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 光速度もベクトル合成できるか
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  K大学M物理学名誉教授とG大学G教授御両名は「光速度もベクトル合成されるべきだ」というお考えですが、私は「光はベクトル合成されるべき性質のものではない」としています。
  あるネットの「掲示板」にも、この問題が提起され、「光もベクトル合成できる」というのがベストアンサーとして掲載されていました。(このベストアンサーは光行差の現象を引き合いに出していますが、考え違いをされています)
  
  もし、「光速度もベクトル合成されるべきだ」という考えが正しければ、アインシュタインの特殊相対性理論は間違っています。
  
  になるからです。 
  こういう観測データはないし、光速度は光源の運動には依存することなく一定値 c であることが、理論的にも(マックスウェル電磁方程式の解の一つ)、実験的にも確証されているので、「光はベクトル合成されるべき性質のものではない」という私の考えは正しいと確信します。
  
  例えば、大地を基準にして等速直線運動している車(速度 v )から光を前方に発射した場合、光速度は(大地を基準にして)c+v となりますか?ならないです。いかなる v であろうとも、光速度は c のままです。これは c と v はベクトル合成出来ないことを示しています。
  
  同じことですが、地球から月に向けて発射したレーザーの速度は(c+何とか)になりますか?ならないです。c に変わりはありません。ここで「何とか」と書いてあるのは v は不明だからです。地球や月、太陽、太陽系、はたまた太陽系のある我々の銀河は宇宙空間を途轍もない速さで運動しているので地球や月の速度というのは、何かを基準にして語らないといけないからです。何を基準にするかで如何様にでもなります。そして如何様な v でも c に変わりはありません。これは c と v はベクトル合成できる性質のものではないことを示しています。
  
  註:この 光速 c 不変則はマックスウェル電磁方程式の解の一つであり、アインシュタインの「光速度不変の原理」とは違うのですから混同しないでください。
  
  アインシュタインの光速度不変の原理というのは「いかなる座標系でも光速度は一定値 c である」という仮定でして、それと、もう一つ「そうはならない。光も物体と同様にベクトル合成出来る」という特殊相対性原理という仮定とで、特殊相対性理論が構築されています。
  この2つの仮定は互いに矛盾しているので、アインシュタインは(c+v)は c になる、(c−v)も c になるという算数を作りました。(c+v)と(c−v)は特殊相対性原理から、そしてどちらもc になる、というのが光速度不変の原理です。これが有名な “アインシュタインの速度の加法則” です。相対論物理学者は全員、これは正しい考えだと思っていますが、私は、そうは思っていません。
  
  もう一点、例としてご説明しますと、動いているバットでボールをホームランした場合、ボールの速度は打った人の力によって変化します。しかし、動いている鏡に光を懐中電灯から力一振って照射しても反射光の速さは変化しません。方向が変わるだけで光速は c のままです。これは光はベクトル合成されるべき性質のものではないことを示しています。
  
  物体の力学と電磁力学は異なるものだということを分かり易く説明している「マックスウェルとアインシュタインの論争」(Justin Manning Jacobs著 "Relativity of light" から)をお読みくださることを希望します。
  
  物体の運動力学と電磁力学をごちゃまぜにしたのが特殊相対性理論です。1905年、全世界の科学者が「ごちゃまぜにして良いものだろうか」と悩んでいたとき、アインシュタインが「やっちまった」のです。アインシュタインはこういう「統一」がお好きだったようです。のちに「重力場と電磁場を統一しよう」と、「統一場理論」を目指しましたが、失敗に終わっています。男性も女性も子供が産めるようにしようと言うのと同じです。そういう手術をしてはいけません。神の意に反します。
  
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  3人の読者から「c と v はベクトル合成できない」とのお便りを頂戴しました。「ヤフー掲示板のベストアンサーなど話にならん、相手にするな」という内容でした。
  
  人々は小さな間違いならば、すぐ気が付くが、ワケの分からない大きな間違いには怖れをなして信じてしまう傾向があります。ましてや、その間違いが多数決によって正しいとされてしまうと、もうにっちもさっちもいかない世界に流されて行きます。
  
  端的な例が「5人殺すと死刑になる」が、「戦争で5000人殺せば勲章が貰える」です。毛沢東なんぞ何千人も殺したのに英雄として奉られています。
  
  一般相対性理論によれば、私たちの居る宇宙は地球が(ハッブル宇宙望遠鏡が)中心で、半径138億光年の大きな球形の時空だそうです。
  空間が膨らんでいて、ちょうど光速になって時間がゼロになっている端っこが宇宙の果てだそうです。その向こうは何かという問いをしてはならない、と言われています。
 ・・・・・こういう神っている天動説を信じるのは科学を否定するものだと私は思っています。
  
 【緊急追加】Fさんへ:2017年1月29日
  私はハッブル宇宙望遠鏡による観測(赤方偏移)が間違っているとは言ってないです。立派な観測結果です。その観測結果を特殊相対論に当てはめているから、おかしな宇宙論になっている、と述べているのです。
  遠い銀河ほど赤方偏移が大きいのは「量子エネルギー効果」によるものだ、と力説しているのですが、現在の天文学では、この式を使おうとはしていません。私のトップページに詳細を書いてございます。
  
