最後の王・121


これほど深い自失に陥ったのは、あのとき以来だった。
耐え難い怒りが紋章を覚醒させた瞬間。自らに潜んでいた猛火が、一瞬にして、村人を殺したマチルダ騎士へと解き放たれた。
憎い敵ではあったけれど、悲鳴ひとつ残さず多くの命が消え失せた惨状は、年若いカミューの心を引き割き、思考を奪った。もしゲオルグ・プライムが駆け付けなければ、そこでカミューの命は潰えただろう。
以来、己を制す日々が始まった。
生まれ持った紋章は、紋章師の秘技を通して宿されたそれとは異なり、ときに宿主の意思を越えた力を発揮する。カミューの「烈火」は、宿主の危急によって呼び醒まされたためもあってか、特にこの傾向が強かった。
もともと純粋な破壊本能を持つ攻撃魔法紋章だ。意識の鎖で完全に支配下に繋ぎ止めた後も、「烈火」は常に解放を求めている。
宿主の心の乱れを「危険」と認識しては発動を促す。身のうちに燃え盛る魔性の力を不用意に解き放たぬよう、だからカミューは冷静であり続けねばならなかった。
傭兵としての生活においても沈着は重要だった。
自らを見失えば、死に直結しかねない。どんな過中に置かれても、少し離れたところから事態を見渡せる理性の目が必要となる。そうしてカミューは、自らにさだめた生き方を守り通してきたのである。
グラスランド侵攻の手始めに、平和な小村を蹂躙したマチルダ騎士。だが、それを命じたのは王ではなかった。
父の潔白を訴えた皇子の声に耳を塞ぎ、背を向けねばならなかったあの痛みも、愚かな思い込みに捕われていたがゆえの空回りでしかなかったのだ。
信じてきたものが崩れ落ち、胸に空虚が穿たれた。長く何も考えられずにいた。
しかし、少しずつ我を取り戻すにつれて、堂内に流れ続ける音に過ぎなかった言葉が意味を成すようになってきた。

これは、何だ。
彼らは───皇子の忠実なる騎士たちは、何を言わんとしているのか。

マチルダ王は、ルシアの父と同じく毒殺された。グラスランドに攻め入る口実を作るための犠牲者だった。
侵攻経路を確保するため、草原でひっそりと生きてきた者たちを、残らず殺せと命じた人物は───

