自然数を連続する自然数の和で表すにはどうしたらよいかを考察することによって、
自然数の和に興味をもち、主体的に考察することが、この教材のねらいである。
自然数を連続した自然数の和で表すとき、表せない数はどんな数かを考える。
まず、1以外の奇数は必ず連続する2つの自然数の和で表すことができる。
例えば、3=1+2,5=2+3,7=3+4といった具合である。
次に偶数についてであるが、偶数のうち(奇数)×(偶数)の形で
表せるものは、必ず連続する2つの自然数の和で表すことができる。
これについて証明する。
例えば、連続する自然数を奇数個つまり(2k+1)個足すと、
(n-k)+(n-k+1)+…+(n-1)+n+(n+1)+…+(n+k-1)+(n+k)=
(1/2){(n-k)+(n+k)}(2k+1)=(2k+1)nより、必ず(2k+1)の倍数になるので、
nを偶数とすると、偶数のうち(奇数)×(偶数)の形で表せるものは、
必ずnを中心とした(2k+1)個の連続する整数の和(負の数を含む)で表すことができる。
負の数の部分の和は、正の数の部分の和と相殺することができるので、
必ず連続する2つの自然数の和で表すことができる。
例えば、6=3×2=1+2+3,10=5×2=1+2+3+4,12=3×4=3+4+5,
14=2×7=-1+0+1+2+3+4+5=2+3+4+5,
18=2×9=-2+-1+0+1+2+3+4+5+6=3+4+5+6といった具合である。
よって残ったのは、2,4,8,16など、2nの形のものであるが、
連続する自然を偶数個つまり2k個足しても
(n-k+1)+…+(n-1)+n+(n+1)+…+(n+k-1)+(n+k)=
(1/2){(n-k+1)+(n+k)}2k=k(2n+1)となり、(2n+1)が奇数であるから、
必ず奇数の素因数が残り、2nの形にはならない。
よって、2nの数を連続した自然数の和で表すことはできないことがわかる。
1は連続した自然数では表せないので、これを含めると
連続した自然数の和で表せない自然数は、2n(n=0,1,2,…)である。
実際にいくつかの自然数を連続した自然数の和で表させ、考えさせてから説明するとよい。