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  別件ですが、ある読者から、「 c’= c−Vcosθ の分かり易い例を教えてください」というお便りがありましたので、
 左図にNHK出版「エレクトロニクスライフ誌」1993年3月号〜5月号連載にて発表しました解析図面を示します。
  この図は分かりやすくするために、乗組員が光速を測定する運動系が極端に高速で(光速の約70%、秒速約21万kmで運動しています)、そのため光軸(基準系)を随分と傾けて書きました。
  また、V とは何に対する速度かという事がいつも問題になります。
  c−Vcosθ 説では左図で分かるように、“光軸” に対してです。これを基準系と定義したもので、光速度は c です。この光軸に向かって運動系が速度 V で突っ込んでいる図です。
  具体的に言うと「この運動系の観測者が、やって来る光を観測すると、その光速度は c ではなく、c’=c−Vcosθ となる」という説です。
  新しい説を提唱しても、なかなかすぐには理解できないでしょうが、これは「2つの座標を関連付ける数学」でして、数学者はご存じですが、相対論物理学者は、ご存じないです。
  
 またまた質問が来ました。大学生だそうです。
 「段々と分かってきました!相対論は窪田さんの前では形無しです。最後の一つ、宇宙空間を飛んでいる観測者(運動系)の速度Vというのは、どうやって分かるのですか?相対論では等速直線運動は絶対静止と考えて良い、となっていますね。だからV=0ですが」
 窪田:良い質問ですね(*^_^*)。
  
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  質問者YさんとKさんに、もう一度分かりやすい図面を示しておきます。
  
  左図は多くの特殊相対性理論の教科書に準じてXY 系を基準系にとって、それに対して運動系がX 軸の正の方向に等速直線運動する図です。
  
  t=0の瞬間に原点O からY 方向に光を発射すれば、t 秒後に受光部で受光できる、となっているのが「アインシュタインの特殊相対性原理」と呼ばれる仮定です。
  K 大学M物理学教授は、「これは仮定ではない。“原理”だ」としています。
  なぜ、そのように考えるかというと、「物体を投げればそうなるから、光でもそうなるはずだ」、あるいは、「すべての慣性系は絶対静止と区別は出来ないからだ」、また別の言い方で、「ガリレオの相対性原理は光にも適用すべきだ」としているからです。
  
  非常に重要なポイントですので、この事をよく頭に入れてください。アインシュタインの特殊相対性理論の出発点になっている仮定ですので、本当にしっかりと頭に入れてください。
  
  しかし、架台が動いていると、受光部で受光できないのです。光は真っ直ぐにY 方向に飛んでいくため、t 秒後に受光部で光の先頭を受光できません。受光するためには、左の図のようにあらかじめ光線軸を θ だけ傾けて発射しなければなりません。
  K大学M物理学名誉教授は、「傾けなくてもよいのだ。ほっといても θ 方向に飛んで行くのだ」と反論していますが、そういう実験事実はありません。
  またM教授は、「マイケルソン・モーリーの実験で実証されている」と反論していますが、マイケルソン・モーリーの実験は光線軸が0.01度(?)、いやいやとても測れないだけの微小角度の誤差があります。この図は分かりやすくするため極端に光線軸が傾いていますが、実際には微小角度傾いているので、正確な π/2 ではないのです。トップページをご覧ください。
  
  
  
  
  光線軸を傾けてなければ、「鏡」が傾いています。「鏡」が傾いてなければ、「架台全体」が傾いています。
  というより、装置はこれらが組合わさっています。
  他ページでも説明しましたが、マイケルソン・モーリーの実験は鏡を多数並べて、1秒間に1300万回余の往復反射させている “干渉縞実験” です。
 多数の鏡はうまく往復反射するように微妙に、そして精密に調整されています。
  
  なお、すでにお気づきのように、左図は架台が光速の約49%、秒速約14万7千kmで運動していますが、理解しやすいようにこのように極端に実験装置を高速で描きました。
                           (2001年12月9日
  
  
  
  
 山形県の美濃さんへ(2002年12月16日)
  その通りです。美濃さんのご理解が、c’= c−Vcosθ 説です。運動系が観測した光速が c’>c となることはありますが、それはあくまでも、見かけ上の光速度であり、実際に運動系のVが光速 c を超えることが可能かどうかは、私は判りません。あるかも知れないし、無いかも知れない。
  ちょうど光速になった場合を、次にアニメで示しておきます。
  
  ついでに特殊相対性理論では運動系が光速を超えることは出来ない理由があるので、それをアニメで示しておきます。
 トップページのFig.1「L、vt、ct、光の直角三角形」の視点を変えて描いたものです。非常に奇妙な図ですね。
  
   上図:特殊相対性理論の場合。
  ご覧になってお分かりのように、運動系(含光源)が光速で移動すると、発生する球面波は常に光源内にあり、光源から外に出られないですね。だから、もし特殊相対論が正しければ、光源は大爆発するだろうと思っています。2002年12月16日
  
   下図:c’= c−Vcosθ 説の場合。
  
  運動系が球面波を発射直後に、基準系(静止系)から光速以上で離れて行く事は、将来何百年後か判りませんが、あり得るかも知れない。ロケットの推進力の問題ですね。
  
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