エンボスラッキーをどのようにすればうまく作れるか、展開図を弧度法で考えることで、
弧度法に慣れ、単元の有用性を感じるのが、この教材のねらいである。
クリスマスの時にかぶる円錐型の図1のような帽子のことを
エンボスラッキーという。長さや形の条件をいろいろ変えていったとき、
どうすればエンボスラッキーがうまく作れるかをその展開図を考える。
①母線の長さ24cm、底面の半径が10cmのエンボスラッキーの展開図を、
中心角θを求めて作ってみよう。
図2のように、展開図の扇形の半径を r 、弧の長さを l とすると、
r=24,l=2π×10=20π より、l=rθ から、
θ=(l/r)=(20π/24)=(5/6)π (=150°) にすればよい。
②エンボスラッキーを自分の頭のサイズにあわせて調節して作ろう。
自分の頭の半径が8cmとしたら、母線の長さと中心角をどうすればよいか。
(1)母線を24cmに固定する。
l=16π より、θ=(l/r)=(16π/24)=(2/3)π (=120°) にすればよい。
しかし、これでは①で作ったエンボスラッキーより、高さが高くなる。
(2)中心角を(5/6)πcmに固定する。
l=16π より、r=(l/θ)=16π÷(5/6)π=(96/5)cm=19.2cmにすればよい。
しかし、これでは①で作ったエンボスラッキーより、高さが低くなる。
(3)①で作ったエンボスラッキーと同じ高さにするには、高さを h とすると、
図1より、h2=242-102=r2-82より、r=(6√15) cmにすればよく、
l=16π より、θ=(l/r)=(16π/6√15)=(8√15/45)π (≒123.9°) となる。