ハブと戦う島3
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 今回の旅はある意味冒険的なところがあった。
 何が冒険かというと毎日宿を移動するのだ。
 これまで釣りを絡めた旅行は全て基点宿を決めた滞在型で行っており、毎日の宿の移動というのは学生時代に転々と川を替えて野宿しながら釣り歩いた時以来である。しかも渓流釣りと違い、タックルが重装備となるソルトウォーターでの釣りである。持っていく道具類をどこまでコンパクトにまとめるのかも重要だ。
 また、今回は現地情報の乏しい場所での釣りをメインに予定しており、干満の動きが大きい大潮周りでの釣りとなると、時間によっては全く釣りにならない場合もあるだろう。なんと言っても地盤高に関する情報がないので、どこに何時に入れば釣りが成立するのか全く見当がつかない。自分の釣り感に頼って場所選びをするしかないのだ。そういった意味でもかなりの冒険だった。
 おそらく、同行者がいたらこのような冒険はしなかっただろう。一人旅だからこそ気楽に冒険が楽しめたのだと思う。
 
6/29
 かみさんが車で駅まで送ってくれたので、駅でゆっくり朝食をとり、予定より早い新幹線に乗ることができた。
 新大阪駅で伊丹行きのバスに乗換えて空港へ。
 伊丹空港はクリスマス島へ行った時以来の利用である。ものすごく綺麗に改装されてました。十年一昔っていうけど、全くそのとおリだね〜。
 今回はバイスを持ってきていないので、セキュリティチェックも難なくクリア(実はボガグリップが引っかかるんじゃないかと、ちょとどきどきしてました。。笑)。
 荷物を預けて身軽になったところでターミナル徘徊、、思ったほど店は多くないが、広島空港のことを思うとなんとまあでかい空港なんだろう。。(羽田は別格…)
 っで、爪を切るのを忘れていたことに気づき、爪切購入。どこが安いかとうろうろと見て廻り、ANA側のターミナルとの境界にある店で購入。しかもANAのEdyマネーが使える。。現金を少しでも残しておきたかったので迷わずEdy払いにした。
 
 飛行機は定刻より少し遅れている様子で、「到着が遅れると、初日のスケジュールが…・手花部での釣りができなくなるかも。。」とかよけいな心配しながら搭乗開始を待った。
 フライトは好天に恵まれ、右に瀬戸内海の島々〜宇和島〜鹿児島〜種ヶ島・屋久島〜トカラ列島を眺め、奄美空港着陸前には笠利崎からアヤマル岬・土盛海岸を経て大瀬海岸まで全て区っきりと眺めることができた。相変わらず美しい〜!
 荷物の受取りの際に、なんと私のB&L以外にバズーカ砲が5本出てくるのを確認。10名ほどのグループがそれを受取っており、背中に「Fisherman」を描かれたTシャツを着ている人がいた。間違いなくボートからのGT狙いのご一行様なのだろう。
 過去2回の訪問と同じく、奄美レンタカーの送迎バンで空港向の事務所へ行きレンタカーの手続きを終え、2年ぶりにプチ奄美人となった。
 
