1.【目的】
パーティションのファイルシステムがおかしくなって読み出せないときに使う、復活支援プログラムです。あまり動作テストをしていないし、テストをするのはいささか大変ですので、ずっとβ版です。
ハードディスクの各パーティション先頭のレコード(PBR)の内容が何らかの原因で破壊されると、そのパーティションのファイルが 読めない状態になってしまいます。だからといって、一般のフォーマッタを使うとFATなどのファイルシステムも初期化されてしまい 、復旧はできなくなってしまいます。しかしFATそのものは破壊されていない場合もあります。そのような場合、PBRのみを再構築すれば、パーティションのファイルシステムが復活できます。
本プログラムは、FATを初期化せずにPBRのみを再構築するプログラムです。動作にあたっては、パーティションテーブルが正常であることが前提です。また対象ファイルシステムはFAT16,FAT32のみです。NTFSや他のブートセクタは構造が同じではなく、その書式を知らないので、本プログラムの対象外です。
2.【使い方】
使い方は拙作フォーマッタソフト「FORMATX」と似ています。DOSのコマンドラインから実行すると、各パーティションのリストが表示されます。この中から、壊れていて読めないパーティションを選び、リターンキーを押します。本当に壊れているパーティションがある場合、「不正な領域」という警告が出ます。ただし壊れていても警告が出ないこともありますから、どのパーティションが壊れているのかくらいはご自身で把握しておいて下さい。
FAT32の領域であった場合は、クラスタサイズを尋ねられます。以前と同じ値を選んで下さい。以前と同じクラスタサイズでなかった場合、復旧できないばかりでなく、FAT自体を破壊してしまいますので注意して下さい。フォーマット時にとくにクラスタサイズを決めなかった場合は、マイクロソフトが定めた標準値になっているはずです。元のクラスタサイズが分からない場合は、本プログラムを使わないでください。二度と復活できなくなる覚悟で試すという場合は、クラスタサイズの大きいほうから試す手はあります。本プログラムを適用してみてファイルシステムが読めなかったら一つ下のクラスタサイズでまた試すというようにします(クラスタサイズの小さい方から試すと、失敗すれば確実に復旧不可能になります)。
適用後は、他の正常なパーティションまたはフロッピーからOS(Win9x)を再起動してください。再起動後にファイルが見えるようになっていれば、一応成功です。といってもFATが正常かどうかは未だわかりません。まずはchkdsk またはscandiskを実行してチェックして下さい。ただし結果の書き込みはいきなり行わないほうがよいと思います。
このプログラムでは、パーティションの先頭のレコードを復旧させますが、OSのブート用IPLコードまでは復旧できませんので、OSのブート用領域であった場合、ブートできなくなります。これは仕様です。Windows9xやDOSでしたら、SYSコマンドでブートIPLを書き込んで復旧させてください。
パーティションの大きさが64MB以下の場合や、FAT12であった場合には、適用できません。
3.【諸注意】
ハードディスクのどこがおかしくなっているのかよく把握した上で使って下さい。パーティションテーブルが破壊されているときには、このプログラムは意味を持ちません。
通常、ファイルシステムの破壊というと、パーティションブートレコードだけにとどまらず、FATも壊されていることが多いです。Scandiskやそれに類するファイルシステムチェッカーを適用すると、おそらく、「FATが予備のFATと一致していない」という警告が出ます。さらに「予備FATを使うことにするか」という問い合わせが出るはずです。多くの場合先頭部が破壊されやすいので、予備FATのほうが正しいことが多いです。といっても保証の限りではありませんが。
予備FATまで壊れている場合は、FATを復活させる別のソフトウェアが必要です(多くの場合有料ソフト)。しかもそれでも100%復活できるとは限りません。その手のソフトで復活できるのは、記憶場所のクラスタ番号が連続しているファイルのみです。
4.【お約束】
このプログラムはフリーソフトです。しかもβ版であり十分なテストをおこなっていません。使用した結果ファイルシステムが無事に復旧するという保証はありません。使用結果にはいっさい責任を負いません。そのことをよく理解した上でお使い下さい。
無事にファイルシステムが復活することを祈っております。