特殊相対論の理論構造・「涙に濡れた本」
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 アインシュタインの特殊相対性理論は、次のつの “仮定” から構築されています。日本では “原理” と称されますが、普通諸外国の原書では “assumption” と書かれています。
 
)特殊相対性原理
 
 これは、物体の運動法則である「ガリレオの相対性原理」は光にも適用すべきだ、という仮定のもとに設けられたものです。
 
 ガリレオの相対性原理によれば、図に示すように、等速直線運動している系で、運動系が A から C 方向に ”物体” を投げると t 秒後に C’ に届きます。これは速度のベクトル合成則に基づいたもので、正しい物理現象です。
 基準系座標では物体は A から C’ に飛んで行ったようになり、運動系座標では、物体は A’ から C’ に飛んできたようになります。これらつの座標(基準系と運動系)は、「ガリレー変換」によって結ばれます。勝手につの座標を結んでいるのではなく、数学的に正しい変換です。
 
 アインシュタインの特殊相対性原理と呼ばれる仮定は、“光” も上の図と同様になるとされるもので、図のようになります。すべての相対論の教科書に、この事が書かれています。
 しかし、“光” は、このような伝播をしないことが現代ハイテクレーザー技術、量子オプトロニクスでは分かっています。
技術の進歩は明治時代に考えられたアインシュタインの仮定を遥かに越えています。だから、この図は間違っているのです。
これを正しいとすると、奇妙な間違った理論になってしまいます。それを次の()以降に示して説明します。
 
 正しい伝播の仕方は、図です。見て判るようにつの座標は異なっています。これを勝手にごちゃまぜにしたのが次に述べるつの “原理” です。
 
)光速度不変の原理
 
 アインシュタインの光速度不変の原理という仮定は、すべての座標系で、光速度は常に一定値 であるというものです。
 
 
 図で示すと、図のようになります。
t=0の時点で、A と A’ は一致していて、A で光(球面波)を発射し、t 秒後の光の先頭波面を示したものです。
 運動系で波面になっているのは、先に説明したように、「特殊相対性原理」なる仮定によるものです。
次に「光速度不変の原理」によると、基準系での図である AC’ は、AC’ = ct です。
 一方、同じく「光速度不変の原理」によって、運動系での図である A’C’ は、A’C’ = ct’ であるとされています。
つまり、基準系と運動系では「光速度は同じ c で、時間が異なって t と t’ になる」とされているのです。
 なぜそのようになるかは、「距離が異なっていても “光速度不変の原理によって”、同じ光速度 c で飛ぶから時間が違ってくるのだ」と相対論の教科書には書いてあります。
 
 そして基準系と運動系はローレンツ変換によって結ばれます。しかし現代量子オプトロニクスでは、このような波面は存在しないことが分かっています。波面は “波面2” だけです。つの異なった座標を勝手にごちゃまぜにしているのが、これで判ります。
 
 アインシュタインが勘違いしたのは、マックスウェル電磁力学から得られる光速一定を「光速度不変の原理」にしてしまったのが失敗の原因だろうと思っています。
 
c−Vcosθの発見 
 
 わたしは「距離の異なるところを同じ時間 で飛ぶのだから、見かけ上、運動系では光速度が違ってくると1992年の春に数式とともに発見しました。仮定は何もしていません。近似式でもありません。つの座標を関連付ける数学です。これは数学者はご存知ですが、相対論物理学者は現在でも理解出来ていません。どのような考察から得られたのかは、トップページをはじめ、拙筆HPの至る所に書いてございます。
 発表したのは、ほぼ年も経った翌1993年でしたが、なぜそんなに遅くなったかの理由は自伝に書いてございます。
c’= c−Vcosθ 」です。A’C’c’t となります。
 
)特殊相対性理論は間違っています
 
 以上のように、特殊相対性理論を構築するためのつの仮定(要請)は互いに矛盾しており、光は物体を投げたようにはならないことが分かっており、すでに特殊相対性理論は破綻しています。
 にもかかわらず、「特殊相対性理論は正しい」と錯覚するのは、基準系と運動系がローレンツ変換で結ばれて計算され、近似的にニュートン力学になるからです。
 
 物体の運動と光の伝搬は根本的に異なるのです。
 
 これをアインシュタインはごちゃまぜ同一とみなしたのです。アインシュタインの特殊相対性原理という仮定です。
仮定する事は自由です。だれでも出来ます。しかし、これで理論を作る場合、正しいかどうかを実験で確認しなければなりません。アインシュタインはそれをしないで、「こうなる筈だ」と “思考実験” で推し進めたのです。
 なおローレンツ因子はローレンツがエーテル仮説を説明するためにポアンカレと一緒に考え出した式ですが、現在では空間にエーテルという仮想物質は充満していない、と観測から実証されているので、すべてが “水の泡” となっています。
 
 アインシュタインは “統一する” という事にこだわったお人です。例の「統一場理論」が有名ですね。重力場と電磁場を統一して統一場理論を作る、という夢。夢を持つのは良い事です。しかし出来ない事をやろうとするのは早計です。重力はニュートン力学で、電磁場はマックスウェル電磁力学です。
 特殊相対性原理も同じですね。「ニュートン力学の物体の運動」と「マックスウェル電磁力学における光の伝搬」とを
“統一” したら、特殊相対性理論が出来た「よし今度は “場を統一” しよう
 
 しかし、ニュートン力学の重力は “場” ではないです。一方のマックスウェル電磁理論は “場” として理論を組み立てる事が可能です。こういった違いがあるのをアインシュタインは果たして基礎から勉強したのか疑問です。世界中の数学に長けた数学者が挑戦しましたが、結局 “無理” ということで、この “夢” は現在は頓挫しています。
 
 手元に大学年生の時購入した統一場理論の書があります。『Einstein's Theory of Unified Fields』M.A.Tonnelat/GORDON AND BRESCH Scince Publishers New York です。日本円で¥4,200と書いてあります。当時の高校卒の月給金額です。こんな高価な、そして分かりもしない本をなぜ買ったのか、その日の事をはっきり覚えています。この書を推薦するアインシュタインの文面が冒頭にあるのですが、そこに「“God is sophisticated but not malicious”−Albert Einstein」と書いてあったからです。いかに当時僕がアインシュタインに憧れていたかが、判ろうというもの。もう寝ても覚めてもアインシュタインだった。・・・あれから何十年も経たいま、たった一本の矢 c−Vcosθ で、あなたを矢表に立たせるとは、それこそ “夢” なのでしょうか。アインシュタインさん、どうしますか?一直線にあなたに向かって矢が飛んでいます。
逃げますか?立ち向かいますか?どちらでも結構です。私はあなたを心から慕っていたのですから( 涙 )。現在齢84
 
 涙に濡れた本                                                   2024年12月13日
 
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