PC-98ハードディスクパーティションテーブルの復旧ツール

[ MkPtnTbl ] Version 1.12

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1.【目的】

 PC-9800シリーズのハードディスクで、パーティションテーブルを何かの理由で破壊してしまった場合に、FATやNTFS領域のパターンを見つけだして、パーティションテーブルを再構成するツールです。

 しかし、パーティションテーブルだけを復旧させても、ファイルシステム側が壊れている場合には、パーティションあるいはその中のファイルが読めるようにはなりません。すなわち領域の先頭部分が破壊されている場合には役に立ちません。ということをふまえた上で、お使い下さい。FATやNTFSの半手動復活は、別途そのようなツールを探して行なって下さい。

 ブートレコードを破壊する凶悪なウィルスプログラムにあてられてしまった場合、先頭の第一パーティションは助からない可能性が高いですが、それ以降のパーティションは、本ソフトで復旧できる見込みが十分あります。

2.【使い方】

 MS-DOSまたはWindows9xのMS-DOSモードで、コマンドラインから起動し、復旧させたいハードディスクドライブを選択して下さい。

 検索には相当時間が掛かります。FATやNTFS領域の先頭とおぼしきシリンダを見つけしだい登録して行きます。パーティションの名前などは失われていて判りませんので、[仮復旧領域01 ]というような名前で順番に作成します。

 パーティションの、FAT32,16,12, NTFS 属性については正しく処理します。とりあえず全ての領域を「アクティブ」「ブート可」にしておきます。

 なお、事前にマスターブートレコード(パーティションテーブル含む)のバックアップファイルを作成します。バックアップファイルは、拙作wMBRで書き込み可能なファイルです。もしうっかり間違ったドライブに適用してしまった場合にも、元に戻すことができます(ちょっと安全設計)。

 検索中に中止したい場合は、[ESC]キーを押して下さい。何もせずに終了します。

 検索が最後のシリンダ番号まで行くと、結果を書き込んでよいかどうかの問いが出ます。ここで[N]を押して中止すれば、パーティションテーブルへの書き込みは行われずに終了します(ちょっと安全設計)。

 ウィルスやWindowsプログラムのバグによっては、パーティションテーブルだけでなく、IPLや起動メニューもまっさらに消去されてしまう場合があります。そのような場合は、別のソフトウェア「IPL_menu」も実行し、IPLと起動メニューを復活させる必要があります。領域認識はできてもブートできないままである場合は、IPLや起動メニューが破壊されていないか確認しておいて下さい。IPLが破壊されているかどうかよく分からない場合、IPL_menuをとりあえず実行しておいても構いません(/F オプションを付けて実行)。

3.【諸注意】

● PC-9800シリーズでのみ動作可能です。PC/ATのDOSでは使用できません。

● 現バージョンでは、FATとNTFSパーティションのみに対応です。これら以外のファイルシステムは、検索できません。(2001.4.20現在、NTFSの検出可能性については動作検証していません)

● パーティションテーブルが正常な状態にあるディスクに対し、遊び半分に本プログラムを適用しないで下さい。本プログラムは、一旦パーティションテーブルをまっさらにしてから再構築します。従って、情報が完全に元に戻るわけではありません(そのためバックアップを作成するようにしている)。

● 領域のシリンダ番号の開始位置は正しいですが、終了位置は正しいかどうか判りません。パーティションのあとに未使用域がある場合、見かけ上本来より大きな容量になっている場合があります。また、以前に使用していたパーティションの残骸がこの領域の後方に存在した場合は、見かけ上パーティション容量が小さく表示されてしまいます。FAT,NTFSのファイルシステム側に記録されている容量は正しいので、そのままアクセスしてもまず問題ないですが、ディスク管理ツールやフォーマットプログラムによっては、この矛盾点を見つけだして誤動作する可能性があるので、バックアップを早めにとり、全領域解放の後、再度領域確保し直すようにして下さい。

● 相当以前に(一世代以上前に)使用していた、現在では使っていないパーティションの残骸をも拾い出して登録してしまうことがあります(これは仕様です)。即ち、元々あったパーティション数より多くのパーティションが登録されることがあります。DOSやWindowsを起動しても読めなかったり、chkdskコマンドを打つとエラーが多数みつかるパーティションがある場合は、このような残骸であった可能性があることに留意しておいて下さい(明らかに容量がおかしいパーティションがあるかもしれませんが、それが残骸なのか正当なものなのかは、パーティション容量では判断できません)。

 明らかに無効なパーティションは削除すればよいのですが、そのためにFDISKを実行すると、「管理領域不正」というメッセージが出て、処理を続行しようとしない場合があるかもしれません。とりあえずは、拙作actvptnなどを起動して、領域属性を「スリープ」にして、OSから見えないようにしておいて下さい(WindowsNT系のOSではそれでも見えてしまいます)。この場合も、早めにバックアップをとって、全領域の解放と確保のしなおしから始めるのが無難です。

● 4.3GB以上OKの機種で内蔵IDEハードディスクに適用する際は、容量拡大プログラム(拙作EXIDE32Gなど)を事前に走らせておく(動作させておく)必要があります。本ソフトの容量判断は、DISK BIOSのファンクションに従います。自力でIDEデバイス検索は行いません。<

4.【お約束】(無保証・無責任)

 本ソフトの著作権は、作者である「まりも」 が有します。基本的にコピーフリーなソフトとします。しかし不特定多数の人がダウンロードできる場所への転載は禁止とします。動作の検証はある程度行なっていますが、作者は、本ソフトウェアの動作を細部に至るまで保証するものではありません。いかなる状況下でも、本ソフトを実行・適用した場合における、損害(データの損失・機器の故障・利益の損失・精神的苦痛など)に関する一切の責任をとりませんので、予めご了承下さい。それに同意できない方は、本ソフトを使用してはいけません。

 本ソフトは、PC-9800シリーズのハードディスクのフォーマットの仕方に関する最低限の理解をお持ちの方を対象としています。MS-DOSコマンドの使い方やハードディスクのフォーマットの手順に関する基本的な質問はお断りします。

5.【改版履歴】

版    日付        内容
1.00  2001. 4.21  新規作成
1.02  2002. 2. 2  64GBを超えるディスクドライブの容量表示を修正
1.10  2003. 8. 6  正しいIPLが存在しない場合に、バックアップ作成で誤動作する問題を修正
1.11  2004. 9.21  MS-DOS 2.11で動くようにした(?)
1.12  2019.12.29  標準フォーマットされているディスクに適用できないようにした

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