気象会社で、円の性質を使って雷の落ちた位置を特定している話題から、
単元の有用性を感じるのが、この教材のねらいである。
私的な気象会社の中に雷を専門に扱っている会社があり、落ちた雷の数や、
雷1つ1つがどこに落ちて、どれくらいの強さかをすべて集計できるそうである。
その会社は、各地に雷の電磁波を観測するレーダーを設置していて、
雷は電気で落ちた地点から電磁波を飛ばすので、それがどのくらいの距離から
出ているかをレーダーが観測して、雷が落ちた地点を特定している。
雷に1番近い1つのレーダーが距離を測定できてもその位置は特定できず、
2つのレーダーが距離を観測しても、位置の候補は2つ存在してしまう。
よって、図1のように、雷の落下地点から近い3つのレーダーの観測
データを使い、その距離を半径とする3つの円を書いて交点を求め
れば、雷の落下位置は特定できるのである。