「ゴルドー……」
潰れた呻きが洩れた。
王ではなかった。
ゴルドーこそが、屠るべき敵だったのだ。
彼とは二度、間近で話した。王城で、そして昨夜、何処までも続く暗い地下道で。
初見の折から不快を感じる人物ではあった。マチルダという国にとって、望ましからざる指導者だとも考えた。
だが昨夜、ほんの少しだけ同情を抱いた。皇王家の血の呪縛に縛られて道を外した男───自分同様、理性では御せぬ憎悪を宿してしまった哀れな男という、共感めいた同情を。
ひとつの思いに沈み込んでいたから気付かなかった。
敵はマチルダ皇王、その血に連なる者と決め付けてきたから、他に目が向かなかった。野望の中に消え行く命を、一顧だにせぬ真の敵が間近に居たというのに。
ゴルドーに対する怒りにも負けぬほどの激情がカミューを突き上げる。自らの迂闊を責める憤りが、放心のさなかにも動かなかった魔性の台頭を許した。
制する間もなく全身に満ち満ちた「烈火」の魔力。からくも暴発は抑えたものの、抑制の源となる筈の精神そのものが荒れ狂っているため、完全には封じ切れない。あと一歩のところで解放を妨げられた「烈火」は、宿主の血を沸き立たせながら、力の逆転を待っている。
隣で様子を窺っていた若い赤騎士も、そんなカミューの異変に気付いた。
微かによろめいた次には、自らを抱き込むようにして震え始める青年。纏った漆黒の司祭装束まわりが薄赤く見える。これは、若者にも見覚えのある姿だった。墓地へ続く薄暗い森の中で、第二白騎士隊長と対峙していたときのカミューも、こんなふうに映る瞬間があったのだ。
宿した火魔法の力が周囲の大気を侵食して緋に染めているのだと、そこまではっきり認識していた訳ではないけれど、漠然とした危機感に見舞われた騎士は、そっとカミューに囁き掛けた。
「あの、……大丈夫ですか?」
だが、返ったのは掠れた喘ぎだ。
「……離れろ」
「え?」
「今すぐ、わたしから離れるんだ」
「カミュー殿、それって───」
予感した危惧が現実と化してしまっているらしい。若者は狼狽して青ざめた。
「まずいですよ、こんなところで紋章なんか使わないでください」
分かっている、と苛立たしげに一蹴するカミューの額に汗が伝った。
「抑えようとはしている。でも……」
祭壇の下には真の敵がいるのだ。消滅させろと「烈火」は喚き立てている。
こんな石造りの建物内で、怒りに任せて火魔法を解き放ったらどうなるか、結果は明らかだ。標的のみならず、多くの命を巻き込んでしまうだろう。
かと言って、抑え抜く自信もない。
こんなにも高まってしまった魔力を消化するだけの精神力が、今のカミューにはなかった。過ちに直面して自らを苛むあまり、集中が及ばない。暴発の一歩手前で、何とか踏み留まっているに過ぎないのである。
若い騎士は懸命に考えた。
話し掛けない方が良いのだろうか。火魔法を制しようとしているカミューの邪魔になりそうな気がする。
だが、このままでは本当にまずい。
礼拝堂内の目は、今はゴルドーに注いでいるけれど、何かの拍子に祭壇に視線を移せば、「司祭」の一人を取り巻く異様な緋色の大気の膜に気付くだろう。
騒ぎになれば、ゴルドーの動きを追っている警備騎士らの意識が逸らされてしまう。どんな些細な隙であっても、ゴルドーに与える訳にはいかないというのに。
迷った挙げ句、若者は控え目に問うた。
「おれに何か、出来ることはないですか?」
だから、とカミューは絶句した。
そういう御人好しだから、離れて欲しいのだ。
暴発は何としても防がねばならない。どうあっても納まらぬようなら、極端に範囲を絞った上で発動させるしかない。
そうなったときにはゴルドーひとりを狙うほどの正確性は望めないだろう。だから確実を期して、自らを標的に据える。
無論、宿主自身への攻撃を命じられた「烈火」が従う保証はない。けれど巧くいったなら。たとえ自らが業火に焼き尽くされようとも、暴発によって罪なき命を奪うよりは救われる。
ただ、発動の規模がどれほどになるかはカミューにも分からない。だから───
「逃げるんだ、……あいつを連れて。今すぐ祭壇から下りてくれ」
もたらされた一節が騎士を瞬かせた。次いで、躊躇も忘れてカミューの黒衣を掴み締める。布地にまで及んでいた苛烈の熱にも動じず、彼は言った。
「そうだ……そうですよ、ここには殿下が居るんだ。だからあなたも勝てる筈です」
怪訝そうに僅かに傾いたフードの奥へ向けて切々と訴える。
「フリード殿に聞きました、あなたが殿下を皇王家の剣から救ったときのこと。あれを抜いておかしくなった殿下を、あなたが元に戻したんですよね?」
───「おかしくなった」どころではなかったな、とカミューの胸に追想が走る。
「殿下が剣の支配に勝てたのは、あなたの御陰だと言ってました。他の誰にも出来なかったことをやってのけた、それはあなたが殿下にとって特別な存在だったから……でしょう?」
若者は尚いっそうの熱を込めて、掴んだ黒衣を揺らした。
「今、「殿下を連れて逃げろ」と言いましたよね? だったらついでに、もっと自分の気持ちに正直になってください」
「何だって……?」
「皇王家の血を憎んでも、殿下は憎めなかったんでしょう? それって「特別」だったからですよね。殿下があなたをそう思ったように、あなたにとっても殿下は特別な人だった。だったら出来ます、殿下があなたの力になる筈だ」
最後に若者は力強く言ってのけた。
「殿下が剣に勝ったみたいに……今度はあなたが紋章に勝ってください」
束の間カミューは、事態も忘れて若い騎士を凝視した。顔の大半はフードで隠れているが、覗く頬は興奮で紅潮し、口元には得意げな笑みが浮かんでいる。
───魔剣ダンスニーに翻弄される中、皇子はカミューの呼び声に応えんがため奮起した。その一念が魔性の支配を絶ち切り、逆に服従へと導いたのだと彼は信じていた。
それに倣えと言うのか。
マイクロトフの存在を支えとして、身のうちを駆け回る炎を抑え込めと。何故そうもあっさり「出来る」と言い切るのか、不思議でならなかった。
ゆるゆると視線を斜め前方に戻せば、長身の皇子の背が見える。
眉間に皺を寄せては、些細なことにも逐一頭を悩ませていた男。変に老成しているかと思えば、根っからの性善説者らしく、無欲なままに周囲の信頼を勝ち取る姿には、確かに選ばれたる者の風格が備わっていた。
耳朶に囁く声が宿していた情愛、黒い瞳に揺れる真実。
幅広い肩の向こう、飾らぬ笑顔が過った刹那、カミューの中で何かが弾けた。
それは「烈火」の熱とは違う、穏やかで優しい温もり。発露を求めて暴れ狂う魔性を柔らかく包み込む鎮めの力が生まれ出でた瞬間だった。
「あ……?」
限界の縁から溢れ掛けていた魔力が、たちどころに退いてゆく。それも、無理に抑え込んだときに感じる未練がましさは一切なく、自然のまま薄れ、溶け入るような退却ぶりであった。
若い騎士も、カミューを包む薄紅の覇気が消え失せたことで脅威の終わりを知った。良かった、と独言を零して明るく微笑む。
「……ゴルドーも終わりです。あなたや村の人たちの無念、少しは晴らせましたよね? だからどうか……これからは自分のために生きる道を考えてください、カミュー殿」

