三角形の3種類の重心②

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線分の内分点の位置ベクトル

物理的に考えられる3種類の重心を位置ベクトルで分析すると、比較が容易なことから、

ベクトルの有用性を感じることが、この教材のねらいである。

数学Aにある「三角形の3種類の重心①」の続きで行うとよい。

三角形の3種類の重心の位置ベクトルを比較する。



なお、表記上、ベクトルは太字で表示する。

①幾何的重心

三角形ABCの幾何的重心Gの位置ベクトルはg=(abc)/3となる。

②物理的重心

図1のような三角形ABCの物理的重心Pの位置ベクトルは、

p=(2OMOC)/(1+2)=[2×{(ab)/2}+c]/3=(abc)/3となる。

よって、物理的重心と幾何的重心は一致する。

③フレーム重心

図2のような三角形ABCのフレーム重心Fの位置ベクトルは、

OQ=(aOL+bOM)/(a+b)=[a×{(bc)/2}+[b×{(ac)/2}]/(a+b)より、

f={cON+(a+b)OQ}/(a+b+c)=[c×{(ab)/2}+a×{(bc)/2}+[b×{(ac)/2}]/(a+b+c)

 ={(b+c)a+(a+c)b+(a+b)c}/2(a+b+c)となる。

これは、三角形ABCが正三角形のときは、a=b=cなので、f=(abc)/3となり、

幾何的重心、物理的重心とは一致するが、

それ以外のときは、幾何的重心、物理的重心とは一致しないことがわかる。

<参考文献>
[1]中村文則(2000),「四角形のへそ」,「北海道算数数学教育会高等学校部会研究部数学のいずみ」,
  http://izumi-math.jp/F_Nakamura/heso/heso.htm