がそういうショックを受けるのがたまらなかったんだろうな。なら、こいつに知らせずに何とかしようと考えたんだ。他の連中に知らせなかったのも同様だ。そんな奴が暴れ出したら……おれたちは放っておけたか?」
もし────マイクロトフの中にいる魔獣が城で本能を開放したなら、たとえその肉体が仲間のものであったとしても、涙を飲んで倒すしかなかっただろう。苦い結論が一同を覆った。
「……淫獣の張り巡らした罠は、カミューの痛いところを全部押さえていた訳さ。これほど追い詰められてなけりゃ、ルックにだって打ち明けようとしなかったかもしれねえ。こいつはただ────マイクロトフを守ろうと必死だっただけだ」
「…………カミューはいつもそうだ」
マイクロトフは俯いて、抱き寄せた青年の乱れた髪を撫で付けた。
「……冷静な顔を装いながら、おれのために平気で自分を傷つける。おれのためにだけ、判断を誤らせる────」
「……………………」
「何故だ! どうして…………!!」
うめくように吠えた男に、カミューがびくりと身を退こうとする。しっかり肩を掴んだ手がそれを許さず、激しいまでに胸の中に抱き込んだ。
「マイクロトフ……おい、あんまり乱暴にするなよ。カミューが────」
言い掛けたフリックが、はっと息を飲んだ。
男の両腕に抱き締められた青年の見開かれた瞳から、一筋の涙が零れ落ちたのだ。虚ろな頬を伝う雫はマイクロトフの騎士服に小さな跡を残す。
「────マイクロトフさん…………あなたは彼が傷つくくらいなら、自分が幾らでも傷つくのに────そう思ってますね」
カーンが初めて口を開いた。思慮深い顔に苦悩の色が見え隠れする。
「無論だ!! 代わってやれるなら、おれが幾らでも────」
「同じですよ」 彼は静かに微笑んだ。 「カミューさんも……同じことを考えたんです。是非はともかく、彼はあなたが思う以上にあなたを大切に思っているのでしょう」
「…………だから嫌なんだよ、戦うばっかりしか能のない連中ってさ。もっと人生経験積んだ方がいいんじゃない?」
「────……てめえに言われたかねーと思うぞ、おれは……」
「不器用なんだろうな、二人とも。殊にカミューは他のことを巧くこなす分、そうした感情には振り回されて、思うようにならないうちに泥沼に嵌っちまうんだ」
フリックが溜め息をつき、ビクトールが同意した。
「城の女の子たちをあしらってるのを見ると、とても信じられねえが……どうやらこいつ、本気の恋愛ってのには思いっきり不器用なんだなあ」
「……あんたは器用な訳?」
「おれのことはいいんだよッッッ」
「────性格的なものは、そうそう変わるものではないでしょう。しかし……精神的に強いのは、むしろあなたの方だと思いますよ、マイクロトフさん。大切にしておやりなさい────生涯の伴侶だというのなら。傷も弱さもすべてひっくるめて包んでおやりなさい」
カーンは淡々と諭した。常に自分でも考えていることではあるが、改めて他人から言われたことでマイクロトフは更にその意思を強めた。またも表情に精気が蘇る。
「今度こいつが悩み出したら、尻を引っ叩いてでも白状させな。そいつがおまえの役割ってもんだぜ」
「…………野蛮」
「あー? 何か言ったかあ?」
「────白状させるとも」
マイクロトフは笑って頷いた。
「…………強く抱き締めて、『おれのために話してくれ』、と────」
「かーーーっっっ、やってらんねーぜ!!! おい、メシにしよう、メシ!! 腹が減っちゃあ戦も出来ねえ」
「そうですね、まだ日没まで時間がある」
「ここへ持ってきて食おう。話し声がしている方がカミューも安心出来るようだし。マイクロトフ、肉料理でいいんだろう? 持ってくるから、カミューを見てろよ」
「……まったく、食事以外に楽しみがないわけ?」
口々に言いながら四人が出て行った。
残されたマイクロトフは改めてカミューを覗き込んだ。
仲間たちに語った言葉の数々を、カミューが知ったらさぞ怒ることだろう。そういうことを人前で恥ずかしげもなく、と怒鳴られるかもしれない。
それでも口にした言葉はすべて本心だ。誰より自分に言い聞かせるために声にした────正確には、自分の中にいる悪魔に聞かせるために。
「……おれは戦うぞ、カミュー。おまえのため────おれの存在を賭けて」
さっきの涙は何だったのだろう?
感情のすべてを失っているようなカミューだが、心の何処かで自分の言葉に反応しているのだろうか。
「……何処にいる、カミュー? 早く戻って来い、みんなが待っている……」
腕に抱いた恋人は、ぼんやり宙を見詰めて答えない。しばらくすると、緩やかに瞳が閉じられて、微かな寝息が聞こえた。
「カミュー……────綺麗で可愛い、おれのカミュー……」
呟きながらそっと背中を擦ってやる。飲み込んだシチューは戻されることなく体内に落ちた。その温もりが眠りを誘ったのだろうか、彼の寝顔はひどく穏やかだ。
マイクロトフはもう一度ゆっくりと右手を上げ、手袋を外した。
我が『騎士の紋章』よ──────
……守るべき唯一の存在のため
全霊を込めた我が戦いに、その力を賜ることを願い奉らん──
……祈りに応えよ、我が誇り高き紋章よ……────
マイクロトフは眠る恋人の唇に、右手の甲を押し当てた。
開き直った青はいいやね〜〜
微笑ましいやね〜〜……
だが、ポエマーなのは臭い。
妙な時期にポエマー青ブームになってしまい、
ラストあたりを付け加えたんですが、
非常に痒いことになってしまいました。
ま、いっか。今更誰も驚きませんよね〜。
さて、次からはバトルが始まります。
「色気なくてもおっけ〜」レベルをアップ希望。
オーちゃんの抵抗や如何に?!(笑)