□ 源頼朝書状(3)
神護寺の恵眼房宛の頼朝書状である。 灌頂とは伝法灌頂のことで、真言密教において阿闍梨の位を授ける儀式をさす。 用途とは費用のことを言う。 ここでは、後白河法皇が四天王寺において伝法灌頂をうけるための費用を、頼朝が負担することを伝えた文書である。 後白河法皇が伝法灌頂をうけたのは文治三年(1187)八月で、その費用のことに関しては『吾妻鏡』文治二年二月二十八日他に記事がある。