 も確保したし、次は着替えである。土盛りで着替えようかとも思ったが、大瀬をちょこっ見ておこうと思い大瀬海岸へ行くと手ごろな木陰ができていたのでそこで身支度をした。
 始投式は迷うことなく手花部へ・・・っと思っていたが、その前に金久の前田川河口を覗いてみると、なんと手の平クラスのメッキがそこそこ見える。結局ここで始投式となった。 しかし、1尾フッキングさせたものの直ぐにバレてしまい、幸先の悪いスタートとなった。
 次はいよいよ今年最も熱いガラポイント手花部である。
 アジサシが5羽ほど飛んでいるがナブラは見えない。ベイトの群れも見えない。干潟に立つが、雲が次から次へ通る為魚の発見もままならない。見えるのはボラばかりでたまに見かけるチンも30cmどまり…。浅瀬の水温はまるでお湯のように生温い。膝くらいの水深のところでは底の方はそんなでもないのだが、水面はやはり生温い。これを嫌って魚がなかなか浅瀬へ上がって来ないのかも・・・。
 とりあえず前肥田よりの石積みまで進み、そこで腰を据えて観察していると、たまに石積みの切れ目からそこそこのサイズのチンが突然現れることに気付いた。おそらく石積みに沿って移動しているのだろう。こうなったら石積みに沿ってフライを引っ張るのが常套手段でしょう。
 っで、ピンクのハマナカチャーリーを石積みに沿ってゆっくりと引くと…・
 グワン!グワン!っと早速生命反応が、、続いて一気に沖へ走り出した。
 チンの引きではない、かといってガラほどの暴力的な引きでもない。少し丸みを帯びた魚体がちらりと見えたときにはちょっとマルコバンを期待してしまったが、背鰭の長さが全然短いことに直ぐに気付き、なんだろうなと思いながら新作の又七塩毛鉤丸試拾四号動画を撮りながら魚の引きを楽しんだ。
 寄ってきたのはぷりぷりと太ったシマアジ系の魚
 写真を撮ってボガで重さを量るとちょうど2ポンド。1kgを少し切るそこそこの獲物である。
 っでここで問題発生!
 ランディングした時にはまだ元気だったシマアジが急に弱り始めた。ピンと立っていた胸鰭がにわかに倒れ始め体にぺたっとくっついてしまった。
 やばっと思い、直ぐに水深のある所まで釣れて行って水の底に沈めてゆすって甦生を試みたが。。。
 合掌〜!
 あぁ〜あ、殺しちゃったよ。。。ちょっと罪悪感を感じたが、浜を振り返ってそれどころではないことに気付いた。
「さっ、竿がない?」
 あせって波打ち際まで戻ると(シマアジはしっかりとボガで吊るしたまま。。爆!)、そこにはリールの重みで水没してティップの一部がかろうじて水面に出ている又七塩毛鉤丸試拾四号があった。
 シマアジの甦生を試みている間に潮が満ちて水没していたらしい。
 
 とりあえず、シマアジをこのままにしていても腐るだけなので、どこかで保冷材とクーラーボックスを確保しなければならない。とはいえこの近くで釣り具屋なんて見たこともない。さかきさんに電話して聞いてみようとしたが、繋がらず。。。川のほとりに商店があったことを思い出し、まずはそこで聞いてみることにした。
「氷売ってませんか?」
「ごめんね、氷売るだけの余裕がないのよ。赤木名までいくと買えるんじゃない?」
「じゃ、とりあえずこのジュースください」
 ジュースはシマアアジを冷やすのではなくまず自分の腹を冷やすことに使われた。笑!
 
 赤木名まで行き、そういえばスーパーがあったよな〜って行ってみると…改築中。。。汗
 少し車を走らせると、ありました!「スーパーさと」
 旧店舗で営業中でした。
 
 店に入って店員らしい女性に
「保冷バッグとかクーラーボックスありますか?」
「あるよ、ちょとまってて」
 なんと奥の魚売場の裏から定番の水色発泡クーラーを持ってきてくれた。780円也。。背に腹は替えられんわい!!(氷はただでサービスしてくれました。)
 レジで支払いしていると、年配の女性が
「おにいちゃん、海で何かいいもん採ったんだね。腐っちゃなんねぇもんね。その姿見ると一目で海行ってたってばればれよ〜。」
なかなか鋭いおばあちゃん。。。爆!
 クーラーと氷が手に入ったので、後はのんびりと瀬留でテーリングを狙うことにして移動。しかし瀬留は既に潮位が高くなりすぎており、道路際の階段から入るのは不可能。っで南の護岸を右に進んで扉のところから降りてみましたが、やはりボラが多い。チンはいるにはいるが、ここの魚は前回同様に非常にシビアでした。
 そうこうするうちにさかきさんから連絡があり、シマアジキープの経緯と事情を話すと
「それは今夜の肴にしましょう。キープで正解です。」
っと、なんとなく罪悪感が消えた瞬間でした。
 さかきさんの家へ着き、魚を見てもらうと
「これはシマアジじゃないですね。クロヒラアジだよ!」
どおりでシマシマが色濃いと思いました。黄色いバンドもないし。。。爆!
 
