| 2月19日(木) 雪のち晴れ |
最低気温-4℃。最高気温+3℃。
暖かい朝でした。雪予報でしたのでこの日は朝寝坊。6時に起きて7時に朝食を取り、8時過ぎにサンクへ。
早朝撮影に行っても霧氷はつかないし、二日続けて早起きだったのでちょっとのんびりしたいというのもあって。(^^;
それに気温が高い日はタンチョウの行動も早い。サンクに早めに行って迎え撃ったほうがいいかな、と。
そんな私の予想を上回って、8:15にはもうタンチョウたちは大挙飛来していました。
何時に来たんだ?コイツら。(^^;
昨夜から降り続いていた雪。はっきり見える粒の大きな雪です。
本来2月のこの時期に降る雪じゃないですよね…湿った春の雪です。まあ写真的には絵になりますけど。
地球温暖化が叫ばれて久しいですが、最近はそれが特に顕著になってきていると警告する学者も多いですね。どこぞの大統領は認めてないですけど…。
かつてに比べて「冬」と呼ばれる期間が短くなり、「夏」と呼ばれる期間が長くなり…だけでなく「春」と「秋」が消えてしまうのではないかと思うほど季節の移りが極端で。そんな気候の変動は野生動物たちの生活にも大きな影響を与えています。
そう、昨日見た早すぎる「子別れ」もそう。
季節のサイクルが狂ってくれば、彼らの子育てのサイクルも狂ってしまう。それが野生動物たちの種の存続を危ういものにしていくかもしれない。
人間たちが自分たちの不始末で自滅していくとすればそれはある意味「自業自得」だろうけど、それに巻き込まれてしまう他の動物たちにとってみれば迷惑千万。「好き勝手やったツケを俺たちに回すなよ」というのが彼らの正直な言い分でしょう。
降っていた雪はほどなく止んで9時の給餌のすぐ後には晴れ間が出てきました。早めにサンクに行ってて正解でしたね。早朝撮影やって8時に朝食・9時にサンクというパターンだったら雪降りシーンを撮り逃すところでした。
この日は観覧柵側からの撮影。この時間帯、こちらから見上げる形で撮るとちょうど半逆光となった光がタンチョウの翼を浮き立たせて美しい。
三日前に撮った道路側からの角度、こちら側からの角度、どちらも捨てがたい。
タンチョウの番は、必ずお互いの相手の顔を見つめ合いながら舞います。まさに「求愛ダンス」の言葉にふさわしいですね。
くるくると円を描くように舞う姿はまさに宮廷舞踏会のようで、BGMにウィンナワルツを入れたいくらい。よく見ると体を大きくひねって、それでもしっかり相手の顔を見て踊る。上の写真の左のタンチョウ、首と下半身の向いている方向が違うのがわかります。
あっちでもこっちでも、
昨日積もった新雪を蹴って、
雪上の舞踏会は続きます。
この日は撮影者は少なかったですね。
もっとも時間帯によって偏りがあって、9時と14時の給餌時間の前後は観光客が多いです。旅行会社のツアーなどは給餌の時間に合わせて立ち寄り時間をセットしてますし。でもそういった団体客の滞在時間はせいぜい20分ほど。

大陸中国からの撮影者がほとんどいないせいか、皆静かに観察・撮影してます。
言っちゃ悪いけど…やっぱり中国の人、うるさいしマナー悪いし。「なんで平気であんなことするの?」「なんでそんな大声でしゃべるの?」と。
音羽橋の上で後から来たくせに無理やり三脚と三脚の間に体をねじ込んだり、他人のファインダー勝手に覗きこんでズームリング回したり、さらにはあろうことか勝手にシャッター押したり、まだ暗くて皆がスローシャッターを切っているときに橋の上で大声で騒ぎながらドタドタ歩いたり、「立入禁止」という立て看板がある道にどやどや入って行ったり…腹に据えかねることは枚挙に暇がありません。あれが中国人の国民性なのかと疑いたくなるほど。もちろんそんな人ばかりじゃないのはわかってはいるけど…。
観光地の中には中国からの観光客が減って打撃になっているという所も多いですけど、正直なところを言えば私たちはホッとしてますよ。ちなみに「中国人客が減って打撃を受けている」というのは鶴居村には当てはまりません。この村に宿泊してお金を落としていく人の中にもともと中国人はほとんどいませんから。というか、どの宿も大陸中国からのツアーは昔からほとんど受けないから。台湾の人は多いけど。どのホテルも毎年泊まる常連客と日本・欧米・台湾(そして一部韓国)の旅行会社が前年の段階で予約を入れてしまうので中国人ツアーが入る余地がない。だからほとんどの中国人は釧路に泊まって、そこからバスかレンタカーで来てたんですよね。もう来なくていいよ。(^^;
