コインの表裏の出方を無限等比級数を用いて考察することで、この内容に興味をもち、
期待値、数列、極限の有用性を感じるが、この教材のねらいである。
1枚のコインを何回か投げて、少なくとも表と裏が1枚ずつそろう平均の試行回数は何回か?
1回目にどちらかが出るので、2回目以降にもう一方が出るための期待値Eは、
S=1・(1/2)+2・(1/2)2+1・(1/2)3+…+n・(1/2)nとすると、
E=lim(n→∞)Sとなる。Sは(等差数列×等比数列)の和なので、
S=1×(1/2)+2×(1/2)2+3×(1/2)3+…+n×(1/2)n
-) (1/2)S= 1×(1/2)2+2×(1/2)3+…+(n-1)×(1/2)n+n×(1/2)n+1
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(1/2)S= (1/2)+(1/2)2+(1/2)3+…+(1/2)n-n×(1/2)n+1
S=1+(1/2)1+(1/2)2+(1/2)3+…+(1/2)n-1-n×(1/2)n
ここで、lim(n→∞)(n/2n)=0なので、
E=lim(n→∞)S=2-0=2となり、少なくとも表と裏が1枚すつそろう回数の平均は3回である
ということがわかる。
役立つ数学の話』,ニチブン,pp.210‐211.