遠見山(とおみやま272m、納古山2(のこやま)633m                                  [美濃] 

 

 奥三河の鞍掛山から岩古谷山へ縦走しようと思って支度をしていたら、あいだの道路が橋の架け替えで通行止めであることが分かった。岩古谷山から下山後、自転車で鞍掛山の登山口に戻る計画なのでこれでは難しい。迂回路はあるらしいが、自転車で坂道を迂回するのはしんどいのでこの計画は断念 することに。
 ということで、代替え地として遠見山と納古山に登ることにした。こちらも登山口が少し離れているので、既に車に積んでしまった自転車が使えてちょうどいい

下麻生グランド近くから遠見山(左端)を望む

 

 納古山の登山口のひとつである下麻生グランドの駐車場に車を止め、自転車で金昌寺の駐車場まで移動する。ほとんど下り坂だが、上り坂も 少しある。登山靴でペダルをこぐのは意外に疲れる。
 金昌寺下の駐車場の植え込みの中に自転車を止めて歩き出す。ワイヤー錠を持ってきたのだが鍵を忘れてしまい、錠がかけられない。まあ、お寺の門前で盗みをはたらく者はいないだろうと、そのまま出発する。

 

テイカカズラ

 

 門の右手のお墓の中を抜け、少し行くと林道に出る。まずは南天の滝に向かう。林道脇の擁壁にはテイカカズラがびっしりと絡みつき、一面に花を付けている。自転車こぎのダメージが残っていて脚が重い。

 

南天の滝

 

 南天の滝には10分程で到着。岩場に囲まれた滝つぼは周りから隔絶した感じでなかなか雰囲気がある。落差もそこそこあって思っていたよりも立派な滝だ。
 滝から再び林道を進むと、すぐに右手に遠見山への登山道が現れる。ジグザグの道はなかなか急だが、脚も少し慣れてきてあまり時間がかからず見晴らし岩の分岐に出た。右手に進むと見晴らし岩。


 遠見山は最近ハイカーに人気の山だが、その理由はこの見晴らし岩からの展望にあり、眼下の飛騨川の眺めを「岐阜グランドキャニオン」と名付けた人がいたようで、それがSNSで話題になったためである。
 グランドキャニオンに似てるとは思えないが、足元が切れ落ちた見晴らし岩からは蛇行する飛騨川が真下に見え、その広がりは素晴らしい。まるで空中に飛び出したような感じがする。わずかな登りでこの景色が眺められれば確かに人気にはなるだろうな。
 見晴らし岩近くにはヒカゲツツジの群落があったが、残念ながら花の時期は終わっていた。

 

見晴らし岩からのパノラマ

 

見晴らし岩から遠見山山頂を見上げる

 

 見晴らし岩から先ほどの分岐に戻り、尾根を進むと水たまりのような池が現れ、周りにベンチがたくさん置かれている。ここが山頂かと思われたが何も標識がない。
 右手に小さな建物があり、祠かと思って上がってみたら壊れかけた休憩所だった。そのまま高みを目指して登っていったら、そこが山頂だった。秋葉神社の祠があり、山頂標識も立っている。ここからも飛騨川が眺められる。祠の背後に山が見えるがあれが納古山のようだ。かなり遠い。

 

遠見山山頂の秋葉神社

 

 遠見山山頂からは少し急な下りの後、緩やかな上り下りのある尾根をたどっていく。周りは雑木林で展望は利かない。尾根上に小さなピークが多いが、巻き道でパスできるところもある。
 カモシカピークを越えた鞍部からは納古山から南西に延びる尾根に登り返す。斜面をトラバース気味に登っていくので、あまりきつくはない。

 

こんな標識がいくつか立っていて
迷うことはない

 

 斜面を登り切って尾根の上に出ると頭上を高圧線が走っていて、鉄塔下で休憩を取る。展望がなく、植生もあまり変化がないので高圧線くらいしか現在地を確認するポイントがない。

 

ママコナ

 

くぐり松

 なおも尾根を進むと標高差150mほどの本日最大の急登。数字的には大したことはないが、最近ハイキング程度の歩きしかしていなかったので、息が切れて脚が攣る。まともな山歩きは久しぶりで、体力の衰えを実感する。
 登り切るを岩尾根になり、植生もまばらな松林に変わる。山頂は近い。

 

納古山山頂

 

白山

 七宗町からの道が右から合流するとひと登りで納古山山頂。山頂は樹木がなく360度の展望が開ける。
 納古山に登るのは二度目。前回は2002年の1月に登っている。前回は七宗町側の中級コースから登り初級コースで下る周回コースを採った。1月で展望が利く季節だったのに雲が多く、楽しみにしていた御嶽が見られなかったのでもう一度登りたいと思っていた。
 ところが今回も御嶽には山頂に雲がかかっている。あ〜あ、と思ったが左手に残雪の残る山が見える。なんと白山が見えている。えっ!すごいじゃないか。
 白山山頂は御前峰ほか幾つかのピークに分かれているのだが、この方角から見ると御前峰だけがピラミダルな姿を見せていて、すぐには白山と分からなかった。しかし、雪の残る山はカッコいいねえ!

 

美濃加茂方面

 

 反対側を振り返ると飛騨川の流れの先に美濃加茂の市街地が広がり、その遙か先には名古屋駅前のビル群も見える。遠見山とは違い、昔からハイカーに登られている山だけあって、やはり展望は良い。

 登山者は遠見山よりも多くて、山頂周辺にもベンチがたくさんあるのだが、今日は日射しが暑くほとんどのパーティーは一段下の木陰のベンチで休んでいる。自分も木陰の岩の上に腰掛けカップ焼きそばを作る。
 暑いのでラーメンよりも焼きそばの方がいいだろうと思ったのだが、山は喉が乾くのでやはり汁物の方が良かったなあと思う。

 

下山途中の岩場

 

 下山は七宗町側への尾根をたどる。初級コースを左に分け中級コースを下っていくと岩場になる。褶曲して摂理の入った茶色の岩場を下って行く。傾斜はきついが足場は多い。摂理の入った岩がポロリと落ちることだけ気を遣う。

 

林道を下る

 

 鞍部まで下りたら右手の谷を下る。これが大牧谷川の源頭で最初に車を止めた下麻生に下って飛騨川に合流する谷筋だ。
 たいした時間もかからず林道に降り立ち、後は林道を下るだけ。変化のない林道だが路面は比較的しっかりしていて歩きやすい。コースタイムほどかからずに車を止めた下麻生のグランドに戻ってこられた。

 

遠見山、納古山2ルートマップ


[山行日] 2024/6/5(水)
[天気] 晴れ            
[アプローチ] 東海環状自動車道・美濃加茂IC (R41) 下麻生グランドP    [約11km]

・グランド利用者用の駐車場。門扉なし。トイレあり。

下麻生グランドP  (自転車移動/1.7km) 金昌寺P
 

[コースタイム]  
  行動時間 発着時刻 地点名 休憩時間  
0:10 8:50 金昌寺駐車場 発    
9:00 南天の滝 0:05  
0:15 9:05  
9:20 見晴らし岩 0:10 22℃
0:10 9:30 おにぎり
9:40 遠見山山頂(272m) 0:10  
1:00 9:50  
10:20 カモシカピーク(355m)    
10:50 鉄塔下 0:10 サンドイッチ
0:50 11:00  
11:50 納古山山頂(633.0m) 0:50 24℃
1:30 12:40 カップ焼きそば
13:15 大牧谷コース分岐    
13:25 林道    
14:10 下麻生グランド駐車場 着   全行動時間
3:55     1:25 5:20
    (コースタイム 4:45)