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| 『アイ・ワズ・ア・ストレンジャー』(I Was a Stranger)['24] | |||||
| 監督・脚本 ブラント・アンダーセン
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| 先ごろ観たばかりの『オールド・オーク』['23]に出て来ていたシリア難民のヤラたち家族の負っていたものを生々しく映し出していて圧巻だった。 トランプ・インターナショナル・ホテル・アンド・タワーの聳えるシカゴの病院での2023年4月24日から始まった本作の最初の章が「医師」で、ちょうど八年前のシリアのアレッポに跳んでいたから、誕生日の爆撃で難民となったアミラ医師(ヤスミン・アル・マスリー)は、アメリカで女医をしているのかと思いきや清掃員だったことに吃驚した。でも、きっとそういうものなのだろう。思えば三十年余り前のことだが、アメリカで医療に従事していた弟から聞いたところでは、アメリカで臨床医をするにはアメリカの医師免許を取得しておかなければならず、州によっては国家免許では足らず、州の医師免許を持っていないと臨床医療に従事できないとのことだった。 そのアミラ医師を軸にした第1章に続くのが、4時間前の話として出てくるシリア軍兵士ムスタファ(ヤヤ・マヘイニ)が軸になる第2章「兵士」。そして、一か月後のトルコでマルワン(オマール・シー)が荒稼ぎをしようとしていた第3章「密航業者」へと展開していっていた。アミラたちと共にギリシャへの妻子連れでの密航に挑んでいた第4章「詩人」のファティ(ジアド・バクリ)の息子の死が痛ましく、第5章「船長」でのギリシャの沿岸警備隊員スタヴロス(コンスタンティン・マルクーラキス)の職務を超えた人道主義に立つ使命感が印象深い。 各章ともに親子関係が設えられていたが、特に目を惹いたのは「兵士」でのムスタファと父親との関係、そして、「密航業者」でのマルワンと息子の関係だった。 また、「兵士」に描かれた、軍隊が守ろうとするのは国家体制であって国民ではないどころか、反体制的と見るや少年の落書きに対してさえ銃殺で報いる有り体に、国民生活を脅かしてまで行おうとする軍備・軍隊の増強など以ての外だと改めて思った。そのようなことを目論む体制とは即ち、国民軽視の国家主義体制に他ならないからだ。 | |||||
| by ヤマ '26. 7.20. キネマM | |||||
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