っということでシマアジはクロヒラアジに訂正しますので、改めて読み替えしてください。
(ちはみにシマアジのシマは縞ではなく島の事らしい・・・なのに日本人が書いた文献とか読むと、ストライプドジャックってワケわかんない英名使ってたりすんよね〜。これじゃ縞鰺です。。爆!。→ホワイトトレバーリが正解!。)
 
 その晩は、さかきさんの手料理と私が釣ったクロヒラアジと晋作君とマー坊がかぶって差し入れにきたお好み焼きとアントンさんが持ってきた各種おつまみで更けていくのであった。
 どうやら、クロヒラアジはまだJGFAで記録されておらず、申請すればオールタックル日本記録だったそうだ。っで、何で記録がないかというと、、たぶん美味いから記録申請するより食った方がいいってことで誰も申請しないんでしょうね。。笑!
 
6/30
 ここ一年少々、早起き生活が続いているため、この日も早く目がさめた。。。っというより朝早くから蝉がうるさくて否が応でも目がさめるのだ。
 さかきさんと少々話をして、7時過ぎに出発。目指すはヤドリ浜。
 途中で山間の干潟で竿を出す。
 チンを狙っていると後ろで突然ロウニンらしき捕食音、直ぐに降り返ってフライを投げたが既におそし、、、とどく距離だっただけに残念。それ以後、魚を探す時は後ろにフライを投げておくことにしたが、そんなんで釣れるほど甘くはなかった。
 
 日が高くなるに連れて風が強くなり始め、ちょっとムリなキャスティングをした時にバットのフェルール付近から「ピキッ!」っと嫌な音が…。
 外観チェックでは特に異状が見られなかったためそのまま釣り続行。型のいいコトヒキが又七塩毛鉤丸試拾四号を曲げてくれた。
 コトヒキを釣ってまた一段と風が強くなった時、逆風に負けまいと、ちょっと強くストロークした瞬間
「ペシッ!」
乾いた音とともにフェルールがへし折れて竿がへの字に曲がった。
合掌〜!
 
 昨日はクロヒラアジで合掌し、今日は丸竹で合掌〜!2日連続の合掌となった。
 まあ、このフェルールは作った時から不安があって、どこまで使えるかテストするというのも今回の冒険テーマの一つ。1キロのクロヒラアジの引きには耐えたが、やはりキャスティングで折れるんよねー。
 
 山間の後は市へ。市は奥まで車では入れなくなっていたため、手前で車を止めて浜辺まで歩いた。
 潮位はちょうどよかったのだが、なかなか魚を見つけることができず、やっとこさ見つけたチンにも無視され、何も得る物はなかった。
 続いて嘉徳へと移動。
 ここの砂浜、むちゃくちゃ綺麗です。あまりに広くて写真で収まりきらないためとりあえず動画でぐるりっと回転して撮影した。
 この風景と波の音って、はっきりいって麻薬と同じ、ここに立つと自分の中でだけ時間が止まります。
 もうこの景色の中にいられるだけでシ・ア・ワ・セ・!
 しかし現実に戻るとなかなか厳しいものがあった。
 波打ち際で大判チンを発見し、上手く食わせることができたのだが、何度目かの疾走でばらしてしまった。たぶんテンションのかけ過ぎで口切れしたのだろう。その後は、メータークラスのダツの群れを発見したものの、ティペット切られまくり。
 ぅうううう〜、くやし楽し〜!
 やっとこさ釣れたのは手の平大の体高のあるコバンアジだけだった。
 
