県の面積を取り尽くし法で求めることで、区分求積法のイメージをつかみ、積分に興味をもち、
単元の有用性を感じることが、この教材のねらいである。
いろいろな県の面積をおよその面積を求めるにあたって、その方法について考察する。
まず、多角形に近似する方法が考えられる。例えば埼玉県ならば台形、栃木県なら円に近似
して、およその面積を求めることができる。
その後、取り尽くし法で面積を求める作業を行う。
まずは1辺が10kmの正方形で取り尽くし法で数える。正方形に完全に含まれていないところを
どう考えるかについて考察する。正方形を細かくすればよいという考えから、正方形の1辺の
長さを小さくしていって、近似する様子を考察する。数学Ⅲの区分求積法の所で行ってもよい。
下の地図から、神奈川県の面積を求めてみよう。
まず、神奈川県を図1のように台形に近似して、およその面積を求めてみよう。
台形の辺の長さを定規で測って計算すると、面積は、S=(22+44)×66÷2=2178km2
と計算できる。なお、実際の神奈川県の面積は、2415.84km2である。
次に、図2のように1辺が10kmの正方形で取り尽くし法で数える。
10km×10km=100km2の正方形で、半分程度以上神奈川県の陸地になっている正方形の
数を数えると、図2の場合24個なので、100km2×24(個)=2400km2と計算できる。
これは台形に近似したときよりは実際の値に近い値となった。
また、全てが陸地になっている正方形を1個、一部が陸地になっている正方形を(1/2)個
として数える方法もある。
いずれにせよ正方形の目が粗いので、23個(2300km2)とも25個(2500km2)とも考えることが
できるため、精度が低い。そこで正方形を細かくして、図3のように1辺が4kmの正方形で
数えてみることにする。4km×4km=16km2の正方形で、半分程度以上神奈川県の陸地
になっている正方形の数を数えると、
図3の場合151個なので、16km2×151(個)=2416km2と計算できる。
正方形の目が細かいので、1辺が10kmのときよりも、さらに実際の値に近い値となった。
目をさらに細かくすると、さらに誤差を小さくすることができる。