いくらお金を落としていったとしても、それと引き換えに私たちが大切にしているものを壊されてしまうんじゃ…ね。
かつての日本人も海外で相当ひどかったという…昭和40~50年代、「世界に冠たるノーキョー(農協)観光団」と皮肉交じりに欧米人から言われてました。飛行機の中で酒飲んで騒ぐ、周囲の迷惑顧みずにどこでも集団で記念写真を撮る、ホテルの部屋は散らかし放題、浴槽の外で体を洗ってバスルームは水浸し、パブリックスペースを下着のまま歩く。そりゃひどかったらしい。
まだ海外に出始めたばかりの日本人は無知だったから。
でも、昨今の中国人観光客の場合はそれとは本質的に違う。彼らは「知らないで」マナー違反をしているわけではない。「知ってて」やってるのだ。いわば「確信犯」。「大声で騒いで何が悪い!」「割り込んで何が悪い!」「行きたいところに行って何が悪い!」というワケ。いや、実際に彼ら、そう言ってるからね。私だってカタコトくらいの北京語はわかりますよ。いちおう大学では第二外国語は中国語を取ったんだから。実際に彼らがそう言ったのを私は自分の耳で聞いたんだから。
そして「『立入禁止』って書いているでしょ」と(北京語で)言っても「私は日本語読めない」なんて言う始末。漢字なんだからわかるだろ!と言いたい。一番ひどかったのは「日本人には立入禁止になってても自分は中国人だから関係ない」と言ったヤツ。殴ってやろうかと思いましたよ。国際問題に発展するとマズイと思ったからガマンしたけど。
彼ら、自分の国でも同じようなことをやっているんでしょうね。ときどきニュースで流れる中国国内の観光地の映像見ててもわかる。国民性なのかな。「他人を押しのけてでも自分さえよければいい」という感覚。共産党や警察の目が光ってるところでは大人しくしているけど、それ以外の場所ではルールなんか守らない。まして自分の国から出てしまえば檻から出た動物同然。
さらには日本人を見下している態度を示す奴もいる。
「中国は大国だから、小日本に何をしても許される」
そう思って日本に来てる輩も残念ながら少なからずいる…。
何度も言うけど、そうではないマトモな中国人も多い。
しかし、残念ながら「マトモじゃない」中国人のやることはあまりにひどすぎる…日本人だって欧米人だってあるいは東南アジアの人だってルールを守らない人間は一定数いる。でも中国人の「マトモでない人」のやることは他の国の人と比べてあまりにレベルが低すぎるのです。彼の国には「郷に入らば郷に従え」という諺はないようですね…。
私にも中国人の友人がいます。その彼に上記の意見をぶつけたら「残念ながら反論できない。事実だ」と言ってましたよ…。
閑話休題。
サンクでの撮影となると、その気になればTAITOに戻って昼食をとることもできるんだけど、私は時として道道脇の「セコマ」で軽食を買って(おにぎりとかパンとか)朝から夕方までサンクに居座ることもあります。ひとつには重い三脚と重機材を持って二往復するのがシンドイのと、じっくり腰を据えて「地上戦」でタンチョウを撮りたいと思ったときはあまりチョコマカ動きたくないからで。いったんTAITOに戻るときは午後の撮影は三脚なしで飛翔メインの撮影(「空中戦」と言います)にしたい時ですね。今日は一日地上戦。(^^;
サンクでは北側の端っこにD型倉庫があって、その一端が見学者用の休憩スペースになっていてそこにはベンチもあり、座って食事をしたりすることもできます。万一風雪が強くなった時の「退避所」にもなります。この辺が鶴見台とは違うところで、鶴見台にはこうしたスペースがありません(観察用の小さな小屋はありますが)。
それに撮影といっても四六時中ファインダーを覗いているわけではなく、むしろカメラから離れてタンチョウたちを観察している時間のほうが長い。時にはたまたま三脚を並べた撮影者と雑談したりするのも楽しいものです。そうした会話の中でいろいろな情報を得ることもありますしね。
「え~、そんなところに番いるの?」
「そう、〇〇川のこのへんにね…あ、これ、あまり人に言わないでね」
なんて教えてもらうことも多いです。
私が得る情報というのは、宿で同宿者から教えてもらうものと、給餌場での撮影中の雑談で教えてもらうものと半々かな。
やはり同じ趣味を持つ者同士、会話はあったほうがいいですね。時々「俺は真剣に撮ってるんだから話しかけないでくれ」みたいなオーラ?発してる人もいるけど、それって損だと思う。(^^;
緊張で張り詰めた状態での撮影なんて長続きしないから。ここ、という時だけ集中すればいいんで、あとはのんびりしましょうよ♪