 

 

 

 

 

 

白騎士団長ゴルドーは、勿体つけて足を進めた。
壁際で待ち構える二人の青騎士隊長たちとの間合いを計り、少し手前で歩みを止めるなり、壇上のマイクロトフを見上げる。
「抗弁するつもりはない。ただ……少しだけ話をする時間が欲しい」

阿ねるように言う唇が、密かに邪悪の影を過らせる。
次代の王から勝利の歓喜を奪い取り、絶望に突き落としてやる。万一に備えて宿しておいた「土の紋章」がものを言うときがきた。仮にも剣士として、魔力に頼らねばならなくなったのは腹立たしいが、これで幾らかは胸が透くというものだ。
マイクロトフに向けて使っても良いが、更に効果的な相手がいる。居並ぶ各国の代表たちを一掃するのである。
さて、デュナンにおけるマチルダの立場はどうなるだろう。
孤立か、あるいは攻められるか。
いずれにしても、国の平安は保てまい。護ろうとするものが破壊される───死にも匹敵する苦しみを、マイクロトフに贈ってやろう。
こうして自分が警備の目を引き寄せれば、白騎士隊長に弓を構える隙が与えられる。事の成否はどうでも良い。少しでも不審な動きが生じれば、今度は騎士隊長に注意が向く。魔法詠唱を行うだけの時間が稼げれば充分なのだから。
呼び寄せるのは「震える大地」、広範囲に渡って甚大な被害を及ぼす攻撃魔法だ。少なくとも、国賓や政策議員の座席周辺は呑み込める筈である。叶わぬまま葬られる野望の道連れとしては、満足のゆく面々だろう。

