I-O DATA SCSIボード SC-98V に 「DIV0ROM」機能を追加するパッチ

SC983PAT Version 1.00

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【1.このプログラムの目的】

 オンボードでIDE インターフェイスを搭載した1997年中期以前のデスクトップ機では、4.3GBの容量上限があります。これを超える容量のディスクドライブを接続するだけでハングアップして起動できなくなります。しかし「ゼロ除算例外停止回避」「div0ROM」機能のあるROMボードを搭載すると、これを回避でき、容量をクリップする必要もなくなります。  とは言うもののROMボードを用意するのもコストがかかりますし、SCSIボードを単に流用するともとのSCSI機能が使えなくなってしまいます。しかしSCSIボードのROMの一部にこの機能を埋め込めば、SCSIボードとしても普通に使うことができて一石二鳥です。ということで制作したのが本ツールです。

 対応するのはI-O DATA機器製のSMIT方式SCSIボード、SC-98III でBIOSバージョンが1.04のものです。これ以外のボード、BIOSバージョンには対応しません。

【2.準備:I-O DATAサイトからダウンロード】

 最終版BIOSの1.04は「差分データ」としてダウンロードできます。データイメージを取り出すには製品に付属の元のフロッピーが必要なようです。

 フロッピーにはBIOSというフォルダがあり、その下に、SC983UP.COMSMIT.BIN が少なくとも存在しています。これらがあるカレントディレクトリ上で SC983UPを実行すると、SMIT.BINがボードのROMに書き込まれる仕組みとなっています。

【3.使用法】

 本プログラムを解凍して得られた SC983PAT.EXE を SC983UP.COMSMIT.BIN と同じ ディレクトリ上で実行します。ファイルが見つかれば SMIT.BIN にパッチが当たり書き換えられます。もとのSMIT.BIN は SMIT.ORG として保存されます。その後SC983UPを実行して書き込みます。警告が出ますが無視してよいようです。なお書き換え時にはPentium Pro(mate-R)より旧い本体機種で行ってください。

 ボードはもともとi486以上のCPUの機種が対応です。パッチ当て後も同様です。容量過大のIDEハードディスクを接続した場合、短いbeepが3回鳴動します。ハングアップはしなくなります。

 もともとの上限容量未満であればDiv0ROM機能は動作せず、メッセージやbeep音は一切出ません。動作しない場合については特にシステムへの影響もありません。

 本プログラムによって追加されたDIV0ROM機能の仕事は、どんな容量のディスクドライブをつないでもハングアップしないようにするところまでです。本来の容量を使い切る最適な動作のためには、IPLwareである 「IDE-BIOS-LBA-Patch」リウ様 twitter D@drachen6jp の作品)の併用をお勧めします。容量問題に限らず、とくにCompactFlashを使い場合には必須のツールです。 ただし既に4.3GB未満の状態で領域を確保してあった場合は、これで容量を拡張すると、CHSジオメトリが変動して認識できなくなってしまいますのでご注意ください。新規のディスクドライブの接続のときか、再フォーマットしないかぎり実質の容量を増やすことはできません。

【4.注意】

 オンボードIDEだけでなく、SCSIの容量過大にも機能します。例えば8191MBが上限のSCSIボード(SC-98Vもそうである)にそれ以上の容量のディスクドライブを接続してもハングアップしなくなります。

 Windows NTや2000のディスク管理では、本ツールのROMの動作後には ディスクドライブのBIOS上限容量以上の部分が見えてしまいますが、IDE-BIOS-LBA-Patch(IPLwareアプリ),壁超えSCSI(IPLwareアプリ)やEXIDE**(ROMアプリ) を併用しているのでない限り、絶対にその部分を追加で確保してはいけません。確保するとシリンダ番地0から確保されたとみなされて、元々存在している先頭パーティションが破壊されます。

 既に書き換えられているSMIT.BINに適用しようとすると、その旨の警告が表示され、実行を中止します。

想定されていない内容の場合も実行を中止しますが、所定箇所がゼロで埋まっているだけのチェックしか行っていないので、不正なBIOSデータでもパッチが成功してしまう可能性はあります。

 なおこのような動作となるのは、本ツールに元のSC-98IIIのBIOSデータが一切含まれていないためです。パターンの検出・比較を行っていません。そのためSC-98III BIOS 1.04のみに対応となり、他の機種にはまず適用できません。

 ソースファイルはsource.zipに封入添付します。

【5.お約束】

 SC983PAT.EXE はフリーソフトウェアとしますので、ダウンロードして実行することは自由ですが、著作権は作者である私にありますので、作者の意向に反する使い方は禁止とします。

 このソフトウェア全体を、不特定多数のダウンロードできる場所へ「転載」することも、禁止とします。しかしリンク先の紹介についてはなんら制限はありません。

 書き換えたSCSIボードを譲渡・転売・廃棄する際には、オリジナルのSMIT.BINで必ず再度元に戻す書き込みを行ってからとしてください。

 プログラムは、ある程度のテストを経て公開していますが、動作が完璧に行なわれるということを、作者は保証するものではありません。ユーザがプログラムを適用しことによる起動不能などのトラブルの補償には一切応じません。

 システムが起動しなくなったことや、それに付随した逸失利益、精神的損害について、作者は一切責任は負わないものとします。これらの点を了承できない方には、使用を認めません。

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[履歴]

日付    版  内容
2024-09-20 1.00 新規公開
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