ベクトル方程式の点の存在範囲の問題を、斜交座標を用いてイメージ
することから、ベクトル方程式の理解を深めることが、この教材のねらいである。
なお、表記上、ベクトルは太字で表示する。
「3s+2t=6 を満たすOP=sa+tb の終点Pの存在範囲を
図示せよ。」という問題を普通は次のように解くことが
多い。
3s+2t=6 の両辺を6で割って、
(s/2)+(t/3) =1、s=2s’,t=3t’とおくと、
OP=s’(2a )+t’(3b) (s’+t’=1)
ゆえに、存在範囲は図1のように、2a の終点と3b を結んだ
直線になる。しかし、これは直交座標に x+2y=6 のグラフ
(y=-(3/2)x+3) を書いたものを、図1のような斜交座標
に変換したもののと同じになる。すると、計算しなくても、
斜交座標に直接書くことができることがわかる。
同じように考えると、次の条件を満たすOP=sa+tb の終点
Pの存在範囲を、図2、図3のように図示することができる。
①2s+3t≦6,s≦0,t≦0
②s2+t2=1