無用の用

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2025年のノーベル化学賞は、京都大学の北川進さん(1951−現在)ら3名でした。

授賞理由は、金属有機構造体( Metal Organic Framework:MOF)を開発したからです。

温室効果ガスである二酸化炭素を効率よく吸着できる可能性があることから注目されています。



高校化学で「金属錯体(錯イオン)」について学びます。 金属イオンに配位子が結合した化合物のことです。

北川さんは、近畿大学に勤めていた頃、

銅イオンを用いて、穴の空いていない緻密な構造を作ろうとしていたのですが、

ある日、実験してみると、穴が空いた構造になってしまいました。



目的とは異なるものになってしまったので、

通常なら、“無用”ということで、それに見向きもしないところでしょうが、

中国の思想家・荘子が説いた「無用の用」を座右の銘にしていた北川さんは、

その“穴あき構造”を無視しませんでした。



穴の中に、溶媒であるアセトンの分子が入っていたのは、

ラッキーにも、ヒントを与えてくれたのかも知れませんね。

“穴あき構造”を無視することなく、研究し続けていた結果、ノーベル賞を取るに至ったのです。



プラモデルを作ろうと、箱を開けると、各パーツが、フレームに固定されています。

ニッパーなどを使って、フレームから各パーツを切り出し、プラモデルを組み立てていくわけです。

プラモデルを作り終えると、パーツを固定していたフレームは、通常、“用済みのゴミ”となりますが、

このフレーム、意外と、使い道がありまして、

この用済みフレームを集めてきて、適当なサイズに切り、接着材でつなげると、

組み立てたプラモデルを飾る周辺情景に利用できたりします。

お菓子の包装箱なども、ジオラマ作りには使えますね♪



そう言えば、2022年に「量子もつれ」でノーベル物理学賞を受賞したジョン・クラウザーさんは、

「実験装置を作ろうにも、研究予算がなかったので、

 大学内の廊下を歩きまわり、各研究室から出るゴミをあさって、使えそうな部品はないか探した。」

と言っていました。・・・これも「無用の用」の例でしょうか。


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