PC-9821のハードディスクを完全複写するプログラム

[HDdup98 ] Version 1.23 使用説明書 

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【1】このプログラムの目的

 ハードディスクのコピーを行なうツールは、これまでにもさまざまなものがありましたが、「OSに関係なく全領域を一括して複写したい」という場合に便利な物がなかったように思います。NECのMS-DOSには 「HDUTL」というプログラムがあり、複写機能もあるのですが、これは、完全にサイズなどハードウェアが同一のハードディスクでないと使えませんでした。こうした要求から作られたのが、本プログラムです。

次のような場合に使用できます。


便利な反面、制約としては次のようなことがあります。


【2】基本的使い方

 ハードディスクのコピーですから、コピーする元(以下「コピー元」と呼ぶ)のハードディスクと、コピーを作成する側(「コピー先」と呼ぶ)のハードディスクを接続して下さい。

 MS-DOSまたはWindows9xのコマンドプロンプト起動、MS-DOSモード起動下で使います。コマンドラインから単に HDdup98 とタイプしてリターンキーを押すだけです。(現バージョンではコマンドオプションは /F がある:後述)

 走り出すと、まず次のメニューが出現します。

コピーのハードディスクを↑↓で選択し、リターンキーを押して下さい.

これはハードディスクが2台以上ある場合に出現します(1台以下ではコピーできませんから、エラーとなります)。コピー元のドライブを選択して下さい。次に、

コピーのハードディスクを↑↓で選択し、リターンキーを押して下さい.

と出ます(1台しかない場合は自動的に選択されます)。既にコピー元として選択した以外のハードディスクが表示されますから、選んで下さい。

 あとは、エラーや警告応答が出ない限り続行し、コピーが完了します。
(念のために、コピー元のパーティションリストを表示し、確認を求めます)
コピーが終了したら、システムを再起動する必要があります。

 OSによっては、コピー元のハードディスクを取り外し、それと同じ位置(SCSI ID, IDE port)にコピー後のハードディスクを接続しないと、正常に起動できなかったり、ドライブレターの割付けがおかしくなることがありますので、注意して下さい。基本的に、元のハードディスクとの交換、バックアップを目的として使って下さい

★ 応用的使い方(V1.10で追加)

 PC/ATで使用していたディスクのコピーを、98上で行ないたいなどという場合は、98パーティション構成かどうかを無視して、コピー元の先頭から終了までをコピーする必要があります。起動時コマンドオプションとして /F をつけると、パーティション構成を無視して強制的にコピーします。コピー元の容量がコピー先より大きくない場合に、コピー可能です。大きい場合も、警告が出ますがコピーできます。ただし当然収まらない部分のデータは失われますので実際に使っている領域が、小さい方のディスクよりも大きくてはいけません。ご自身でよく把握したうえで運用して下さい。

★ 応用的使い方(V1.20で追加)

 オプションスイッチ /S を付けて実行すると、PC-98のWindows2000のディスク署名(シグナチャ)の部分をコピーから除外します。このオプションを使うべきかどうかについては、【3】諸注意の最後のところを読んで判断して下さい。

【3】諸注意

・くれぐれも、「コピー元」「コピー先」とを間違えないようにして下さい。 コピー先ハードディスクの古い内容は、すべて消えてしまいます!!。

・コピー元ハードディスクは、PC-98の起動ディスクとして正しい内容になっていない場合、つまりパーティション(領域)の存在が確認できない場合は、処理を行ないません。ただし、コマンドオプション /F をつけた場合は、内容がいかなるものであっても、コピー元の先頭から終わりまでをコピーします(V1.10で追加)。

・コピー先ハードディスクは、まっさらな状態でも、不要のデータが存在して使用中の状態でも、かまいません(コピーすれば上書きされますので)。

・一旦コピーが開始されると、コピー先側ハードディスクの内容は、二度と元には戻せません。処理中にESCキーを押すと中止してスキップできますが、コピー内容はデタラメな状態のままですから、各領域は再フォーマットする必要が生じます。

・既に【1】で述べたような制約がありますから、それに該当する使い方はしないでください(エラー終了になります)。

・ハードディスクの読み書きでI/Oエラーがあった場合、システム領域でなければ処理は続行します。エラーの報告が出た場合は、コピー後のデータのうち、当該領域のデータは不正な内容を含むと考えておいて下さい。エラーが報告された場合は、その領域だけは、別途ファイル単位でのコピーツールでコピーすることが必須です。でないと、どのファイルに読み書きできない部分があったのか分からないからです。

Windows9xやOS/2の DOS互換BOX(DOS窓...全スクリーンモード含む)では使用できません。

・このプログラムでは、領域として未使用の部分はコピーせずパスしますが、 領域の中の使用/未使用域を判別することはしていないので、DRVCPYに 比べると、一般に処理に時間がかかります。ファイルの使用率に関係なく、 処理時間は、コピー元と先のディスクの単位容量あたり転送時間に比例し (つまり転送速度に逆比例)、領域の総容量に比例する、と考えてよいです。

【重要】1.12 で記述追加

 Windows2000(PC-98版)の起動領域を含むディスクドライブを複製した場合、次回に Windows2000を起動するまえにどちらかのディスクドライブの接続は解除して下さい。 Windows2000では、(コピーした)同じ値の「ディスク署名」を持つディスクドライブが複数接続されていると、どちらかの署名値を変更して、新たなドライブレターを割り振ります。このためディスク署名を書き直されたドライブは、元のドライブレターで起動することができず、永久にログインを繰り返すという症状になってしまいます。 とりあえずディスク署名の部分はコピーしたくないという場合には、オプションスイッチ /S を付けて実行して下さい。後で正しい署名値が必要になった場合には、別のソフトW2KSGNで署名のみのコピーもできます。

【4】お約束

 本ソフトの著作権は、作者である「まりも」 が有します。基本的にコピーフリーなソフトとします。しかし不特定多数の人がダウンロードできる場所への転載は禁止とします。電子メールでお問い合わせ下されば、許可をすることもあります。

 動作の検証、特にコピー後の同一性のチェックはある程度行なっていますが、作者は、本ソフトウェアの動作を細部に至るまで保証するものではありません。

 いかなる状況下でも、本ソフトを実行・適用した場合における、損害(データの損失・機器の故障・利益の損失・精神的苦痛など)に関する一切の責任をとりませんので、予めご了承下さい。それに同意できない方には、本ソフトを使用してはいけません。

          まりも(メール連絡先はホームページ上に記載)

【5】改版履歴

年月日   版  内容
2002. 4. 2 1.00 新規作成
2002. 4. 7 1.10 98フォーマットでない場合でも無条件コピーする機能追加
2002. 4.22 1.11 大きなHDDから小さなHDDでも無条件コピー可とした(警告あり)
2002. 9. 1 1.12 コピー不可能な場合のエラーメッセージ修正
2003. 5.10 1.12a UIDE-133/98 bigなdriveを考慮してBIOSヘッド数3桁表示に
2004. 9.21 1.13 MS-DOS 2.11でも動くようにした
2007.10.24 1.14 コピー[元]と表示すべきところが[先]になっていたメッセージを修正
2007.10.25 1.20 Windows2000のディスク署名をコピーから除外するオプション /s を追加
2018. 1.23 1.23 ESCを押したとき次のパーティションのコピーに行かず即終了するようにした

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