 潮が引ききるまで嘉徳を楽しみ、続いて阿木名の浜で遊んだ。
 早速河口で良型のチンを発見!しかし手前のボラを驚かしてしまい、ジ・エンド
 しばらく浜をうろうろして時間をおいて同じ河口で今度はギンガメメッキを2尾ランディング。その直後、目の前に60cmをゆうに超えるオニヒラアジが現れた。
 すかさずキャストしたが無視して泳いでいく。追い掛けながら進行方向へ投げまくったのだが結局沖へ逃げて行ってしまった。
 それにしても沖に四角い施設が沈設されていたのは何だったのろうか?モズクの種場?
 阿木名はあきらめ、嘉鉄へ移動。
 ここも静かでいい感じの浜でした。でも魚は釣れませんでした。
 クライマックスはホノホシの浜でした。
 ここは拳大の石ころで形成されたちょっと変わった浜で、波によって石が動かされ、「ガラガラガラガラガラガラ〜」っと音を立てます。
 ここでコバンアジが入れ食いになりました。そして、急に当たりが止まったっと思った数投後、70cm以上ありそうな青緑色をした砲弾型の巨体が深みから浮かび上がり、フライに襲いかってきた。
 フライはピックアップ直前で波打ち際の泡の中。正体不明の巨魚も泡の中へ突っ込み、何がどうなっているのかよく解らない状態が数秒続き、巨魚がバックして泡の下から出てのそっと向きをかえたので、聞くように竿を立ててみると、、、
「ウゥィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン」
 魚が急に沖に向かって走りだし、オラクルが信じられないスピードで逆回転して唸りを上げた。セージ790-3RPLXはグリップの上から曲がっている。
「こりゃ獲れんわ・・・・」
 結局リーダーブレイクで完敗しました。ラインが戻ってきただけでもありがたやって感じですね。
 この日の晩、眠れなかったことは言うまでもありません。
 何度も何度も、大判チンとメーターダツとホノホシの不明魚の引きが右腕によみがえってきます。満月に向かって何度遠吠えをあげたことか…・。
 しかし、ヤドリ浜って、携帯が使えないのが不便ですね。でもちょっと歩いてエビ養殖場の防波堤の真ん中より先に行くとauでも通信可能になることを発見。とはいえ、電波はかなり微弱で、繋がったり切れたり、むこうの声は聞こえるけどこっちの声がむこうに届いていなかったり。とりあえずメールは送れるのを確認しました。
 
7/1
 眠れぬ夜を過ごした翌朝、目が覚めたら既に8時になろうかという時刻であった。
 どうやら爆睡していた模様。。。爆!
 そそくさと朝食を済ませ、朝一でホノホシ海岸へ…(あきらめの悪い性格です…)
 しかし釣れたのはまたまた手の平小斑
 
 ホノホシをあきらめ、峠を超えて伊須のビーチへ。
 ここも静かで綺麗な浜でした。
 ガンガゼとかウミヘビとかも見れたし、、、綺麗な景色とは裏腹に、なんて危険な浜なんだ!
 
