バクテリアの増え方を例にして、負の数や有理数の指数のイメージを深め、指数の拡張の
有用性を感じるのが、この教材のねらいである。
指数の拡張について、20、2-1、2-2・・・をいくつと定義すればよいかを考える。
まず下の表から考えて、20=1、2-n=1/2nの定義をイメージする。
2-2 | 2-1 | 20 | 21 | 22 | ||||
|| | || | || | || | || | ||||
1/4 | 1/2 | 1 | 2 | 4 | ||||
← | ← | ← | ← | |||||
÷2 | ÷2 | ÷2 | ÷2 |
次に以下の問題を考える。
分裂して重さが1時間で2倍に増えるバクテリアが1gある。
このバクテリアの1時間前、2時間前の重さは何gだろうか?
このバクテリアの1時間後の重さは1×21=21=2(g)、
このバクテリアの2時間後の重さは1×22=22=4(g)、
なので、バクテリアの t 時間後の重さは2t で表すことができる。
このバクテリアの現在(0時間後)の重さは1gなので、20=1となることがイメージできる。
また、このバクテリアの1時間前の重さは2-1=1/2(g)となり、
2時間前の重さは2-2=1/4(g)となることがイメージできる。
次に指数の拡張について、21/2、21/3、22/3などをいくつと定義すればよいかを考える。
20 | 21/2 | 21 | 20 | 21/3 | 22/3 | 21 | ||||||
|| | || | || | || | || | || | || | ||||||
1 | √2 | 2 | 1 | 3√2 | 3√22 | 1 | ||||||
→ | → | → | → | → | ||||||||
×√2 | ×√2 | ×3√2 | ×3√2 | ×3√2 | ||||||||
= | = | ⇒ | = | = | = | = | ⇒ | |||||
×2 | ×2 |
上の表から考えて、2m/n=n√2mの定義をイメージする。
次に以下の問題を考える。
分裂して重さが1時間で2倍に増えるバクテリアが1gある。
このバクテリアの1/2時間後(30分後)、1/3時間後(20分後)、2/3時間後(40分後)
の重さはそれぞれ何gだろうか?
これによると、このバクテリアの1/2時間後(30分後)の重さは√2≒1.41(g)となることが
わかる。また、このバクテリアの1/3時間後(20分後)の重さは3√2≒1.26(g)、
2/3時間後(40分後)の重さは3√22=3√4≒1.59(g)となることがわかる。