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日米仏共同訓練—相浦駐屯地が米軍基地に

佐世保平和委員会が訓練中止の申し入れ

 5月11日、陸自相浦駐屯地で日米仏の合同訓練(ジャンヌ・ダルク21)が始まりました。参加は水陸機動団を中心に陸自約100人、フランス陸軍と在沖米海兵隊がそれぞれ約60人の予定。日本では「ダルク(D’Arc)」からアーク21と呼んでいます。

 この訓練のために相浦駐屯地が5月10〜18日の間、米軍施設FAC5171とされました(地位協定2条4項b;土地約217,000 m2と建物3棟約2,100 m2)。相浦駐屯地では島しょ部が侵攻された際の上陸作戦に関する図上演習などを展開。続いて14〜16日は陸自霧島演習場で、陸自ヘリコプターや米オスプレイを使った兵員の輸送・展開訓練や市街地戦闘訓練を実施します。

 9日、海自佐世保基地にはフランス海軍のジャンヌ・ダルク練習艦隊である強襲揚陸艦「トネール」とフリゲート艦「シュルクーフ」が入港しました。10日には米軍赤崎貯油所のヘリポートに米オスプレイ2機が飛来。訓練に参加する米海兵隊の輸送を行いました。

 同じく11日から東シナ海で日米仏豪の共同訓練も始まりました。米海軍は佐世保の揚陸艦「ニューオリンズ」、オーストラリア海軍は11日に寄港したフリゲート艦「パラマッタ」。海自からは佐世保の護衛艦「いせ」、「あしがら」、「あさひ」、「こんごう」とミサイル艇「おおたか」「しらたか」。

 「島しょ防衛」に関連した陸上と海上における共同訓練アーク21の並行実施は、対中国包囲網の強化を示すもので、いっそう緊張を高めるものです。

 4月30日、佐世保平和委員会は相浦駐屯地を訪れて水陸機動団に訓練中止を申し入れました。申し入れでは、訓練内容が「敵地への兵力投入作戦であるヘリボーン作戦や市街地戦闘訓練など、極めて攻撃的」であると指摘。「中国の覇権主義的行動に断固反対だが、それは国際法と道理に基づく国際的批判によって、平和的に解決すべき」「いたずらに軍事的緊張を高める軍事的対応は控えるべき」と強調しています。

 参加した小田徳顕さんは「基地を抱える佐世保市民の多くも戦争反対、憲法守れと願っている。この訓練も市民の多くは知らない。危険な実態をしっかりと伝えていくことが平和への大きな共同へとつながる」と語りました。

(2021年5月12日)