地図に関する現実事象の問題解決を、平面上の2点間の距離や内分・外分を使って
解決することで、単元の有用性を感じるのが、この教材のねらいである。
図1のように格子状になっている札幌市の性質を利用し、札幌市の地図をテレビ塔
を原点とする平面座標と見て、いろいろな問題の解決を考える。
(問1)図1において、A(0,5)の位置にある札幌Aホテルでは、B(-1,3)の位置にある時計台
が見えるように展望室を設けることになったとする。どんな望遠鏡を設置したらよいかを
検討するために、この2地点間の距離を求めよ。ただし、1メモリ=130 mとする。
2点間の距離AB=√{(-1-0)2+(3-5)2}=√5となる。
よって、√5×130≒2.23×130≒290mとだいたいの距離がわかる。
(問2)図1において、C(-6,(9/2))の位置にある北海道庁と、D(-1,2)の位置にある札幌市役所
の間にネットワークを組むことにしたとする。その2地点を結ぶ線分を3:2に内分する点
の地下に管理システムの機械を置きたい。どの建物にお願いすればよいか。
線分CDを3:2に内分する点をP(x,y)とすると、x={2×(-6)+3×(-1)}/(3+2)=-3、
y={2×(9/2)+3×2}/(3+2)=3より、P(-3,3)の地点にある建物にお願いすればよい。
ちなみに詳しい地図で見ると、その地点には札幌Gホテルがある。
(問2)図1において、E(-8,2)の位置にあるSTV札幌テレビと、F(-5,3)の位置にある
HBC北海道放送では、出力の関係でこの2地点を結ぶ線分を3:2に外分する点の建物
の屋上に共同アンテナを立てることにしたとする。どの建物にお願いすればよいか。
線分EFを3:2に外分する点をQ(x,y)とすると、x={-2×(-8)+3×(-5)}/(3-2)=1、
y={-2×2+3×3}/(3-2)=5より、P(1,5)の地点にある建物にお願いすればよい。
ちなみに詳しい地図で見ると、その地点にはJR札幌病院がある。
少し設定や理由に無理はあるが、ただ座標上で考えるよりはおもしろい。