紙を20回折ったときの厚さについて考察することから、指数に興味をもち、
指数の発散のすごさを感じるのが、この教材のねらいである。
校庭の大きさくらいの厚さ0.1mmの紙を20回折ったら、どのくらいの厚さに
なるだろうか?予想して、次の中から最も近いものを選べ。
①人間の身長位
②サッカーゴール位
③学校の校舎位
④横浜みなとみらいのコスモクロック21(観覧車)の高さ位
予想させた結果は、①、②が多い。なお、①の人間の身長は約1.7m、②のサッカーゴール
の高さは2.44m、③の校舎の高さは約35m、④のコスモクロックの高さは112.5mである。
実際に計算して考察してみる。
現実的には、折りたたむ部分の厚さの関係で紙はせいぜい6回位しか折れず、
20回折るのは不可能なので、紙を折ったら切る、折ったら切るというように
繰り返すこととする。これなら可能である。
紙を1回折ると2枚、2回折ると4枚(22)、3回折ると8枚(23)になることから、
20回折ったときは、220=1048576枚となるので、紙の厚さは、
0.1(mm)×1048576=104875.6(mm)=104.8756(m)で、約105mということになり、
正解は④であることがわかる。
ちなみにこのとき、紙の大きさは縦と横ともに1024分の1になるので、校庭に一辺が50m位の
紙を用意しておけば、折った後の紙の一辺は5cm位となり、理論上は実験可能である・・・。
また、厚さがスカイツリー(634m)を超えるには23回折ればよく、26回で富士山(3776m)を超え、
51回で太陽に届き(1億5000万km)、100回で宇宙の半径(150億光年=1.5×1026m)とほぼ同じ
となる。指数のすごさを感じる数字である。