独断的JAZZ批評 836.

KENNY BARRON
どこから切り取ってもいぶし銀!
"THE EXCELLENT STANDARD JAZZ COLLECTIONS VOL.1 & 2"
KENNY BARRON(p) 
2012年2月 スタジオ録音 (EIGHTY-EIGHT'S : EECD-8804〜8805)


前掲のレビューで、いいピアニストはいいソロ・アルバムを持っていると書いたけど、このKENNY BARRONを忘れていた。BARRONには3枚のソロ・アルバムがあるというが不覚にも1枚も持っていなかった。
本アルバムをゲットしてから過去の3枚のうち2枚をゲット出来た。1枚はamazonで最後の1枚であったし、もう1枚は最後の2枚だった。追々、紹介したいと思う。
翻って、本アルバムは同時発売の新譜2枚である。2枚組ではない。1枚1枚独立したアルバムだ。録音日も同日。多分、買いやすいように1枚ずつにしたのだと思う。
このEIGHTY-EIGHT'S LABELは高音質を謳い文句にしている日本のレコード会社。その筋では有名な伊藤八十八氏がプロデュースしている。最近、レビューしたTHOMAS ENHCOの"JACK AND JOHN"(JAZZ批評 830.)やHANK JONESが90歳で吹き込んだという"BLUE MINOR"(JAZZ批評 629.)もそうした1枚。

VOL.1 "BEAUTIFUL LOVE"
�@"BEAUTIFUL LOVE" 
大好きな曲の一つ。小細工なしに正面から弾いているのがいいね。いいテーマがあり、いいアドリブがあれば、それだけで十分。
�A"BODY AND SOUL" 
定番バラードもこの人の手に掛かると生き生きと瑞々しい。
�B"UP JUMPED SPRING" 
トランぺッター・FREDDIE HUBBARDの曲。
�C"DON'T EXPLAIN" 
僕の中ではこの曲というと、WYNTON KELLYの"PIANO"(JAZZ批評 11.)を思い出す。聴き比べてみるのも面白い。
�D"WELL YOU NEEDN'T" 
BARRONが尊敬するT. MONKの曲。
�E"SKYLARK" 
これも大好きな曲だ。原曲の美しさがそのままストレートに表現されている。
�F"AUTUMN LEAVES" 
いきなりアドリブから入り最後にテーマが出てくる。
�G"LOVE WALKED IN" 
G. GERSHWINの曲。ミディアム・テンポで楽しげだ。左手のベース・ラインが躍動している。
�H"MEMORIES OF YOU" 
フリー・テンポからイン・テンポに。
�I"LULLABYE" 
唯一のBARRONのオリジナル。

VOL.2 "MY FUNNY VALENTINE"
�@"SUMMERTIME" うねるようなイントロからテーマへ。このグルーヴ感が何とも言えない。
�A"HAVE YOU MET MISS JONES?" 
ミディアム・テンポでスイング。左手のベースラインがいいね。指でも鳴らしながら聴きたいものだ。
�B"BLACK ORPHEUS (MANHA DE CARNAVAL)" 
ボサノバ・タッチも素晴らしい。教科書通りのコード進行で進む。マイナス・ワンでベースの練習にいいかも。BARRONと共演だなんて最高だ。
�C"EMBRACEABLE YOU" 
G. GERSHWINの名曲もカラッと陽気に弾いているのがいいね。
�D"MACK THE KNIFE (MORITAT)" 
この曲はSONNY ROLLINSの"SAXOPHONE COLOSSUS"の演奏が有名だけど、この演奏も名演の一つに加えたい。やっていることはシンプル。いいテーマがあり、いいアドリブがある。
�E"CALYPSO" 
BARRONのオリジナル。カリプソ風の爽やかな演奏だ。
�F"FLY ME TO THE MOON" 
原曲は3/4だが、4/4で演奏している。
�G"MONK'S DREAM" 
T. MONKの書いたブルース・フィーリング溢れる32小節の歌モノ。
�H"I THOUGHT ABOUT YOU" 
ミディアム・テンポでグイグイ、スイングしている。アルコールが美味しくなること間違いなし!
�I"MY FUNNY VALENTINE"
 最後はRICHARD RODGERSで締め。

タイトルにある様に、VOL 1.もVOL.2もスタンダード・ナンバー集である。
どこから切り取っても素晴らしい!まさに職人気質。やっていることは極めてシンプル。SIMPLE IS BEST!を具現化した。楽曲の素晴らしさをそのまま生かしたアドリブがいいね。

どこから切り取ってもいぶし銀のピアノ・ソロが楽しめるということで、「manaの厳選"PIANO & α"」に追加した。これまた、冥土の土産に持っていきたいアルバムだ。
ピアノ・ソロで2枚は重いという方は好きな楽曲の入ったほうを選べば良いと思う。   (2013.12.02)

参考サイト : http://www.youtube.com/watch?v=YA51U7ceSKg
          このYouTubeは1990年のライヴ盤から"SKYLARK"


.