身の回りから極限の概念を探すことから、極限に興味をもち、極限の感覚を身につけるのが、
この教材のねらいである。
「極限を探そうコンテスト」と題して、例えば、lim(歯の数→∞)のこぎり=包丁、
lim(水→∞)カルピス=水、lim(段の幅→0)階段=すべり台、といった極限の概念を
身の回りから探すコンテストを行う。
カルピスは水をどんどん増やすと限りなく水っぽくなり水に近づくが、カルピスの原液が
入っているので水ではない。
また、のこぎりの歯の数を限りなく増やしたり、段の幅を限りなく0にしたりすると、
限りなく包丁やすべり台のように滑らかな面になるが、歯や段がなくなるわけではない。
このように、限りなく近づくけど到達しないという極限の感覚を理解するのが目的である。
実際のコンテストでは、lim(髪の毛→0)頭=スキンヘッド、のように、極限ではなく
実際に到達してしまう例が多くでるので、その違いについて議論することで、
極限の感覚を身につけることができる。コンテスト形式で、いい作品を表彰するとよい。