「聞け、マイクロトフ。今、マチルダは繁栄の絶頂にある。おまえはこの先に何を望む?」
問い掛けの意図を量りかねてマイクロトフは眉を顰めた。
「……どういう意味だ」
「分からぬか? 絶頂を迎えれば、後は落ちるだけしか残っておらぬ。わしは、そうしてマチルダが緩やかに衰退してゆく様を見たくなかった」
───だから他国を奪い取ろうとしたのか、そう吐き捨てそうになったマイクロトフだが、声は喉元で留められた。突如として、怪異に襲われたからである。
初め、純白の手袋に包まれた右の甲が微かに疼いた。
気の所為かと思うより早く、それは熱となって利き腕を駆け上がり、そのまま全身へと広がっていった。
次に、左手に握った大剣が存在を主張し始めた。
これは説明し難い感覚であった。気にせぬように努めても、どうしても意識が向いてしまう。さながら「持っている」という事実を、改めて何度も認識させられているかのようだ。
三つ目の異常が重なり合ったとき、マイクロトフは朧げながらに理解した。
熱を帯びた利き手が、望んでもいないのに、ダンスニーの柄めがけて伸びようとしている。剣に引かれているのだ。白刃に秘められた不可思議な力が、遣い手の意思を問わず、自らを抜かせるために利き手を呼び寄せようとしている。
支配下におさめて以来、剣から異常を感じたことはなかった。
皇王家の宝剣ダンスニー。鍛える際には祖・マティスの血が注がれ、武器には馴染まぬ筈の「怒りの紋章」を宿すと伝承に語られる剣。自ら遣い手の力を量り、主人と認めた者には大いなる祝福を、劣る者には災禍を与えるとされる魔性のひとふり。
逸話の真偽はともあれ、尋常を越えた一物なのは確かだった。
災禍とは、剣が遣い手の意識を封じ込めて体躯を支配し、視界に入るものを余さず斬り捨て、屠ること。鎮めの術を施された鞘から抜いたが最後、遣い手が剣を離す瞬間まで殺戮は続く。なまじ優れた剣士なら、容易く剣は落とさない。よって、被害は拡大の一途を辿る。
マイクロトフも、この災禍と無縁ではなかった。
「遣い手の力を量る」と言うが、剣が何をもって「力」と見るのかが分からない。そこそこの剣腕を自負していたマイクロトフだが、ダンスニーには認められなかった。悔やみ切れぬ事件を引き起こし、以降、魔剣の力を心から恐れた。
二度目は事故に近かった。
気付いたときには抜刀していて、そのまま支配されたのだ。自らを襲った刺客たちを薙ぎ払い、斬り捨てた。逃げを打った者をも逃さぬ剣の容赦なき非情に、なすすべもなく従わされようとした。
だが、そこに「彼」が居た。
マイクロトフを魔性の支配から解き放とうと、凛然と立ち向かってくれた青年が。誰よりも鮮やかに、心の中に棲み付いた異邦の傭兵。あのときはまだ、彼に対して抱いた己の恋情にさえ気付いていなかったけれど───。
自らを呼ぶ声に応えねばと思った。
彼にだけは、恥じる身であってはならなかった。
カミューが居たから、魔剣の支配に打ち勝てたのだ。
その後、ダンスニーから脅威を感じなくなった。
フリード・Yなどは、相変わらず「触れたくない」と畏怖を口にする。してみると、剣の特性そのものが変わったという訳でもないらしい。持ち手と認めた者以外を拒み、不穏な覇気を放つ、ダンスニーとはそうした剣だったのだから。
だがマイクロトフに対しては変化があった。
ずっしりと重い筈なのに、不思議と負担を感じない。今まで手にしたどんな剣よりもマイクロトフの意思に忠実で、微妙な力加減にも見事に応じる。魔物の返り血を幾ら浴びても、次の一振りで直ちに純白を取り戻し、攻撃力を鈍らせない。
これが認められた者に与えられる祝福というものかと感嘆した。二度と再び支配の逆転は起こるまいとも信じられた。事実、今の今までダンスニーがマイクロトフを「動かそう」としたことは皆無だったのだ。
