振り子の振れる時間を測る実験や話を通して、現実事象との関連や無理関数の有用性を感じ、
無理関数の興味を深めるのが、この教材のねらいである。
糸と5円玉で振り子を作り、糸の長さ x を2倍にしたら、1往復する時間 y (周期)は何倍になるか
を測る実験を行う。周期は振幅が小さければ、y=2π√(x/g)となる。( g は重力加速度)
g=9.8m/sとすると、√9.8≒3.13≒πであることから、y=2π×(√x)÷(√9.8)≒2√xより、
x=(1/4)m=0.25mのとき、y≒1(秒)になる。
まず、糸の長さが0.25mのとき1往復が約1秒であることを確認し、次に糸を2倍にしたら
周期が何倍になるかを予想する。周期が2倍になるという予想が多いだろうが、
実験すると周期は2倍にはならず、約1.41(√2)倍になることがわかる。
そして、糸の長さが4倍の1mのとき、周期が2倍の2秒になることがわかる。
ここから関係を推測するとよい。
班を作って実験させてもよいが、観察実験でも全員が確認できるのでよい。
なお、千葉大学にある日本最大のフーコーの振り子は、x=30.4mである。
よって、周期yはy=2π√(30.4/9.8)≒11.07(秒)となり、一往復に約11秒もかかることがわかる。
また、さいたま市青少年宇宙科学館のフーコーの振り子はx=6.99mで、
y=2π√(6.99/9.8)≒5.31(秒)である。電卓等を用いて実際に計算してみるとおもしろい。