この日は晴れたり曇ったりだったけど、気温が高かったせいかタンチョウたちはかなり遅くまで給餌場に居残っていましたね。
空の色は…春の色だなぁ。今回、あの厳冬期特有の地中海のような青い空はお目にかかれていません。
明日は最終日。でも朝の冷え込みはあまりなさそう…朝はどうしようかな。
| 2月20日(金) 晴れ |
最低気温-7℃、最高気温+3℃。
最終日の朝。
気温高いし、早朝撮影はどうしようかと思っていたんだけど…同宿のYpさんが朝出掛けるというので、ご一緒させてもらうことにしました。
三日前に行ったあのP橋へ。
橋のそばの道路はもう雪がほとんどなくて…でもこれが却ってコワイ。気温は零下だからそこここにブラックアイスバーンがある。しかも暁闇の中ではこれが見えない。気をつけないと…と思っていたら、Ypさんが車のそばで転倒。幸い大したことはなかったようですが、私も思わず身構えてしまいました。私が先にそこに行ってたら私も転んだかも。
案の定、霧氷はついてません。
結局6日間滞在して最低気温が-15℃を下回ったのはわずかに1日だけ。これまでの2月訪問でこんなことはなかった…二日や三日は-20℃を下回る日があったのに。
今年が特に異常なのか、それともこれからこの状態が当たり前になっていくのか…。
霧氷で真っ白な朝の光景というのが昔語りになったりしなきゃいいけど…。
今日はチェックアウトなので、宿に帰って朝食を済ませた後は荷物の整理。とは言っても、またすぐ3月に来るので持って帰るのは衣類だけ。重機材と三脚はもう10年程前からTAITOに置きっぱなしですが、この冬は長丈のダウンコートもTAITO常駐。(^^;
12月に持ってきて(と言っても宅配便で送るだけだけど)3月まで置いてもらいます。そうすれば、こっちに来てから着換えればいいので。あのダウンコート、すごくかさばるんで、送る荷物に入れると配送料がハネ上がってしまうんですよね。そもそも早朝撮影の時くらいしか着ないし。昼間晴れて風がない日は丈の短いモ〇ベルのダウンで充分だから。
あ、そういうことしてるの私だけじゃないですからね。常連さんは皆やってます。
大型三脚や超望遠レンズに至っては皆置いていくから。TAITOの地下倉庫にはレンズが十数本置いてあるはず。(^^;
だって200-400とか600とかジッツォのⅤ型なんてタンチョウ撮影以外には使わないから。猫撮影は三脚使わないし、鉄道撮影なんかは使ってもせいぜいハスキー三段程度で充分。
今日は午後の飛行機で帰ります。
お昼ご飯をTAITOで食べて温泉入って、それから空港に向かう…午前中はちょっと時間があります。
サンクチュアリへ。
昨年の暮れ、母が他界しました。あまりに突然でした。
それまでさしたる病変があったわけではなく元気に過ごしていました。12月半ばに「最近お母様、急に食が細くなって」と施設から連絡を受けた時も一時的なものだろうと思っていたのですが、それから一週間ほどしてから食事を摂らなくなってしまったという連絡が。水も飲まなくなってしまったという。急遽点滴を行い、食欲と体力の回復を待ったのですが、その甲斐もなくそれから一週間後の12月29日に眠るように息を引き取りました。亡くなる日の早朝まで介護士さんとかすかな小声ながら会話を交わしていたという…私が「お母様の呼吸、停止寸前です」と緊急連絡を受けたのは朝9時。それから急いで駆けつけたのがそれから45分後でしたが、その時にはドクターが来ていて「心停止されてます」と…。
あまりにあっけなくてその時は涙も出ませんでした。
医師の診断は「老衰」。
本当に突然で…せめてもの救いは、苦しまずに眠るように逝ったことでしょうね。
年明け早々に葬儀。そしてこの鶴居に来る一週間前に四十九日の法要。
忌中が明けての鶴居行きだったんですよね、今回。
その母が楽しみにしていたのが私が毎年2月に撮ってくるタンチョウの写真。番が舞っている写真が大好きでした。
だから毎年鶴居から帰ってくると、撮ったダンスの写真を延ばして額に入れて母のところに持って行ったものです。自宅にいる頃も母の部屋は私が撮ったタンチョウの写真があちこちに架けられていて、施設に入ってからもそれは続いて。
とうとう施設の部屋に三枚目の写真を飾ってあげることはできませんでしたが…。
でも母は、たぶん「早くツルの写真持ってきて」と言ってることでしょうね。
百か日の法要には額装したタンチョウの写真を墓前に持っていくつもりです。
さあ、どの写真がいい?母さん…。