 ここでもプチドラマが。。。
 ガンガゼを見つけて写真に撮っていた時、ふと顔を上げると、竿の下を60cmほどのオニヒラアジがゆっくりと泳いでいった。
 当然直ぐに投げましたが、無視されました。。。悲!
 たまに沖からス〜と入ってきて波打ち際でボラ稚魚をバシャバシャと追い立ててまた沖へ帰っているようでした。
 伊須をあきらめ、古仁屋の北にある手安の白い干潟へ立ってみた。
 ここは今回の遠征で最も多くのチンを発見できたのだが、一尾もバイトさせることができなかった。駆け上がりの奥にブラインドキャストし、海底をずる引きしていると何度かあたりがあり、一度フッキングしたのだが、これも姿を見る前にばれてしまった。きっとマルコバンに違いないっと粘って見たが、その後はぱったりとあたらなくなった。
 この浜でしばらく時間を使い、次の釣り場を探して移動したのだが、行けども行けども同じような地盤高の浜ばかりで、どうやら瀬戸内〜宇検あたりは浜の地盤高が揃っており、釣り時が同時に来ているようだ。つまりランガンに向いていないのだ。一箇所でじっくり釣ってその日は終わりみたいな釣り方しかできそうにない。強いて言えば最初に久根津に入って早めに上がって手安か阿鉄のどちらかに動けば2箇所遊べるかな?っという感じですかね?。
 行けども行けども潮が干ききった時の屋入のような浜ばかりが現れ、ところどころ流入河川のある浜に降りてブラインドキャストして見たものの、むなしくフライが帰ってくるだけ。
 とりあえずタエン浜で水中写真撮って遊んで時間を潰し、湾奥に行くまで道中もちょくちょく干潟に下りてみはしたものの、ボラしか発見できず、結局水中写真撮って遊ぶだけ。しかし、幸運の女神はわたしに微笑んだ。たぶん水中写真を撮ったりして遊んでいたのでケンムンが興味を持って私に憑いたに違いない。
 部連の道路際の干潟で何気なく車を止めて水没しかけの干潟をなんとなく見ていると、、
ぉお〜!チンがいるじゃん。しかも4〜5尾おるでぇ
 さっそく準備し、干潟に降り立った。
 道路の上からチンがいる場所は確認済み、多少は移動しているだろうが、エサを漁っているのでそんなには動いていないはず。
 抜き足差し足でボラを散らさない様にそっとチンを探す。
 いた!、40cmには届かないだろうがなかなかのグドサイズを発見!
 頭を左右に振りながらきょろきょろとエサを探しては底をついばんでいる。やる気満々のチンだ。
 竿を立てたままティップだけでアンダーループを作り、そっとチンに前方にハナマカチャーリーを落とす。
 チンがスッっとフライに接近し、止まった。ゆっくりとストリップすると、グワ〜ンっと竿にチンの重みが乗った。
 モワ〜ンっと水面に波紋を残し泥を巻き上げながらチンが走り出す。周りのチンやボラも一気に走って逃げ出す。
 オラクルリールが「カシュッ!カシュッ!」っと変な音を出しながら数度逆転したが(前日の巨大魚の疾走でベアリングがプチ焼けた模様)、昨日の嘉徳のチンに比べると全然余裕のファイト。
 この干潟も波打ち際付近は水温が温かったので、魚を弱らせないよう、手早く写真を撮り口の奥深く掛かったフックを外して直接深みへ連れて行ってリリース。
 干潟の中を歩いて場荒れさせてしまったので、しばらく外れたところでボラ相手に遊んでいると何やら底に引っかかったような????
 おじさん何やってんだよ〜!いやいやごめんなさいオジサンではなくヨメっぽいんですが、尾鰭に縞がありません。何でしょうねこれは。
 
 少し間を置いて、ふたたび最初の一尾を釣った場所へ戻る。
 魚が上がってくるとしたらここだろうなっと予想してじっと水の中を見つめる。
 キターーーーーー!
 先程のチンより一回り大型のチンが深みから上がってきた。
 こいつもキョロキョロ脇見しながら泳いでいる。
 きっと、これがやる気のあるチン特有の行動なのだろう。そういえば昼前に手安の干潟でさんざん無視されたチン達はただボーっと泳いでいただけだったような気がする。危険をいち早く察知しようと周りを広く見るためにあのようなボーっとした目になっていたのかもしれない。っということは、きょろきょろしているこいつはやる気満万だーーーー!
 先程と同様にチンの前方にふわりと…あれ?ミスキャスト!
 でもチンはそんなことお構いなしに、まだきょろきょろしながら泳いでいる。
 フライを回収して再びふわっとポシャン。
 チンはスッと動きを変えてぐるりと回りながらフライに食いついてきた。
 がっちりとフッキングしていることを確かめて動画を撮りながらリールファイトを楽しむ。これも昨日の嘉徳のチンと比べると二回り小さく、余裕のファイトだ。
 このチンは口先に上手くフッキングできていました。
 いやー、本日はこの2枚で救われましたね。(っとこの時はそう思った…謎)
 
