坑道跡 探検: 北の細道 坑道跡

Sr鉱山跡で銅青に囲まれる




  鉱山の発見は偶然の産物によることも多い。
例えば南アフリカのキンバレー鉱山は一商人が偶然ダイヤモンドを拾ったことから発見に至った。
また三池炭鉱も一農夫の焚火から、
北アメリカ東部の油田は飲料水用の井戸から偶然重油が沸いたことによる。

迷信による発見も多く、山ケ野鉱山は神のお告げにより発見されたとされるし、
ダウジングのように二又のハンノキが鉱床に向かって下がるとか伝承によるものも多い。

ただし工業的に鉱床を探す場合や既存の鉱山の新鉱床を開発する場合は、
偶然の機会に頼るわけにはいかない。
新鉱床の発見のためにまずはその土地の地質や地形を文献などから
調査し目的の鉱物の存在を確認、推論しなければならない。

その後、鉱物の存在が予想される場合は現地調査を行うこととなる。
地形、地質、鉱床の表徴による土地の色、鉱泉、ガス、特殊動植物の存在、
地名、繁茂の状況など多岐にわたって調査する必要がある。

金属鉱物以外の主要成分鉱物についても検証することとなる。
それが石英なら風化に対して強く、方解石のような鉱石なら風化の影響を受けて溝ができる。
また含む鉱物の種類により色合いも変化し、銅鉱のある部分の沢は青色に近く、
苦みがあり魚も住んでいない。
また、硫化鉄のある場所では川底の砂が褐色になっていることも多い。
佐渡金山のように鉱床が光を発したとの逸話もあるが、
これは有機物や水がリンを含む鉱石と反応して火を生じたのかもしれない。

このように地表の表徴によって内部の鉱床を発見するためには、
その一部が地上に出ている部分、つまり露頭の発見が重要となる。
もっとも一般的な方法は沢を遡ることで、転石を探して鉱床の存在を確認するのである。


今回は山中深くの坑道跡だ。
多数の分岐、それも上下に分かれる複雑な蟻の巣状の坑道が延伸する。
頭の中で位置感覚のゼロ合わせを頻繁に行わないと、
方向観念を見失う風景だ。
4時間に及ぶ坑道内の探索をご覧いただこう。

緑青・支保工・地底・・・



坑道
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