───それなのに。
何故、今なのか。何のために抜かせようとしているのか。
支配下に置いたと思ったのは間違いだったのか。力の均衡が転じる瞬間を見定めていただけだったのか。
無機物に過ぎぬ剣を、意思ある存在の如く見做すのは滑稽かもしれない。それでも、紛れもなく人知を越えた何かがはたらいている。ダンスニーは御し難い力をもって、右手を絡め取り、柄へと繋ごうとしているのだから。
懸命に抗ってはみているものの、勝てる気がしない。身体が従わされている以上、またしても惨劇を起こしかねない。
終にゴルドーを追い詰めたのに、幕引き直前でのこれは、いったい何なのだ。
こんな礼堂で、大勢の民が見守る中で───それだけではない、建物の何処かに居るかもしれないカミューにまで無様を晒せというのか。
駄目だ、絶対にさせない。
歯噛みしながら、マイクロトフは右手に力を込めた。あと僅かのところで柄に触れそうになっていた指先を戦慄かせ、きつく握り込もうとする。
そのとき、またもや甲が疼いた。今度は鈍い痛みとして感じられ、今まで以上に熱が高まったようにも思えた。
次々と襲い来る異変に動転するばかりだったマイクロトフが、ここで殆ど反射的に目を瞠った。
右手の甲、そこには紋章が宿っている。生まれ持っていたにも拘らず、ダンスニーの呪縛から解放された瞬間に、初めて目覚め出でた紋章が。
窮地にある他者を、その身を盾として護ろうとするとき、宿主の敏捷性を一気に押し上げる「騎士の紋章」───
捨て身の慈愛といった、騎士道の真髄を練り込めたような効用。物心ついた頃より騎士に憧れていたから、生まれながらにこの紋章を宿していたと知って、深い感慨を覚えたものである。
続いて本能が悟した。
魔剣に身体を動かされているとばかり思ったが、そうではない。寧ろ逆だ。
「騎士の紋章」がダンスニーを求め、その呼び掛けにダンスニーが応えているのだ。護るために抜き放てと、紋章と剣がマイクロトフに訴えているのである。
ここで、右手を柄に導こうとする圧力が消え失せた。主人が正しく意図を心得たことに満足したかのように。
すかさずマイクロトフは慎重に辺りを窺い見た。と同時に、座席から飛び出した第三白騎士隊長が新型の弓を構える様が、ゆっくりと捲られる絵のように映った。
白騎士の狙いは祭壇上に据えられている。自分を射ようとしているのだと最初は思った。
だが、何かおかしい。矢の先が微妙にずれている。そのまま放てば、矢はマイクロトフには当たらず、壁に向けて突き進んでしまいそうだ。
入堂の折に目の端で捉えた限りでは、あのあたりの壁の前には司祭が二人居たように思う。式次第が変えられたのと同じく、司祭の配置が取り決めと違っているのも、仲間の策が施されたためだろう。
司祭を射たところで、白騎士隊長には何ひとつ利がない。もしかすると、味方の騎士が警護役として司祭に成り替わっていて、それに気付いたのかもしれないが、たとえそうだとしても、この局面でまるで無益な血を流すほど愚かな男だとは考えづらかった。
だとしたら、警備騎士の注視を引くための陽動か。
しかし紋章と剣は、護れと命じたのだ。応じねばならない。護るべき者は───
そのとき脳裏に、唐突に舞い下りてきた短い一節。

 

───唯一。

 

天啓にも似たそれが何であるかを量る間もなく、身体が動いた。
右手に力を注ぎ入れたマイクロトフは、衝動が導くまま、抜き放ったダンスニーの刃を空に舞わせた。

 

← BEFORE             NEXT →


ミゲリンてば、この話では
つくづくナイスポジションに居ますな。
……とは言え、
ヤツから赤ラブ設定を外すと、
お見合い斡旋おばちゃんみたい(酷)

 

TOPへ戻る / 寛容の間に戻る