 チン二枚連続ゲトで気をよくして、いよいよ噂のレコードポイントへ!
 まずはカンパチ&ガラの防波堤。。。。風が強くて釣る気になれません・・・。
 続いて、イセゴイ&カライワシの水溜まり…・キッキッタネー!
 なんじゃコリャの水質で、プランクトン観察したくなるようないい色合いになってます。
 ほんまにここかいな?っと思い、さかきさんに確認の電話をしてみると、やはリ間違いなくここらしい。
 しばらく釣りを試みたが、水面に浮かんだストリーマーに何か小魚がバイトしてきただけでフッキングに至らず、とりあえず釣りを止めて今夜の宿にチェックインした。
 一風呂浴びて夕食が終わり部屋に戻って、窓から防風林越しに水溜まりを眺めていると、なにやら騒がしいことになっている。さっそくタックル持って出動!
 水溜まりに着いて見ると、散発的ではあるがあちこちで水飛沫が上がっている。夕暮れが近づきどんどんと暗くなってくるにしたがって、スプラッシュの場所が特定の場所に集中し始めた。すぐにその場所が狙える所へ移動し、ストリーマーで水面はや引きするとバシュッっと何かが食いついてきたがフッキングしない。
 同じようなバイトが何度もあるのだが全然フッキングしない。合わせずに魚の重みが乗るのを待っていてもぜんぜん乗ってこない。瞬間合わせもダメ。何やっても全然手応なくフライが中を舞うのだ…。いったいなんなんだこいつ等は????
 
7/2
 朝一で水溜まりに出動!しかし・・・昨夜の狂宴は何だったんだ?
 朝食摂ってチェックアウトした後、カンパチ&ガラ防波堤でスコットG909/3HPで投げまくってみたが何の反応もなく、港内でハタかアラかわからない底魚が突然浮いてくるのを見ただけだった。
 この日はとにかく名瀬市内のイセゴイポイントを目指しながら途中の浜をくまなくチェックして見たのだが、小さなコトヒキがプルプルと竿先を震わせてくれるだけで、チンは全く見当たらなかった。
 それにしても道中の景色の綺麗なこと!峠越えはまるで渓流釣りにでも向かっているかのような林間のワインディングロード、海岸に出てからは絶景の連続。ふと振り返ると深い森に包まれた山。海も綺麗だけど奄美の魅力は山にもあることを再認識させられました。(でもハブいるから山には入りたくないな〜笑!)
 
 しばらくドライブを楽しんで、いよいよ本日のメインイベント!「漁港内に群れるイセゴイをゲットせよ」イベントです。
 ここは港の名前だけは教えてもらっていたのですが、具体的にどのあたりでどうだってのはアントンさんんの某ブログで紹介された時の写真の記憶だけが頼りである。
 そしてついにその場所を見つけ出した。
 なんとまあ、分かり易いというか、なんでこの船の下だけに群れてんの?
 
 早速フライを投入!
 一投目から三尾のイセゴイがバイトしてきた。。。。。っが、フックに乗らない。
 何投かすると反応が無くなる。パターンを変えるとまた何尾かが追ってくる。、、、でもやはり乗らない。
 間違い無く口を使っているのにフッキングしない。。。これがターポンか、、ふふふ!燃えるゼ!
 しかし心の炎は消えてしまった。船にフライを2本も引っ掛けてしまい。これ以上やると船の持ち主から苦情が来るかもしれない。地元の釣り人に迷惑がかかることになってはイケナイので(って既にその種が船に2本も引っかかってるよー)、自ら炎を消したのだ。
 
 次に入った某マー坊ぶちきられフラットでは不思議な魚を目撃した。
 サイズは20cmそこそこ、体型や色合いはシロギスっぽくて、背鰭がウグイっぽい感じ。尾鰭は深く切れこんでいる。フライへの反応はすこぶるよく、その動きがまさにボーンフィッシュなのだ。至近距離で見たその魚の目は、瞳の周りの白い部分がくっきりと目立ち、これまたボーンの雰囲気ぷんぷん。しかしボーンの稚魚にある横縞が全く無いのである。これまたセレクティブで、フライを追っては来るもののなかなか食いつかない。たぶんフライが大きすぎたんでしょうね。ひょっとしてこれが噂のツバメコノシロか?
 
 結局ここでも何も釣れなかった。
 しょうがない、今夜のオカズ獲りに行こう。
 二尾目のクロヒラアジを釣ろうという浅ましい魂胆で初日にクロヒラアジを釣った手花部へ車を走らせたのだった。
 
 最後の晩餐。
 東京から来たmnmさんとさかきさんと3人で食卓を囲む。
 さかきさんが市で採ったサザエや名前の分からない巻貝を食べ、タカサゴのカラアゲもウマ〜!、アオリイカもウマ〜!
 もちろん、この日の食卓にクロヒラアジが上がることは無かった。。。爆!
 そうこうする内にマー坊合流!。マー坊も私と入れ替わりで某漁港でイセゴイ狙ってたらしい。結果は、まあ表情からして聞くまでもないか・・・。
 とりあえず船に引っ掛けたフライの回収はマー坊にお願いして、ソースミソカツフライパターンネタで盛りあがり夜は更けるのであった。。
 
7/3
 最終日
 mnmさんは、コバンアジを釣りたいからホノホシに行こうか、それとも北方面を廻ろうかとぎりぎりまで迷っていたようだが結局ホノホシまで車を走らせることにしたようだ。わしは、飛行機の都合で大瀬とアヤマルしか考えていなかったのでまずは大瀬に行くことにした。。
 さかきさんとmnmさんと春男君に別れを告げ車を東へ走らせた。
 2年ぶりに大瀬海岸で又七塩毛鉤丸試八号を振る。
 っが、二年前と同じく南からの強風でキャスティングのコントロールがままならない。空港よりのリーフの際で沢山のチンがお食事中だったのだが、強風のおかげでなかなかうまくキャストできない。風上に廻りこむのは不可能。あきらめるしかなかった。
 続いてアヤマルフラット。ここが最後の釣り場となる予定だったが、途中で急に便意を催したため駐車場のトイレへ駆け込んだ。切れのいいウ○コだったのだが、釣りの方は踏ん切りがわるい。時間も少しあるので辺留へ移動した。
 ここではチンは全く見かけなかったのだが、最後のプチドラマ、そうオニヒラ登場です。
 十数分おきに定期的に沖から入って来てボラの群れに突っ込んでいる。
 ボラの群れに付いて移動しながらしばらく待ってはみたものの、結局一投もできずにタイムアップ、もう1時間あればなんとかできたかも・・・いややはりムリだったか?
 とにかく今回の遠征は最後の二日連日ボウズで終わった。
 
 レンタカーを返し、土産を買って飛行機に乗り込む。
 次は何時来れるか解らないが、イセゴイ攻略のために是非再来したい。それとオニヒラプチドラマもなんとかしたいもんだ。
 ぜったいまた来るぞ!っと土盛海岸を空から眺めながら心に誓うのであった。
 
 
 さかきさん、2夜も泊めていただいて大変お世話になりました。マー坊さん、アントンさん、晋作さん、mnmさん、たのしい談話ありがとうございました。
 今回は自分の見たい場所を最優先したため、現地の方と釣りをする機会に恵まれませんでしたが、次回は是非ごいっしょしましょう。。
 特にイセゴイ攻略を・・・。
 
 
20070706:up
 
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